サラリーマンとして会社勤めしていると、ほぼ確実に「根回しする」というシチュエーションが出てくるはずです。
しかし、根回しすることはそんなに簡単ではないので、苦手意識のある人が多いでしょう。
そこで今回は、ビジネスパーソンが身につけておくべき「根回し」について解説していきたいと思います。
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根回しとは?
ビジネスマンとして高く評価されるためには、「用意周到に根回しできることが重要である」と言われる場合があります。
では、この根回しというのは一体どのような意味合いなのでしょうか?
まず始めに根回しの語源と、ビジネスシーンで使われる場合の意味合いを確認しておきたいと思います。
「根回し」という言葉の語源は、樹木を別の場所に移植する際に、あらかじめやっておくべき準備のことです。
特に成長した樹木を移植する場合には、いきなり実行すると根っこが大きなダメージを受けて、そのまま枯れてしまう恐れがあります。
そのような事態を避けるために、移植をする場合は半年から1年ほど前から根の一部をわざと切断し、水分や養分をより活発に吸収する新たな根の生育を促す必要があるのです。
このように、樹木の移植のために入念に行う準備という本来の意味が転じて「根回し」と呼ばれているのです。
現在では物事を行う際、事前に電話やメールなどで関係者の了解を得ておくという意味で使われるケースが多くなっています。
事前に了解を得ておく対象は、ビジネスの現場においては役員や上司などである場合が一般的ですが、政治の場面で根回しという場合には、同僚の政治家や関係団体だったりもします。
根回しの対象は、必ずしも自分よりも上の役職の人だけというわけではありませんので、その点を頭に入れておくようにしましょう。
根回しは日本独自の習慣?
一般的な日系企業で働く場合には、根回しができることは重要なサラリーマンスキルであると考えられていますが、世界に目を向けた場合にはどうなのでしょうか?
実は、海外の企業で働く場合でも、根回しは重要とされるケースが多いのです。
仕事をスムーズに進めるためには、どうしても根回しが必要になってきます。
根回しが上手な人は、古今東西を問わず「仕事ができる人」という評価を得やすいので、もしビジネスマンとして将来的なキャリアアップを目指すのであれば、勤務先の企業の属性には関係なく、根回し力をアップさせる必要があると思います。
ちなみに、海外企業と比べた場合、日本企業の場合には、より社内調整が重視される傾向があります。
意思決定の仕組みが違う
日本企業において、より根回しが重視されるのは、意思決定する仕組みの違いが由来します。
海外の企業の多くは、トップダウン型の意思決定の仕組みを取っているため、わざわざ役員や上司に根回しをしなくても、トップの判断によって会社が行動する方向性が決まります。
これに対して日本企業の多くは、現場から上司、上司から役員、役員からトップマネジメントといったように、下から順番に案件を上げていくというボトムアップ型の意思決定システムが多いため、根回しがより重要になるというわけです。
根回しはめんどくさい
ビジネスマンとして働いている方の中には、何をするのにもいちいち根回しするのが「めんどくさい」「不要だ」「くだらない」と感じるかもしれません。
業務の進行をいたずらに邪魔しているだけの悪習慣にも思えるので、「根回しするのは嫌いだ!」という人も意外と多いのです。
確かに、根回しするためには、様々な関係者にコンタクトして同じような説明をしたり、似たような質問に答えて回る必要があるので、人によっては手間暇がかかる厄介なものであるように見えるかもしれません。
しかしながら、だからといって根回しするのが本当に無駄だと言えるのでしょうか?
もし根回しをせずに、いきなり重要な案件を経営会議に持ち込んだりすると、場合によっては承認を得られない恐れがあります。
そうなると、せっかく時間をかけて準備をしてきたものが、すべて無駄になりかねません。
根回しは手間がかかる面倒なものですが、それによって否認されるリスクを減らせるものだと考えると、根回しすること自体は決して無駄ではないのです。
むしろ、根回しすることによって役員決裁される可能性が高まるため、根回しは業務をより効率的に行えるようにするための重要なプロセスであると言っても過言ではありません。
根回しが上手な人は出世する
日本企業の場合には、根回しが上手な人であればあるほど出世すると言われています。
もっとも、これは根回しばかりしている人が評価されるというわけではありません。
先ほどから解説している通り、根回しできるということは、仕事を円滑に進めることができる人という意味合いも含まれています。
仕事を円滑に進めることができる人は、ほとんどのケースで優秀なビジネスパーソンであることが多く、その結果として根回しが上手な人は出世していくのです。
ある程度仕事ができるうえで、根回しもしっかりできるサラリーマンが、日本企業においては重宝されるのは事実だと思います。
いくら役員や上司に忖度して根回しばかりしていても、それだけで出世できるほどビジネスは甘いものではありません。
そのため、もしキャリアアップを望むのであれば、ビジネススキルを徹底的に磨いたうえで、それに加えて根回しができる調整力を養うことをお勧めします。
もし、根回しするのが苦手な場合には、いくつかのテクニックを身につけるだけでも、仕事のしやすさが変わってくるはずです。
中には、根回しは自分の性に合わないと感じる人もいるかもしれませんが、「根回しができないと出世できない」と割り切って、自分自身のスキルを磨くようにした方が良いでしょう。
上手な根回し方法を解説!
最後に、根回しする際に理解しておきたいコツをいくつかご紹介します。
まず一つ目は、根回しを行った相手に対してフォローアップを行うというものです。
根回しは、一度行っただけで確実に効果が見込めるようなものではありません。
一度は案件について説明して内々に上司の理解が得られたとしても、その後の状況の変化によって、気が付けばその上司が反対に転じるといったケースは少なくありません。
そのような事態を防ぐためには、一度根回しを行っただけで満足するのではなく、しっかりとフォローアップして相手が心変わりしないようにしましょう。
二つ目のテクニックは、職場以外の場所で相手にアプローチするというやり方です。
職場では怖い顔をしている上司でも、プライベートでは必ずしもそうではないかもしれません。
例えば、週末ゴルフなどに誘って人間関係を高めて、少しずつ距離を縮めながら根回ししていけば、意外とスムーズに了解が得られる可能性もあります。
他に、飲みニケーションするのも有効的だと思います。
やっぱりお酒の席は無礼講になりますし、飲んだ勢いで意気投合してしまう場合もあります。
このあたりはサラリーマンとして出世するための必須スキルだと思うので、色々試してみてください。
ただし、相手によっては職場以外で部下とやり取りするのを嫌う人もいるので、相手を選んでアプローチするようにしましょう。
まとめ
根回しは優秀なビジネスパーソンの必須スキルだと思います。
社外&社内営業において、根回しは重宝する能力です。
お客様に接する営業職はもちろんですが、営業推進部、人事総務部、経理部など他の部署でも使えるスキルだと思います。
社会人として活躍するためには、根回しが必要不可欠なスキルだと理解しておきましょう。