経営者は営業マンであれ!
中小ベンチャー企業に限らず、大企業の経営者も営業マンであるべきだと思います。
営業マンと聞くと「現場でセールスする人」というイメージがあるかも知れませんが、決してそんな単純な話ではありません。
そもそも「営業」とは、お客様の課題を解決するソリューションを提供する職種のことを言います。
つまり、顧客ニーズを把握した上で、最適なソリューションを提供しなければいけないのです。
そう考えた場合、経営者の仕事にも直結してくることが理解できるはずです。
先程、経営者の仕事はビジネスモデルを構築することだとお伝えしました。
このビジネスモデルを構築する為には、顧客ニーズを把握することが必要不可欠になります。
つまり、顧客ニーズさえ把握することができれば、プロダクトアウト戦略は成功する確率が飛躍的に高まるのです。
そのような観点からも、経営者は営業現場に出向くべきなのです。
営業職も経営者目線であれ!
経営者に全て任せるのは無く、最前線で働く営業職も経営者目線でいなければいけません。
ただの一般社員ではなく、経営者の目線で業務にあたるべきなのです。
「そんなのめんどくさい」とか「ただの平社員だよ」と反論する人がいるかもしれませんが、営業職は他の職種とは違うのです。
営業パーソンは顧客と直に交渉する職種なので、ある意味で営業職は「会社の顔」ともいえます。
そのような背景がある為、営業マンの振る舞いや態度で会社の印象が180度変わってしまうのです。
横柄な態度で顧客と接すれば「横柄な会社」と思われますし、親切な態度で顧客に接すれば「誠実な会社」と思われるでしょう。
印象は会社の業績に大きな影響を与えます。
たとえば、長期的な取引をしたければ、顧客に良い印象を持ってもらった方が絶対にお得ですよね。
営業出身の社長が多いのには理由があって、常に経営者目線で仕事をしているので、顧客の要望をつかむセンスが磨かれているのです。
営業出身の経営者は人当たりが良かったり、コミュニケーション能力が高かったり、プレゼンも分かりやすいですよね。
トップセールスとして活躍していた頃から日々努力をしているので、営業力が高くなるのも当たり前だと思います。
営業経験ゼロの場合はどうする?
営業経験ゼロなのに、いきなりセールスしなければいけない状況になったら、誰でも不安になるはずです。
営業ノウハウもナレッジもない状態で、闇雲に行動しても、決して成果は出ません。
現代のセールスは「足で稼ぐ」とか「努力が実る」という単純なモノではなくなっています。
もちろん結果を出すための努力は大切なのですが、もっと頭を使って、ロジカルに考える必要があるのです。
しかし、経営者の仕事は営業だけでなく、バックオフィスや人材採用、PR活動に資金調達など多岐に渡ります。
なので、営業活動だけに時間を割いているわけにいかないのです。
ましてや、初めて経験する仕事には思った以上の時間がかかります。
知識を取り入れるために読書したり、実践経験を積んだり、習得するにはそれ相応の時間と手間がかかるのです。
有名な経営学者であるピーター・F・ドラッカーは「得意なこと以外をするな!平凡になってしまう。」という格言を残しています。
苦手なことを一生懸命に努力しても、思ったより能力が伸びていかないという経験は誰にもあるはずです。
もしあなたが営業未経験だったり、セールスについて苦手意識があれば、外注することも検討しましょう。
外注するより自分で営業したほうが理想的ですが、そこでつまづいていても仕方ありません。
人間には得意&不得意があります。
不得意なことを一生懸命に頑張るよりも、得意なことを伸ばしていった方が、よっぽど面白いし効率的です。
苦手な部分を自分で頑張るよりも、営業のプロフェッショナルを雇ってしまう方が良いケースもあるのです。
その場合には営業代行を検討したり、リファラル営業を検討してみましょう。
営業部の作り方
ここまで中小ベンチャー企業における営業戦略について解説してきました。
- 社長をトップセールスとした直販部隊
- 営業代行などの外注部隊
大枠ではこの2種類のやり方で営業部隊を作ることができます。
どちらの方が好ましいということはありませんが、製品サービスや事情に合わせて選定すれば良いと思います。
個人的におすすめの割合は「直販2:外注8」だと思います。
どちらか一方に振り切るのではなく、リスク分散という意味も含めて両方の仕組みを構築するのです。
直販に比重を置きすぎた場合、コストが高くなって利益を圧迫する可能性があります。
しかし、外注に比重を置きすぎた場合、コントロールが効かなくなって、セールスの仕組みが崩壊するリスクを常に抱えることになります。
なので、両方のバランスが取れる仕組みが良いと思います。
実際に大企業と呼ばれるソフトバンク、NTT、光通信など、代理店制度をうまく使っている会社ほど、直販の比率が少なくなっています。
この辺りは法則が発動していると考えられるので、そういうものだと割り切りましょう。
まとめ
大企業の経営者は別かもしれませんが、中小ベンチャー企業の経営者は必ず営業現場に出ましょう。
これをするだけで営業部のモチベーションアップにつながって、組織全体が鼓舞されます。
もし営業現場に出ない場合には、その逆の効果が働くので、いづれ組織は崩壊することでしょう。
このあたりを肝に銘じながら営業部を構築していってください。