中小企業はみなし残業が多い

ここまでを理解した人は、営業現場の実態がある程度理解できたと思います。

営業は顧客主導なので、その時々で臨機応変な対応が求められるはずです。

そのような理由もあって、営業職には”みなし残業”が適用されているケースが多くなっています。

みなし残業とは固定残業代を支給するシステムで、実際にどれだけ残業をしていたかにかかわらず「毎月●時間残業した」とみなして、事前に取り決めた残業手当を支給するという仕組みです。

例えば、みなし残業時間が40時間と定められていた場合、たとえ10時間しか残業しなかった月でも、40時間残業をした月でも同じ金額がみなし残業手当として支給されます。

これだけ聞くと、なんかお得な制度に感じますが、実態としては経営者にとって都合良い仕組みになっています。

みなし残業手当は基本給に基づいて計算されるので、基本給が上がれば残業代が高くなるのは一般的な残業代と同じですが、給与明細上では毎月同じ残業時間として表記されているので、どんなブラック企業であってもそれほど長時間の残業をしていないように見えてしまいます。

このような点が経営者にとっては好都合なのです。

みなし残業は廃止されるかも?!

みなし残業は労働者にとって不利な条件であるケースが多いので、大企業ではみなし残業を廃止する傾向が強まっているものの、中小企業やベンチャー企業ではみなし残業がまだまだ商習慣として残っています。

例えば、創業したばかりのベンチャー企業はスタッフの数が少ないので、一人当たりの生産性を最大化できる”みなし残業”はとても都合が良いのです。

さらに、成長スピードの速いベンチャー企業に就職する人は「たとえ残業代が出なくても自分や会社のためにもっと働きたい!」という熱意ある人が多い傾向にあります。

そういったケースでは、労使の双方が同意した上でみなし残業が導入されています。

モチベーションの高い人にとっては残業代などどうでもいい話だと思いますが、労働基準法に違反するような働き方をしているケースも目立っているため、全体としては廃止する方向にあるのが実態でしょう。

どちらにしても、みなし残業制度を使うのであれば36(サブロク)協定をきちんと締結しなければいけないので、この辺りは注意しておきましょう。

残業制度を確認する

国は労働基準法などで残業制度の基本となるガイドラインを定めているものの、必ずしも企業側がその通りに制度運用する必要はありません。

企業は労働基準法に違反しないような残業制度を採用しているはずですが、中には労働基準法あまり理解していない経営者も散見されるので、もし不安感があるのであれば、上場企業などコンプライアンスがしっかりしている会社に就職することをお勧めします。

必ず就業規則を確認する

就職&転職をするときには、必ず「どんな残業制度になっているのか?」を確認しましょう。

会社に就職するタイミングで必ず労働者には”就業規則”が渡されるはずです。

就業規則には働く上でとても重要な情報が記載されているので、全てに目を通す必要がありますが、最低でも給料や残業制度については読んでおきましょう。

もし会社がみなし残業制度を採用しているなら、「みなし残業を何時間にするか?」という情報も明記されているはずです。

しかし、「みなし残業代がいくらになるか?」という金額までは明記されていないかもしれないので、その時には36(サブロク)協定を参照する必要があります。

36協定によって月ごと、年ごとの残業時間の上限や、一定時間を超えたときの超過分の残業代についても確認できるので、あらかじめ情報収集しておきましょう。

毎月支給されている給与明細を確認するのも良いと思います。

その給与明細には「実際にどれだけの残業手当が支給されているのか?」が明記されているので、すぐに確認できるはずです。

残業代を当てにしない

営業職という仕事の性質上『残業ゼロ』という状態になることはあまり期待できません。

むしろ「残業をするのが当たり前」というスタンスで仕事をした方が無難だと思います。

そして、残業代も”みなし残業”になっていることが多いので、あまり当てにしない方が賢明です。

しかも営業職の基本給は低めに設定されていることが多いので、残業代も出ないとなれば、もはやダブルパンチですよね。

実際に、ほとんどの営業パーソンはそんなに高い給料をもらっていません。

しかし一般的に「営業職は高収入」という印象があると思います。

なぜかといえば、営業職はインセンティブで稼いでいるからです。

営業職の給与構成で一番大きなウエイトを占めているのは”歩合”や”インセンティブ”です。

自分の営業実績や出来高に応じて支給されるインセンティブは、多い人だと基本給を超えるケースもあります。

稼ぎ頭と言われている上位2割のトップセールス達は、多額のインセンティブを受け取っているので、そのぶん年収が高くなっているのです。

仕事のやりがい&意義を優先する

ただ、残業代や目先の給与を考えるよりも、「何のために働くのか?」ということを良く考えてみて欲しいと思います。

仕事の意義を再考し、営業職として働くやりがいを見つけられたなら、残業代など気にせず前向きに働けるはずです。

例えば、将来独立起業を目指す人にとっては、残業なんて苦になりません。

残業代がいくら貰えるかなど目先の利益は考えず、ただ自分のライフプランに沿ってひたすら自己成長を目指しているからです。

他にも「将来は今いる会社の社長になりたい!」と考えてる人にとって、誰よりも働くことは当たり前のことですよね。

ただ単にお金のために働く人と、何か目的を持って働いてる人では、将来的に雲泥の差ができてしまいます。

せっかく人生の大半を使って仕事をするのであれば、目的意識を明確にした方がいいと思います。

もちろんどのように働くかは人それぞれですが、個人的にはそのような働き方をお勧めします。




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