もし独立・起業したいのであれば、それなりに将来のことを考えてプランを練る必要があると思います。
何の準備もせずに勢いで退職してしまうと、後々大変な思いをするのは自分自身です。
とはいっても、一体どのような準備をしていけば良いのかわかりませんよね。
そこで今回は、実際に起業を経験している営業シークのさの編集長が、「これから起業する人」に向けて起業ノウハウをお伝えしたいと思います。
まずは「やるべきこと」をリスト化する
もし独立・起業を検討しているのであれば、まずは「やるべきこと」をリストアップしてみましょう。
「起業準備」と言っても漠然としているので、何から手をつければいいか分かりません。
そしてとにかくやるべきことが多いので、頭がパニックになるかも知れませんが、やるべきことをリスト化すれば少し冷静になれるはずです。
なので、まずは一般的な起業準備について解説していきたいと思います。
準備①:ビジネスアイデアを練る
起業する上で重要なことは、「どんなビジネスで起業するのか?」ということです。
まだ起業を経験したことがない人にとっては「とてもハードルが高いこと」のように思われますが、実際はそんなことありません。
実は、起業するアイデアはあなたの周りにもたくさん転がっているのです。
例えば日常生活をする中で、以下のようなことを考えたことありませんか?
- 夜中にぼーっとテレビを見てる時間がもったいないなぁ
- 買い物するのがめんどくさいなぁ
- 部屋を掃除するのがめんどくさいなぁ
- 旅行に行きたいけど、どっか良い所ないかなぁ
- 彼女の誕生日プレゼントは何がいいかなぁ
このような”課題感”は、日常生活をする中で誰もが経験することだと思います。
そのような課題を解決することが起業という行為なのです。
これは理想と現実のギャップを埋める作業に似ていて、
- 理想)とても便利だなぁ
- 現実)不便だなぁ
というギャップは全てビジネスになり得るということです。
このギャップを見つけたら、今度は顧客ニーズを探り当てます。
ただとても厄介なのですが、この顧客ニーズはなかなか見えてきません。
顧客ニーズは「潜在ニーズ」になっているケースが多く、なかなか表に出てきませんし、消費者は嘘をつくので見せかけのニーズに騙されないことが大切です。
なので、もし起業するなら、まずは潜在ニーズをマーケティングする必要があるでしょう。
準備➁:資格や認可を取得する
参入する業種・業態によって、起業時に必要なものは大きく異なります。
例えば、Webライターの副業をしていた人が起業して、本格的にライターの仕事を請け負っていくとしましょう。
その場合には、今まで使っていたパソコンやインターネット環境があれば、とりあえず仕事をして収入を得られます。
そのため起業することに伴って、新たに何かを用意する必要がないという人もいますが、「これまで法人向けの採用支援をしてきたので、その延長線上で起業したい!」という人の場合、人材紹介業や派遣業の免許を取得する必要があります。
たまに「求人サイトを立ち上げるIT系サービスなので、人材紹介免許は必要ない」と勘違いしている人がいますが、エントリー(マッチング)機能を実装するのであれば、たとえWEBサービスでも人材紹介免許は必要となるので注意しましょう。
このように、資格を持っていないと営業(=開業)できない仕事もあるということです。
例えば飲食店は、必ず営業許可書と食品衛生責任者の資格が必要となりますし、他にも調理師免許を持っていない人は「調理師」を名乗れず、製菓衛生師も無資格では「パティシエ」を名乗れません。
そもそも必要な資格を取得していない場合、事業を興してはダメですし、コンプライアンス違反なので、その権利もありません。
また、肩書がないことはビジネスにおいて大きな影響を与えるかもしれないので、あった方が良い資格は必ず取得しておきましょう。
準備➂:起業するお金(資本金)を用意する
次は資金に関する準備です。
起業の準備と聞くと、真っ先に思い浮かべるのは「お金」に関することですよね。
独立起業する場合には、それなりの初期投資が必要になるのは周知の事実です。
しかしその金額は業種業態によって異なるので一概にまとめることはできませんが、実際に起業した私個人の感想としては「少なくとも1,000万円以上」を用意しておいた方が無難だと思います。
そう考えた場合、昔の株式会社は「資本金1000万円以上」という縛りがあったのにも、ある程度の合理性があったように感じています。
そして「創業融資」などの制度を活用して、最大限借入をするようにしましょう。
銀行融資を受けない、いわゆる無借金経営を誇りにしている経営者をたまに見かけますが、そのやり方は立ち上げ間もない会社にとってリスクが高すぎます。
その理由について詳しく解説しておきたいと思います。
絶対に銀行借り入れをすべき理由
もちろん”無借金経営”ができることは素晴らしいですし、なかなかできる芸当ではないので、それ自体を否定するつもりは全くありません。
しかし世の中には不景気(=景気後退局面)という局面が必ずやってくるので、その時に初めて銀行借り入れを申請すると拒否されるケースがあるのです。
経営者の間でよく言われているビジネス格言に「銀行は雨が降っている会社にはお金を貸さない」という言葉があります。
つまりこれまで全く取引がない状態で、いきなり銀行に「傘(=お金)を貸してくれ!」と頼んでも、返してくれない可能性があるので融資を断られるケースがあるということです。
なので事業好調な「晴れてる間(又は創業間もない時)」に銀行融資を受けておき、少しずつでも返済実績を作っておくことが重要だと思います。
そのような返済実績が評価されて、たとえ雨が降っていたとしても「返済可能性が高い」と判断されれば、業績が悪くても融資を実行してくれるケースがあるのです。
これはつまり相手(銀行の担当者)の立場に立って考えれば良く理解できるはずです。
銀行の担当者はサラリーマンなので、上司から「この会社は業績悪いが、融資を返済できるのか?」と聞かれた場合、何の実績もなければ上司を説得することができませんよね。
しかし、もし過去に多少の返済実績があれば「この会社は5年間に渡ってずっと返済を続けているので、信頼できる会社だと思います」と上司を説得する材料になり得ます。
つまり、借入が必要であるかないかは全く関係がなく、返済実績を作っておくことは会社経営における「保険(=リスクヘッジ)」と同じ役割になるのです。
なので、もし独立開業する場合には、たとえ直近の資金ニーズがなかったとしても銀行融資を受けるようにしましょう。
準備④:税務署に開業届を提出する
次は起業関連の手続きです。
個人事業主として起業するにあたっては「開業届」というものが必要となります。
これは所轄税務署で書類を書いて、ただ提出するだけの作業なのですが、それと同時に青色申告の申請もやっておくことをお勧めします。
そうすれば、その年の確定申告から青色申告控除が受けられるのです。
記帳の仕方によって控除内容は異なりますが、最大65万円の控除が受けられるので、節税をしたいという人は同時に申請を済ませておきましょう。
ちなみに、法人の場合には会社定款の設定や、法人登記の手続きが必要になるので、個人事業主とは違った手続きが必要になります。
法人登記の場合には、所轄の法務局に出向いて、法人登記手続きをする必要があります。
この手続きはかなり厄介なので、何度も法務局に出向く羽目になると思います。
実際に、さの編集長は自分で法人登記の手続きを行ったのですが、法務局には5回ほど行くハメになりました。
また、会社設立に必要な会社定款は、所轄の公証役場に出向いて認証してもらわなければいけません。
法人登記に関しては厳格なルールがあるので、事前に法務局へ連絡して確認しておきましょう。
準備➄:健康保険組合に加入する
辞めた企業で社会保険に入っていた場合、その健康保険や年金基金を脱退することになるので、新たな加入手続きを検討しなければいけません。
個人年金に関しては法制度に則って加入すれば良いのですが、健康保険に関してはどこかに加入した方が無難だと思います。
やっぱり病気になった時の通院費や入院費用は馬鹿になりませんし、リスクヘッジという観点でも加入しておいた方が無難です。
業界ごとの健康保険組合もありますが、加入要件が厳しいかもしれないので、まずは「全国健康保険協会(協会けんぽ)」に加入することをお勧めします。
サラリーマン時代は実感することが少なかった保険料ですが、自営業者になった場合、その金額の高さにきっと驚くはずです。
このように、起業をする際には様々な準備が必要となりますが、
- 個人事業主として独立開業するのか?
- 法人事業として起業するのか?
によって手続きの内容が異なるので、しっかりと情報収集しておきましょう。
起業に向いている人の特徴とは?
起業には興味があるけれど、もし失敗したらどうしよう…
このような不安感から、なかなか一歩を踏み出せない人はたくさんいると思います。
独立・起業というのは、成功して大金持ちになれる側面もあれば、失敗して自己破産する可能性もあるので、一種のギャンブル的要素を感じているかもしれません。
では一体どのような人が起業家に向いているのでしょうか?
営業スキルが高い人
起業家に向いている人は、やはり営業スキルやコミュニケーションスキルが高い人です。
起業するということは、多くのステークホルダーに対して影響力を持つことを意味します。
従業員はもちろん、株主、取引先、銀行、消費者などと上手くコミュニケーションしなければいけないので、口下手な人ではなかなか務まりません。
そして、新規開拓するために営業活動をしたり、人脈もフル活用しなければいけないので、とにかく人と接する機会が増えるはずです。
もちろんインターネット上で完結する場合もありますが、クライアントと真の信頼関係を築いていくためには、メールでのやり取りだけでなく、電話でのやり取りも必要です。
- 人に会うのが好き
- 誰に対しても緊張しない
- 人と話すのが好き
という人であれば、自然に仕事も舞い込んでくることでしょう。
「責任感」が強い人
事業を経営するということは、仕事上のミスはすべて自分の責任になるということです。
日々の仕事の中で従業員がミスすることもあるでしょうし、取引先がミスをすることも十分ありえます。
そんな時、人のせいにして「自分は絶対に悪くない」と決め込むような人は、起業家に向いていません。
経営者というのは、事業に対する全責任を負うので、その分報酬が高くなっています。
つまり、責任と報酬額は比例していくということです。
都合の良い時だけ人のせいにするのではなく、「どうやったらそのような事故を防げるか?」という仕組み作りも経営者の仕事だと考えています。
何かミスがあれば素直に謝り、全責任を負う覚悟を持つ…
事業責任者であれば当たり前のことですが、これはとても大きな”覚悟”だと思います。
経営者自らが「全責任を負う」と公言することで、従業員や取引先は失敗を恐れずに最高のパフォーマンスを追求することができるでしょう。
このような関係性が信頼関係に繋がっていき、きっとそれが良い仕事にも繋がっていくはずです。
事業に「情熱」を持てる人
起業する上で一番重要な要素をお伝えします。
それは、自分の事業に対して「情熱」を持つことです。
起業とは、自分でビジネスを興すことを意味していますが、単に独立開業するだけではありません。
先程もお伝えしましたが、起業の本質とは「世の中のギャップを埋めて、イノベーションを起こすこと」になります。
つまり、「世の中をもっと良くしよう!」という強い信念や情熱がなければ、決して起業家は務まらないのです。
- ただお金を稼ぎたいだけ
- 仕事だからやっている
というスタンスでは、決して世の中を変えるようなイノベーションは起こせません。
事業を成長させられるのは、起業家本人の覚悟次第です。
そういった意味では「起業=自己犠牲の精神」だと個人的に解釈しています。
これは薄っぺらい理想論のように聞こえるかもしれませんが、「自分はどうなってもいいので、世の中を良くするため、みんなに喜んでもらえるために貢献したい」という気持ちを持たなければいけないと考えています。
なので、仕事に対する情熱は何年経っても薄れることがなく、常に情熱漢でいられる高いモチベーションが求められるのです。
起業家に必要な要素とは、決して高い学歴や人並外れたスキルではなく、一番重要な要素とは、「世の中に貢献したい!」「社会をもっと便利にしたい!」という前向きな姿勢なのです。
行動力がある人
ここまでは起業家に必要な精神論をお伝えしてきましたが、「行動力」は実務に結びつきます。
どれだけ綺麗事を並べても、それを実現するだけの行動力がなければ全く意味がありませんよね。
なので、「事業を成功させる為に一番重要な要素とは?」という質問に対しては、「行動力です。」と回答するのが正解だと思います。
逆説的に行ってしまえば、行動し続けられる人は必ず成功することができるとも言えます。
なぜかといえば、失敗すらも「成功しなかった事例の証明」として前向きに捉え、それを改善するためにまた行動できるからです。
当たり前の話ですが、それを永遠に続けていれば誰だって成功できますよね。
事業経営には正解がないので、どうしても迷いが生じますが、その時に慎重になりすぎて、なかなか行動へ移せない人もたくさんいるはずです。
しかし悩んでばかりでは一向に前進しないので、まずは行動してみることをお勧めします。
副業から起業するメリットを解説
ここまで読んできた人は「自分も起業してみたい!」と思ったかもしれません。
しかし、実際にやってみると「思っていたイメージと違った…」というギャップを感じることもあるでしょう。
想定していたよりも稼げず、「事業を続けていくのが難しい…」という局面に陥るケースも考えられます。
それでは、できるだけ失敗するリスクを抑える為には、一体どうしたら良いのでしょうか?
そのようなニーズの場合には、副業から始めてみることをお勧めします。
副業とは、何かしらの本業がある前提で行っているサイドビジネスのことをいいます。
副業の場合には本業があるので、もしダメになっても生活に支障をきたさないことが特徴的です。
副業から事業をスタートさせることには様々なメリットがあるので、ここで詳しく解説しておきたいと思います。
メリット①:マーケティングができる
まずは、マーケティングができるということです。
起業で最も多い失敗談というのは、「起業したけど顧客ニーズが無かった…」というケースです。
- これは絶対に売れる!
- たくさんの人が欲しがるはず!
と思うような革新的なアイデアでも、意外と失敗してしまうのが現実のビジネスです。
せっかくチャレンジしたのに、最初から倒れてしまっては、起き上がるまでに時間がかかるので、最初は大怪我をしないように慎重に進めたいところですよね。
幸いなことに現代は副業解禁されているので、サラリーマンとして会社勤めをしながら、土日や祝日の副業として始めてみることで、「どれくらいの収益が見込めるのか?」という部分がある程度クリアになります。
そうしたマーケティングデータから起業の勝率を導き出せば、大怪我をしなくて済むはずです。
メリット②:周到な準備ができる
副業を経由することで、用意周到な準備ができることもメリットだと思います。
副業から始める場合には「本業がある」という安心感から、「ガッツり稼がなくても大丈夫」という余裕が出てきます。
そうすると無理して収益(売上や利益)を追う必要がなくなるので、プロダクト開発に専念することもできます。
しかしいきなり起業すると、もう後戻りできないので「とにかく収益を稼ぐ!」という無茶な事業経営を強いられるかもしれません。
このようなパターンはとてつもなく大きなストレスがかかりますし、顧客ニーズを無視した営業をやってしまったり、「本当に良いプロダクト」を創ることができなくなってしまいます。
もちろんダラダラ準備するのは良くありませんが、用意周到な準備をすることは是非オススメしたいポイントです。
マーケティングで汲み取った顧客ニーズをプロダクトに反映させることができれば、起業の勝率はかなり高まるはずです。
メリット③:最低限のリスクで済む
起業するということは、リターンを求めることです。
リターンを求めるということは、リスクを負うことです。
つまり、起業するということは、リスクを負うことなのです。
このリスクの大きさは様々ですが、先ほど解説したように「資本金1,000万円」を用意して、さらに銀行から多額の融資を受けた場合、そのリスクの大きさは自分のキャパシティを超えてしまうはずです。
いきなりそれだけを多くのリスクを背負って独立起業することは、正直お勧めできません。
なので、まずはスモールビジネスから始めることは合理的だと言えるでしょう。
現代では「マイクロ起業」という言葉もある通り、リスクを減らしながらビジネスする人が増えています。
先ほども少し触れましたが、最初から大怪我をしてしまっては再起不能になってしまいます。
「副業から起業する」ことと「いきなり起業する」のではリスク許容度が全く違います。
もし副業OKの会社なのであれば、まずはスモールスタートしてみることをお勧めします。
週末起業をしてみる
起業にチャレンジしてみたいけど、本業が忙しくてなかなか挑戦できない…
そう思っている人は、ぜひ週末起業にチャレンジしてみてください。
週末起業とは、ネーミングの通りですが、会社が休みの土日祝日に自分のビジネスをするというやり方です。
「週末副業」なんて呼ばれることもありますが、どちらも意味は同じだと思います。
週末はダラダラ過ごしたい人がいるかもしれませんが、そもそもそういう人は起業家に向いていません。
起業家とは、世の中を変えるために自分の身を粉にして、自己犠牲を払える人だけが務められるのです。
なので、もし起業するというのであれば、365日、24時間営業で休みなくフル稼働する気概が最低限必要だと思います。
たとえ365日フル稼働したとしても、自分の好きなことをやっているので過労死するようなことはまずありませんが、ストレスで円形脱毛症になったり嘔吐するぐらいの覚悟はしておきましょう。
個人的にオススメしたいのは、1日14時間以上、一週間で100時間以上の稼働(=仕事)をすることです。
この数字はテスラモーターやスペースXで有名なイーロン・マスク氏も推奨している数字なのですが、これを3年間続けると、ほとんどのケースで負けることがありません。
これは学術的にも根拠のある数字なので、もし起業したい人はぜひ実践してみてください。
とはいえ、いきなり厳しい環境に身を置くことは、身体にも良くないので、まずは週末起業から始めてみることが良いと思います。
週末起業であれば、土日の隙間時間や、休日の2~3時間程度という感覚で始めることができます。
それなら無理をして働く感じにならないので、自分のペースに合わせて挑戦できると思います。
副業が会社にばれないか心配…
実際に週末副業をしようとしても、「ウチの会社は副業が禁止されている…」なんて考える人は多いかもしれません。
もし無断で副業を始めて、会社にバレたら揉めることは確実です。
現代は実質的に副業解禁されているはずですが、副業を禁止している企業はまだまだ多いのです。
企業が副業禁止にする理由は様々ですが、一番多い理由は「本業に集中できないから」というものです。
その一方で、副業解禁することで社員の自立をはかり、本業に対してもより一層真剣に向き合うことを期待する企業もあります。
どちらにしても雇用契約を締結している以上、ある程度は勤務先に配慮する必要があると思います。
そこで知っておきたい知識として「どうやって副業はバレるのか?」という部分です。
この答えは明確で、確定申告によって副業がバレてしまいます。
確定申告とは、年に1回税務署に自分の納税額を申告する作業のことをいいますが、もし副業収入を得た場合、ほとんどのケースで確定申告が必要になると思いますが、この時の納税方法がポイントになります。
まず押さえるべきポイントは、確定申告の納税方法には2種類があるということです。
- 普通徴収
- 源泉徴収
源泉徴収というのは、会社の給料とまとめて納税するというやり方なので、会社外で収入があることを経理担当者に知られてしまいます。
なので、会社給与とは別管理で納税する「普通徴収」を選択すれば、会社にバレることはありません。
決して難しい話ではありませんので、副業を考えている人はぜひ覚えておきましょう。
脱サラ前にやっておくべきこと
脱サラした解放感を早く味わいたいという人もいるかもしれませんが、その気持ちだけですぐに退職をしてしまうと、後々後悔する可能性があります。
会社務めしているうちにやっておくべきことがあるので、起業経験者の意見として、ぜひ参考にしてみてください。
クレジットカードを作っておく
個人事業主や自営業者になった時、初めて独立したことを実感するタイミングは、自分の信用が低くなったタイミングだと思います。
具体的にいうと、カードやローン関係の手続きになります。
自営業者は収入が安定しないので、社会的な信用度が下がる傾向にあります。
その結果、「新しいクレジットカードが作れない…」という状態に陥るのです。
サラリーマンは給料が保証されているので収入目途がつきますが、自営業者は安定した収入が確約されていません。
なので、クレジットカードを作る時や、住宅ローンを組む際にも審査が通りにくくなるのです。
しかしクレジットカードを持っていれば、もし万が一資金難に陥った場合、カードローンが助け舟になるかもしれません。
企業経営には、とにかくキャッシュ(現金)が必要なのです。
よって、一つでも多く「現金を手に入れる術」を用意しておいた方が良いはずですよね。
楽天カードは誰でも作れると言われているので、とりあえず複数枚のクレジットカードを作成しておきましょう。
会計知識を蓄えておく
自分で企業経営をするということは、必然的に会計知識が必要となります。
例えば、あなたは「貸借対照表(B/S)」や「損益計算書(P/L)」を読み解くことができるでしょうか?
これは企業経営をする上で必ず出てくる決算資料の一つですが、それが読み解けなければそもそも経営者という職業は務まりません。
なので、サラリーマンとして働いてる間にたくさんの書籍を読んで、会計知識を蓄えましょう。
他にもキャッシュフロー表(C/F)という重要な管理表も必要で、管理会計や制度会計という概念も理解しておくべきでしょう。
もしそのような会計知識がないのであれば、身近なところでは「株式投資」を始めてみるのがおすすめです。
株式投資をする場合には、対象企業の決算書を読まなくてはいけません。
なので「四季報(しきほう)」と呼ばれる分厚い本を買うことになるのですが、この会社四季報を買って眺めているだけでも、なんとなくその意味が理解できていくはずです。
会計に関する本は膨大な量が出版されているので、特段困ることはないはずですが、できれば独立起業する前に10冊くらいは読んでおきましょう。
SNSのフォロワー数&友達数を増やしておく
SNSは現代社会でなくてはならないインフラツールになっています。
代表的なものはFacebook、Twitter、instagram、LINE、TikTokなどが挙げられますが、どれも広告宣伝に使えることが特徴的です。
つまり、自分と繋がっているフォロワーに対して、無料でPRすることができるのです。
無料で広告宣伝できることは、資金の乏しい起業当初とても助かるはずです。
- 新規事業を始めました!
- 会社を設立しました!
- 事業パートナーを募集しています!
などの投稿すれば、もしかすると誰かが反応してくれるかもしれません。
そのための下地づくりとして、SNSのフォロワー数や、友達の数は多くて困ることがありません。
そして個人的におすすめしたいのがLinkedInを活用することです。
日本人にとってLinkedInは馴染みのないSNSかもしれませんが、グローバルスタンダードの観点で言えば「ビジネスパーソンにとって必要不可欠なSNS」だと言われています。
日本人はFacebookを「ビジネス&プライベートのSNS」として利用していますが、グローバルスタンダードでは「LinkedIn=ビジネスSNS」「Facebook=プライベートSNS」として使い分けているのです。
そのように使い分けている理由とは、LinkedInがビジネスに特化したSNSだからです。
その機能を四の五の説明するつもりはありませんが、とにかく一度触れてみることをおすすめします。
エクイティファイナンスも検討する
資金調達のやり方は色々ありますが、ここでお伝えしたいのはエクイティファイナンスについてです。
エクイティファイナンスとは、新株を発行して資金を調達するファイナンス手法のことを言います。
なのでこれは”株式会社”でしか実践できない話になります。
出資者は個人でも法人でも良いのですが、エクイティファイナンスは事業を飛躍させる必殺技になりえます。
なぜかと言えば、株式を発行した資金調達の場合には返済義務がないからです。
通常の資金調達といえば銀行借り入れを思い浮かべますが、銀行から調達した場合は金利の支払いが発生しますし、据置期間が終わった時に元本の返済も始まります。
その返済はボディーブローのように効いてくるので、企業経営を圧迫する原因になり得ます。
それと比較して、エクイティファイナンスには返済義務がないので、金利の支払いも、元本の返済も必要ありません。
これだけ聞くととても良い仕組みに思えますが、一般的には株式の議決権を渡すことになるので、そのようなマイナスの側面もあります。
つまりどちらも一長一短ということですが、エンジェル投資家を探すことは「資金調達の手段を増やすこと」なので、やっておいて損はないでしょう。
エンジェル投資家とは、個人投資家を意味します。
エンジェル投資家は、企業投資家(CVC)やベンチャーキャピタルと比較して、以下のような特徴があります。
- 意思決定が早い
- 出資額が少ない
- 要望が少ない
- 契約条件が軽い
- 事業を応援してくれる
独立起業してからエンジェル投資家を探すのは時間が勿体ないですし、そのコストも馬鹿になりません。
なので、出資を依頼するかどうかは別として、独立起業する前にエンジェル投資家を探しておきましょう。
できる限り多くの”起業本”を読む
これは個人的にとてもお勧めの起業準備になります。
起業というのは、ほとんどの人にとって”未知の経験”だと思います。
なので、
- どんな準備をすればいいのか?
- どんなリスクがあるのか?
など不安が尽きません。
そんな時に便利なのが、すでに起業経験のある人の自伝本を読むことです。
起業コンサルタントが書いた上っ面のノウハウ本ではなく、実際に自分が経験した失敗例や成功体験が書かれた本は、とても価値が高いと思います。
もしこれから起業するのであれば、このような起業家が書いた本を、最低でも10冊以上は読んで欲しいと思います。
このような本を読めば「どうすれば事業が成功して、どうすると失敗するのか?」というポイントがおぼろげながら見えてくるはずです。
下におすすめの起業家本をご紹介しておくので、もし良ければ読んでみてください。