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新規開拓営業で使える心理テクニック
ここでは新規開拓営業で使える心理テクニックをご紹介したいと思います。
新規開拓に課題感のあるセールスパーソンは是非ご覧ください。
1:初頭効果
初頭効果とは「人間は最初の印象が記憶に残りやすい」という心理効果のことを言います。
例えば良くあるシチュエーションだと思いますが、なんとなく話しかけづらそうな雰囲気の人がいた場合、ほとんどの人はその人物をとりあえず避けると思いますが、ふとした時に話してみたら「意外と気さくで話しやすい人だった」みたいなことがありますよね。
これは一番最初の印象が残り続けることによって、その相手の印象を引きずってしまったことが原因となったのですが、人間は最初の2秒で相手の印象を決めてしまうと言われています。
しかもその印象は半年間も継続するというので、いかにファーストインプレッションが重要なのかということに気づくはずです。
ちなみに、これはウェブサイトを訪問した時も同じです。
最初に目に入ってきた印象で、そのサイトのクオリティはなんとなく分かりますよね。
するとその背景にあるサービスクオリティもなんとなく想像できてしまうのですが、実際にはウェブサイトの印象とサービスクオリティは決して連動しません。
これと同じように、営業資料も一人歩きしていきます。
お客様から資料請求された時、ほとんどのケースで資料だけをメール(又は郵送)すると思いますが、その資料の印象で製品・サービスの印象まで左右されてしまうのです。
人間にはこのような習性があるので、マーケティング担当者は十分注意しましょう。
2:自己開示
自己開示とは、ネーミングの通り自分のことをさらけ出し、相手に伝えることです。
これをやれば相手との距離感が縮まって、お互いに親近感が湧くと言われています。
誰でも新規開拓営業の時には緊張するはずですが、それは相手のことを知らないからです。
相手のことを知らないと「どのような話をすればいいのか分からない…」という状態になってしまうので、これでは緊張するのも当然ですよね。
しかしお客様に対して「あなたのことを教えてください!」といきなり言えるはずないので、まずは自分のことを自己開示して、その後にお客様から他者開示してもらうというのが王道の流れになります。
お客様としても自己開示した人には親近感を抱くはずなので、これによって商談の場が和むことでしょう。
3:単純接触効果
これは接触回数が増えることに比例して、相手への好意レベルが高まっていくという心理効果のことです。
1回しか会ったことない相手より、5回会った人の方が親近感が湧くというのは当然の話しですよね。
単純接触効果はこれを科学的に証明した効果なのですが、ポイントとしては『接触時間よりも接触回数が重要』という部分です。
例えば1時間の商談を5回(=5時間)するのと、1回の商談を5時間するのでは、両方とも同じ「5時間」なのですが、相手に好意を持ちやすいのは「1時間の商談を5回(=5時間)」する方だと言われています。
巷では”即決営業”というクロージング方法もありますが、単純接触効果を活用したい場合には、営業プロセスをいくつかに分けるのが正解ということになります。
- ヒアリングする
- 提案する
- 見積書を持っていく
これらを一度に行うことはできますが、単純接触効果を最大化したいのであれば、このように営業プロセスを分割してみましょう。
4:バックトラッキング
これは「オウム返し」とも訳される言葉ですが、相手の言葉をそのまま繰り返す心理テクニックのことを言います。
例えば以下のようなイメージです。
山登りをされるんですね。
ただこれだけなのですが、オウム返しすることによって「あなたの話を聞いていますよ」という意思表示になるため、お客様は自分に対して好意を抱いてくれるのです。
バックトラッキングは使いやすいので、他の心理法則と組み合わせるのもおすすめです。
このようにバックトラッキングを活用した上で、”類似性の法則”も活用すれば効果倍増だと思います。
類似性の法則は「自分と共通点のある人に親近感を抱く」という心理法則なので、一緒に覚えておきましょう。
5:両面効果
両面効果とは、メリットとデメリットの両方を伝えることで、安心感を与えて信頼を獲得する心理テクニックとなります。
例えばウォーターサーバーの営業する場合、「いつでもお水とお湯が出ますよ」「重い水を買う必要がありませんよ」などのメリットばかり伝えても、お客様はなんかモヤモヤしますよね。
しかし「実はウォーターサーバーを契約すると、毎月の電気代がかかります」とか「自分で水を買いに行くよりも少し割高になりますよ」などのデメリットを伝えておけば、そのモヤモヤも晴れるはずです。
セールスパーソンは、このように両方提示をするべきだと思いますが、提示する順番には注意しましょう。
具体的には「デメリット⇒メリット」という順番で伝えるのがセオリーとなります。
なぜかといえば新近効果(新近性効果)が働くためです。
新近効果とは、「人間は最後に聞いた情報を覚えやすい」という特性を利用した心理テクニックのことです。
この心理効果を発揮させるためには、最初にデメリットを伝えておき、その後にメリットを被せた方が効果的なのです。
この順番は間違えないようにしましょう。
6:フレーミング効果
フレーミング効果とは、同じ主張だったとしても”見せ方”を変えるだけで全く違う印象にさせてしまう心理テクニックのことを言います。
このように言っても伝わらないので、具体例を見てみましょう。
- コップに水が半分しかない
- コップの水がまだ半分もある
これは両方とも同じことを伝えているのですが、受け取り手の印象は180度変わりますよね。
このように言い回し一つで相手の印象は操作できてしまうのです。
7:ドア・イン・ザ・フェイス
これはとても有名な心理テクニックなのですが、最初に大きな要求を出しておき、それが断られた後に本来お願いしたかった小さな要求を出し、その要求を通しやすくするやり方のことを言います。
つまり最初に”フェイク”の要求を出すことによって、それを断った人に罪悪感を持たせ、その後のターゲット要求を通りやすくするという、ある意味で”あくどい”やり方のことです。
しかしこれは営業活動において非常に重宝する心理テクニックなので、使い方を覚えておきましょう。
もし最初にフェイク要求をしなければ、最初から「今日中に稟議を出してください」というターゲット要求をすることになります。
すると恐らくこのターゲット要求はNGとなるはずです。
しかし一度フェイク要求を出しておき、それを断ってもらった後であれば、ターゲット要求は通りやすくなるはずです。
営業戦略上、早めに稟議を出してもらうのは重要事項なので、お客様の動きを上手くコントロールするためにはドア・イン・ザ・フェイスが使い勝手良いと思います。
そのような目的を達成するためにドア・イン・ザ・フェイスは使える心理手法となります。
8:フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアは、ドア・イン・ザ・フェイスと真逆のやり方になります。
具体的には小さいフェイク要求を出していき、それを断られながら徐々にターゲットとなる大きい要求を通すという方法になります。
例えばターゲットとなる要求が「ブランド品」だった場合、まずは小さい要求から出してみましょう。
このように小さいステップをいくつも踏むのがフット・イン・ザ・ドアの特徴だと言えます。
最初から「GUCCIの新作アクセサリーを買ってくれる?」と聞いても、「NO」と言われる可能性が高い場合、このようなやり方が効果的だと思います。
この心理効果を営業に活かす場合、以下のようなステップになるでしょう。
いきなり最上級のBプランを提案すると断られてしまう確率が高いので、フット・イン・ザ・ドアを活用しながら上手にセールしましょう。