「営業×心理学」と聞いて「???」になるようでは、まだまだ二流のセールスパーソンです。
一流のセールスパーソンは様々な心理テクニックを駆使しながら日々営業しているので、今回は営業活動に使える『トップセールスのおすすめ心理術』をご紹介していきます。
トップ営業マンを目指す人や販売に携わるビジネスパーソンはぜひご覧ください。
セールス全般に使える心理テクニック
まずはセールスパーソンが必ず覚えるべき心理テクニックをご紹介したいと思います。
1:メラビアンの法則
メラビアンの法則は超有名なので、これを知らなければもはや”モグリ”と言えるレベルだと思います。
この法則はもともとアルバート・メラビアン教授が提唱したのですが、「人間は3つの情報から他者を判断している」というのがその内容になります。
ちなみに、その3つの情報とは以下の通りです。
- 視覚情報:55%
- 聴覚情報:38%
- 言語情報:7%
この3つを足すと100%になるのですが、この数字から理解できる通り、人間は視覚情報に頼っていることが分かります。
例えば不良っぽい見た目の人がいた場合、ほとんどの人はその相手にあまり良い印象を持たないはずです。
それはなぜかといえば、メラビアンの法則の通り「視覚情報:55%」があるからです。
しかし全く同じ人が、清潔で真面目そうな格好をしただけでメラビアンの法則「視覚情報:55%」が働き、あっという間に「誠実そうな人」という真逆の印象に変わってしまうのです。
もちろんビジネスパーソンもこの法則を応用することができます。
例えば男性であれば、第一印象が良くなる体にフィットしたスーツを着たり、耳やおでこの出る短髪にカットしたり、シワのないワイシャツを着てネクタイを締めるだけでも、かなり印象操作できるはずです。
2:権威効果
権威効果とは、プロフェッショナルだと演出することで、自分の説得力を高める法則のことを言います。
例えば白衣を着たドクターの意見と、私服のドクターであれば、どちらの方がちゃんとした医師に見えるでしょうか?
それはもちろん白衣を着たドクターですよね。
このように見た目を演出するだけでも、簡単に権威効果を発揮することができます。
これをセールスに置き換えた場合、シワのないスリーピースのスーツを着こなして、白ワイシャツにネクタイをしている人であれば、なんとなく優秀に見えるはずです。
そのような人が話す内容には信憑性が増すので、多少なりとも受注率がアップすることでしょう。
3:希少性の原理
希少性の原理とは、ある対象に”制限”をかけることで価値を上げてしまう法則のことです。
例えば以下のようなものが希少性の原理の典型例となります。
- 本日限り
- 限定100個
- 会員限定
このような触れ込みを見ると、人間は「希少価値があるのでは?」と勘違いするので、購買意欲が湧きやすいと言われています。
自然界で生きていた人間にとって「失う」という行為は「死」に直結する可能性があったので、それが欲求となり、自然に表へ出てしまうのです。
なので希少性の原理は人間という生き物に備わっている”生存本能”に由来している為、なかなか抗うのが難しく、この習性を逆手に取ったセールス手法が「本日限定」などのアプローチということになります。
4:社会的証明
社会的証明は、多数派の意見に従ってしまうという人間の習性を表した法則です。
セールスの現場では、「顧客満足度95%」とか「導入実績1,000社以上」などの数字が社会的証明となります。
このようなデータを見せられると、「たくさんの人に支持されているんだな…」と思い込むため、製品サービスに対する信頼度が自然と増してしまうのです。
これと同じく「お客様の声」や「導入企業のロゴ」なども社会的証明に使えます。
第三者的な意見というのは”中立”に感じるので、使い方次第では大きな心理効果を発揮することでしょう。
5:コミットメント効果
これは自分が決めたことや、人と交わした約束を守ろうとする心理効果のことを言います。
「コミットメントと一貫性の原理」と呼ばれることもありますが、それはどちらも同じ意味になります。
例えば、家族から急ぎではない用事(トイレットペーパーの買い出しなど)を頼まれた場合、「時間ができたら買っておくよ」と返答するのと「今日中に買っておくよ」と返答するのでは、どちらが今日中に買ってくれる可能性が高いでしょうか?
それはもちろん「今日中に買っておくよ」と返答した方ですよね。
例えば営業マンが社長から「今月のノルマは売上100万円だ」と言われるだけの場合と、社長から言われた後にみんなの前で「今月のノルマ100万円を必ず達成します!」と自分で宣言する場合では、どちらの方がノルマ達成する可能性が高いでしょうか?
それはもちろん、全員の前で宣言した方ですよね。
人間というのは自分の発言(コミットメント)に対して「一貫性を持たせたい」と思う習性があるので、それを逆手に取った法則がコミットメント効果だと言われています。
これをセールスに活用する場合には以下のようなやり方があります。
上記の会話例では「ところでお客様にとって結婚10周年というのは大切な節目ですよね?」という質問を投げかけ「そうですね(Yes)」という回答を得ています。
ここにコミットメントと一貫性が発生しているのです。
旅行会社としては顧客単価の低い国内旅行よりも、顧客単価が高くなる海外旅行を販売したいはずですが、お客様から「国内旅行がいい」と言われてしまった場合、このようなやり方で上手く海外旅行へと誘導していきます。
つまりお客様は結婚10周年という機会を”大切な節目”だと捉えているので、それであれば「普段よりも贅沢をしましょう」という提案は筋が通ってしまうのです。
トップセールスの人たちはこのようにお客様を誘導しているのですが、それに気づかせないセールストークこそが”一流”だと思います。
6:返報性の法則
これは「何かを与えられたら、人はそのお返しをしたくなる」という法則のことです。
友達から誕生日プレゼントをもらったら、その友達にも「何かお返しをしよう!」と考えますよね。
つまりはそういうことなのですが、ビジネス活用する場合にはいくつかの方法があります。
例えば、返報性の法則を最大限活用しているのが”接待”というやり方です。
接待というのは、お客様や取引先などに食事などをご馳走することを指すのですが、奢ってもらった相手は「また取引してあげよう」と考えるので、リピート購入に繋がったりするのです。
しかし単なる営業マンが頻繁に接待するのは難しいと思うので、そんな時にはリファラル営業を活用しましょう!
例えばあなたが求人サイトの営業マンで、ホームページの制作会社にアプローチしているとします。
しかしなかなか受注まで至らなかった場合、一旦提案を切り上げて、あなたがそのお客様に「ホームページ制作をしたい」と考えている別の取引先を紹介してあげるのです。
するとホームページ制作会社はあなたに対して多少なりとも恩義を感じるはずなので、そこで返報性の法則が発動し、本業である求人サイトの発注へと繋がるかもしれません。
リファラル営業することのコストはゼロなので、今すぐにでも実践できるセールステクニックだと思います。
新規開拓営業で使える心理テクニック
ここでは新規開拓営業で使える心理テクニックをご紹介したいと思います。
新規開拓に課題感のあるセールスパーソンは是非ご覧ください。
1:初頭効果
初頭効果とは「人間は最初の印象が記憶に残りやすい」という心理効果のことを言います。
例えば良くあるシチュエーションだと思いますが、なんとなく話しかけづらそうな雰囲気の人がいた場合、ほとんどの人はその人物をとりあえず避けると思いますが、ふとした時に話してみたら「意外と気さくで話しやすい人だった」みたいなことがありますよね。
これは一番最初の印象が残り続けることによって、その相手の印象を引きずってしまったことが原因となったのですが、人間は最初の2秒で相手の印象を決めてしまうと言われています。
しかもその印象は半年間も継続するというので、いかにファーストインプレッションが重要なのかということに気づくはずです。
ちなみに、これはウェブサイトを訪問した時も同じです。
最初に目に入ってきた印象で、そのサイトのクオリティはなんとなく分かりますよね。
するとその背景にあるサービスクオリティもなんとなく想像できてしまうのですが、実際にはウェブサイトの印象とサービスクオリティは決して連動しません。
これと同じように、営業資料も一人歩きしていきます。
お客様から資料請求された時、ほとんどのケースで資料だけをメール(又は郵送)すると思いますが、その資料の印象で製品・サービスの印象まで左右されてしまうのです。
人間にはこのような習性があるので、マーケティング担当者は十分注意しましょう。
2:自己開示
自己開示とは、ネーミングの通り自分のことをさらけ出し、相手に伝えることです。
これをやれば相手との距離感が縮まって、お互いに親近感が湧くと言われています。
誰でも新規開拓営業の時には緊張するはずですが、それは相手のことを知らないからです。
相手のことを知らないと「どのような話をすればいいのか分からない…」という状態になってしまうので、これでは緊張するのも当然ですよね。
しかしお客様に対して「あなたのことを教えてください!」といきなり言えるはずないので、まずは自分のことを自己開示して、その後にお客様から他者開示してもらうというのが王道の流れになります。
お客様としても自己開示した人には親近感を抱くはずなので、これによって商談の場が和むことでしょう。
3:単純接触効果
これは接触回数が増えることに比例して、相手への好意レベルが高まっていくという心理効果のことです。
1回しか会ったことない相手より、5回会った人の方が親近感が湧くというのは当然の話しですよね。
単純接触効果はこれを科学的に証明した効果なのですが、ポイントとしては『接触時間よりも接触回数が重要』という部分です。
例えば1時間の商談を5回(=5時間)するのと、1回の商談を5時間するのでは、両方とも同じ「5時間」なのですが、相手に好意を持ちやすいのは「1時間の商談を5回(=5時間)」する方だと言われています。
巷では”即決営業”というクロージング方法もありますが、単純接触効果を活用したい場合には、営業プロセスをいくつかに分けるのが正解ということになります。
- ヒアリングする
- 提案する
- 見積書を持っていく
これらを一度に行うことはできますが、単純接触効果を最大化したいのであれば、このように営業プロセスを分割してみましょう。
4:バックトラッキング
これは「オウム返し」とも訳される言葉ですが、相手の言葉をそのまま繰り返す心理テクニックのことを言います。
例えば以下のようなイメージです。
山登りをされるんですね。
ただこれだけなのですが、オウム返しすることによって「あなたの話を聞いていますよ」という意思表示になるため、お客様は自分に対して好意を抱いてくれるのです。
バックトラッキングは使いやすいので、他の心理法則と組み合わせるのもおすすめです。
このようにバックトラッキングを活用した上で、”類似性の法則”も活用すれば効果倍増だと思います。
類似性の法則は「自分と共通点のある人に親近感を抱く」という心理法則なので、一緒に覚えておきましょう。
5:両面効果
両面効果とは、メリットとデメリットの両方を伝えることで、安心感を与えて信頼を獲得する心理テクニックとなります。
例えばウォーターサーバーの営業する場合、「いつでもお水とお湯が出ますよ」「重い水を買う必要がありませんよ」などのメリットばかり伝えても、お客様はなんかモヤモヤしますよね。
しかし「実はウォーターサーバーを契約すると、毎月の電気代がかかります」とか「自分で水を買いに行くよりも少し割高になりますよ」などのデメリットを伝えておけば、そのモヤモヤも晴れるはずです。
セールスパーソンは、このように両方提示をするべきだと思いますが、提示する順番には注意しましょう。
具体的には「デメリット⇒メリット」という順番で伝えるのがセオリーとなります。
なぜかといえば新近効果(新近性効果)が働くためです。
新近効果とは、「人間は最後に聞いた情報を覚えやすい」という特性を利用した心理テクニックのことです。
この心理効果を発揮させるためには、最初にデメリットを伝えておき、その後にメリットを被せた方が効果的なのです。
この順番は間違えないようにしましょう。
6:フレーミング効果
フレーミング効果とは、同じ主張だったとしても”見せ方”を変えるだけで全く違う印象にさせてしまう心理テクニックのことを言います。
このように言っても伝わらないので、具体例を見てみましょう。
- コップに水が半分しかない
- コップの水がまだ半分もある
これは両方とも同じことを伝えているのですが、受け取り手の印象は180度変わりますよね。
このように言い回し一つで相手の印象は操作できてしまうのです。
7:ドア・イン・ザ・フェイス
これはとても有名な心理テクニックなのですが、最初に大きな要求を出しておき、それが断られた後に本来お願いしたかった小さな要求を出し、その要求を通しやすくするやり方のことを言います。
つまり最初に”フェイク”の要求を出すことによって、それを断った人に罪悪感を持たせ、その後のターゲット要求を通りやすくするという、ある意味で”あくどい”やり方のことです。
しかしこれは営業活動において非常に重宝する心理テクニックなので、使い方を覚えておきましょう。
もし最初にフェイク要求をしなければ、最初から「今日中に稟議を出してください」というターゲット要求をすることになります。
すると恐らくこのターゲット要求はNGとなるはずです。
しかし一度フェイク要求を出しておき、それを断ってもらった後であれば、ターゲット要求は通りやすくなるはずです。
営業戦略上、早めに稟議を出してもらうのは重要事項なので、お客様の動きを上手くコントロールするためにはドア・イン・ザ・フェイスが使い勝手良いと思います。
そのような目的を達成するためにドア・イン・ザ・フェイスは使える心理手法となります。
8:フット・イン・ザ・ドア
フット・イン・ザ・ドアは、ドア・イン・ザ・フェイスと真逆のやり方になります。
具体的には小さいフェイク要求を出していき、それを断られながら徐々にターゲットとなる大きい要求を通すという方法になります。
例えばターゲットとなる要求が「ブランド品」だった場合、まずは小さい要求から出してみましょう。
このように小さいステップをいくつも踏むのがフット・イン・ザ・ドアの特徴だと言えます。
最初から「GUCCIの新作アクセサリーを買ってくれる?」と聞いても、「NO」と言われる可能性が高い場合、このようなやり方が効果的だと思います。
この心理効果を営業に活かす場合、以下のようなステップになるでしょう。
いきなり最上級のBプランを提案すると断られてしまう確率が高いので、フット・イン・ザ・ドアを活用しながら上手にセールしましょう。
9:ハロー効果
ハロー効果とは、ある突出した要素に引っ張られて、他の部分が見えづらくなる心理効果のことです。
これはおおよそ見た目に引きずられるケースが多いのですが、例えば以下のような具体例があります。
- 金髪にしている⇒不良っぽい
- メガネをかけている⇒頭が良さそう
- ブランド品を身につけている⇒お金持ちっぽい
この他にも、自分の発言によってハロー効果を発揮することもできます。
なんとなく頼りがいがなさそうな新人営業マンだったとしても、キャプテンをやっていたような人であれば、相手は「きっと頼りがいがあるんだろうな」と思ってくれるはずです。
10:ゴルディロックス効果
ゴルディロックス効果は、「松竹梅の法則」としても有名です。
初めて訪れる鰻屋さんでは、圧倒的に真ん中の「竹」が選ばれることをご存知でしょうか。
これはなぜかといえば、人間には『損失回避バイアス』というのがあるので、それが自然に発動するためです。
初めて訪れたお店のクオリティは分からないことが多いので、人間は失敗を避けるために無難な真ん中を選んでしまうという訳です。
これを逆手に取った場合、最も売りたいプランを真ん中に持ってくるというやり方があります。
例えば求人媒体だった場合、以下のようなイメージとなります。
- 松プラン:スカウトあり&上位表示の最上級プラン【50万円】
- 竹プラン:スカウト機能がついた標準的なプラン【35万円】
- 梅プラン:スカウト機能が使えないお試しプラン【10万円】
このようなプラン設計をした場合、おそらく受注は「松:竹:梅=2:5:3」くらいの割合になると思います。
これはある意味で”自然法則”だと言えるので、プラン設計する際の参考にしてください。
11:アンカリング効果
アンカリング効果はとても実用的な心理テクニックです。
世の中に無いような新しいサービスや、珍しい商品を提供している場合、お客様はその相場感が分かりませんよね。
例えば、これは本当にある飲み物なのですが、ジャコウネコの糞から作られるコーヒーというものがあります。
この値段がわかる人は少ないかもしれませんが、実はコーヒー1杯5000円もするのです。
この金額をいきなり伝えるよりも、「一般的なコーヒーの値段は一杯500円ぐらいですが、ジャコウネコの糞から作られるコーヒーは一杯5000円なんです」と伝えた方が希少価値を強調できますよね。
この場合「一般的なコーヒーの値段は一杯500円」というのがアンカーになっているので、伝え方としては「一般的なコーヒーよりも10倍希少価値が高い」というセールストークにもなると思います。
他にも「英語教材の業界相場は5万円なのですが、弊社は業界相場よりも安い1万円で提供しております」と伝えれば割安感が出ますよね。
アンカリング効果はとても使いやすい心理テクニックなので、ぜひ覚えておきましょう!
12:ツァイガルニク効果
ツァイガルニク効果は、未完了のものに惹きつけられる心理効果のことを言います。
代表的なものには、「続きはCMの後で」という類があります。
この心理効果を活用するため、テレビでは気になる部分でCMを挟みますよね。
これと同じく、求人サイトのプレゼン中に突然「ところで何人エントリーが入れば1人面接できると思いますか?」というような質問をすれば、その続きが気になるのでお客様はその後のプレゼンにも集中してくれます。
これはプレゼンテーションで使える心理テクニックだと覚えておきましょう。
13:シャルパンティエ効果
シャルパンティエ効果は、ある対象を視覚的イメージによって認知してしまう心理効果のことを言います。
これだけでは分かりにくいので、下のクイズに答えてみてください。
時速10キロで走るランナーと、時速10キロで走る自動車では、どちらが早く目的地に着くでしょうか?
このような質問をすると、多くの人が「時速10キロで走る自動車」と回答しますが、実はどちらも一緒にゴールします。
なんとなく「ランナーよりも自動車の方が早い」という先入観があるので、多くの人が間違った答えを選んでしまうのです。
他にも「1日分の野菜」とか「レモン100個分」という表現もシャルパンティエ効果を狙ったマーケティングとなります。
1日分の野菜とは「350g」を意味するのですが「350gの野菜」と表現しても、いまいち伝わりませんよね。
前述した通り、人間は”視覚的イメージ”に引きずられる傾向があるので、見せ方を変えただけで相手への伝わり方は格段に上がっていくのです。
14:カリギュラ効果
カリギュラ効果とは、禁止されたり制限を設けられると、人間は逆のことをしたくなるという心理効果のことです。
例えば「この箱の中を絶対に見ないでね」と言われたら、なんか見たくなりますよね。
このように人間というのは天邪鬼な性質があるので、もちろんそれを逆手にとったセールス手法として活用することもできます。
例えば一通りのプレゼンをした後に、お客様に対して「これで一通りの説明を終えますが、もしお客様に少しでも「現状維持で良い」というお気持ちがあれば、この商品は絶対に契約しないでください」と伝えるのです。
この段階でカリギュラ効果が発揮されて、お客様は前向きに検討してくれるはずです。
15:テンション・リダクション効果
これは緊張状態が消滅した後に、人間は注意力散漫になるという現象のことです。
具体的には、緊張感のある商談を行った後、人間の緊張状態はほぐれやすくなるので、そのタイミングでついで買いをしてしまうのです。
例えば100万円の高級時計を買うか悩んでいる時、みんな真剣に悩みますよね。
色々と店員さんに質問しながら選ぶはずですが、その時計を買うと決めた後は要注意です。
テンション・リダクション効果が働いてしまうので、店員から「1万円の本革のベルトもご一緒にいかがですか?」と勧められると、ついで買いしてしまう可能性が高まるのです。
これはある意味で心理効果を悪用しているかもしれませんが、テンション・リダクション効果を上手に活用しているのが中古車業界です。
自動車の購入する時、みんなかなり真剣に悩むはずですが、「この車にする!」と決めた後は、色々面倒な手続きが待っていますよね。
その時、ほとんどの人はテンション・リダクション効果が働いている状態なので、最後の最後に中古車ディーラーは年利9.9%の10年自動車ローンを提案するそうです。
銀行ローンであれば2~3%でローンは組めますし、年利9.9%の10年ローンは異常ですよね。
よくよく冷静に計算してみればわかるのですが、年利9.9%の10年ローンということは、総額で言うと1.5倍ぐらいの金額を支払うことになるので、とても高い買い物になってしまいます。
しかしテンション・リダクション効果が発揮されているお客様は、その金利を気にすることなく、意外なことにローン契約してしまうそうです。
自動車ディーラーにとってテンション・リダクション効果は、まさに「金のなる木」ですよね。
心理テクニックを活用したセールスを実践しよう!
ここまで様々な心理テクニックをご紹介してきましたが、どれもセールスに活用できるノウハウばかりだったと思います。
実戦で使える心理術は、トップセールスたちが日々使いこなしているので、これらを活用できなければあなたがトップセールスになれることもないでしょう。
それほど難しい話ではないので、ここで学んだ心理効果を整理整頓し、自分の営業活動に活かしていきましょう!