
「奇跡の営業」とは、ソニー生命株式会社のライフプランナーである山本正明さんが出版した”自身の営業ノウハウ”を記したビジネス本です。
営業職にとって役立つコンテンツがまとまっているので、今回は「奇跡の営業」の内容と、紹介営業についてわかりやすく解説していきたいと思います。
目次
「奇跡の営業」とは?
「奇跡の営業」は、名前の通り「営業」や「セールス」に関するビジネス本ですが、ソニー生命株式会社のライフプランナーである山本正明さんが書いた本です。
奇跡の営業という名前の由来は、
- 44歳で営業未経験
- 口下手の営業マン
という、優秀な営業マンにはほど遠かった著者でも「トップセールスマンになれた!」という、ある意味で奇跡が起きた部分を比喩したタイトルになります。
奇跡の営業のあらすじ
著者である山本正明さんは、44歳まで中堅ゼネコンの現場監督をしていた技術者出身の方です。
つまり営業経験はゼロで、これまで一度もやったことがありませんでした。
そんな山本さんですが、様々な事情から営業職への転職を一大決心します。
それがソニー生命のライフプランナーでした。
一般的に、営業職の平均年齢は20歳~35歳くらいがボリュームゾーンと言われていますよね。
しかし、
- 平均年齢より一回りも多い44歳
- しかも営業未経験という大ハンデ
でも、
- ソニー生命で新人賞を獲得
- 全営業パーソン4,000人のトップに立ち
- 保険業界でも異例と言える460週連続の新規契約を獲得
という輝かしい実績を記したノウハウ本になります。
この中身は営業マンであれば誰もが勉強になる内容なので、「営業職であれば必見の本」だと言えるでしょう。

「奇跡の営業」の要約
前述した通りこの本には、大ハンデがあった山本正明さんが「どうやってトップセールスマンになったのか?」というノウハウが記載されています。
その一番のポイントは、「紹介営業」を駆使したことです。
「紹介(リファラル)」に焦点を絞った独自の営業スタイルを確立したことで、技術者出身の口下手営業マンでもトップセールスになることができました。
紹介営業は全ての営業マンが実践するべき”理想的な営業スタイル”ですが、ほとんどの営業マンはそのやり方を知りません。
そこで本書の出番となります。
この「奇跡の営業」では、誰でも簡単に紹介営業が実践できるノウハウを提供しているのです。
そのやり方は、一枚のアンケートを軸にした山本さん独自の「”山本流”紹介ノウハウ」で、口下手な営業マンほど効果を発揮すると言われています。
実際のアンケート内容は本著を読んで確認して欲しいのですが、このたった一枚のアンケートが「山本流」の紹介営業ではキモになってきます。
山本さん曰く、「本著を読んで、その通り忠実に実践すれば、営業未経験だろうが、何歳だろうが、口下手だろうが、誰でもトップセールスになれる」ことを固く約束するそうです。
営業マンが読むべき実践本
先程も触れましたが、「奇跡の営業」でフォーカスされている営業手法は”紹介営業”です。
紹介営業は営業マンであれば誰でも実践している一般的な営業手法ですが、山本さんと他の営業マンの違いは、紹介営業を新規開拓手法の中で”最重要”と位置付けたことです。
普通の営業マンであれば、
- 自分の力でリストを作成
- テレアポを実施
- 受注を獲る
という直販フローを重要視すると思います。
しかし、山本さんは紹介営業こそが新規開拓で最も効率が良く、最も効果的、かつ最強である、と結論付けています。
新規開拓は営業マンであれば誰でも苦労しますが、実は紹介営業を実践すればとても簡単な作業になるのです。
知人・友人やお客様(お取引先)から見込顧客を紹介してもらうだけなので、テレアポ営業や飛び込み営業などのストレスが一切なくなります。
しかも紹介営業では『継続的な見込顧客の紹介』が期待できるため、仕組み化すればたちまちトップセールスマンの仲間入りを果たせるのです。

トップセールスになれるロジック
紹介営業を活用すると、なぜトップセールスになれるのか?
これは多くの営業パーソンが疑問に思うことですが、そこには明確なロジックが存在しています。
ここでまず押さえておくべきことは、そもそも”紹介営業=代理店施策”であるということです。
代理店施策について詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
代理店の仕組みはとても複雑なので今回は割愛しますが、代理店の仕組みの中で「紹介店」や「取次店」と言われる仕組みが存在します。
この仕組みこそが「紹介営業」なのです。
代理店は外部のビジネスパートナーになるので、その代理店をたくさん作ることで、営業業務のアウトソーシングが実現していきます。
ここに営業活動が効率化されるロジックが隠されているのです。
営業活動が効率化される理由
ここから先は少し難しい話になってきますが、頑張って理解してください。
例えば、ある1人の営業マンAが新規開拓をするとします。
その営業マンAは、
- 自分でリストを作成し
- テレアポを行い
- 商談して
- 受注を獲得する
という一般的な営業フローを一人でこなしています。
しかし、営業マンAの稼働時間は1日8時間(休憩1時間含む)で、どんなに睡眠時間を削ったとしても1日14時間ほどが稼働時間の限界だと考えられます。
そして、1時間の稼働の中で15件のテレアポを行い、そのアポ率が1%だったとします。
すると8時間の稼働(休憩1時間含む)で105件のテレアポを行い、1日1件程度のアポイント獲得、さらに受注率10%だったとした場合、10件の商談で1件受注という計算式になっていきます。
すると10営業日の稼働で1件受注という計算になりますので、月間(約20営業日)では2件の受注が目安になってきます。
ということは、営業粗利で1件あたり50万円以上稼げなければ、決して儲からないビジネスモデルだといえます。
このように「1人の営業マンAが新規開拓を行うのには限界(時間的制約&リソースの限界)がある」というのが理解できるはずです。
営業効率を最大化できる!
前述の営業マンAがトップセールスを目指す場合には、果たしてどの辺りをテコ入れすれば良いのでしょうか?
その答えは明確で「見込顧客の数を増やす」ということです。
これは前述の例では、アポイント数に該当します。
アポイント数が1日5件になれば、他の数字が変化しなくても受注数は月10件に激増します。
しかもこれが紹介営業だった場合、受注率の改善も見込めるので、受注数が月20件になったとしても決して驚くことではありません。
すると紹介営業を活用した場合、営業マン1人あたりの生産性が激増する可能性を秘めていることが判ると思います。
「2件×100万円=200万円/月」⇒「20件×100万円=2,000万円/月」
「奇跡の営業」で山本さんが述べているロジックはこの部分になります。
つまり紹介者という外部の営業リソースを活用すれば、自らの分身を10人、100人と増やすことができるのです。
そしてセールス機会を最大化させることで、アポイント数の最大化も実現していきます。
その結果、受注率も改善され、受注数の最大化にも成功するという訳です。
すると、これまで1人の営業マンで行っていた営業活動が、実態としては数百人のチームで動く営業組織に進化するというのが”紹介営業の本質”なのです。