
永守重信(ながもり しげのぶ)は日本電産の創業者であり、日本を代表する一流経営者です。
創業した頃は「モーターなんて間に合っているよ」と全く相手にされなかったので、仕方なく採算性が低くて難易度の高い案件ばかりを受注したり、大変な苦労をされたそうです。
あまりに日本企業が相手にしてくれないため、その後単身渡米し、アメリカでの営業活動を繰り広げました。
その結果、スリーエムやIBMなどの大企業を開拓でき、その評判を聞きつけた日本企業から徐々に発注がくるようになったそうです。
現在では世界No.1の総合モーターメーカーとして、精密小型モーター、一般モーター、車載用モーター、家電・産業用モーター、その他モーター関連の製品を世の中へ提供していますが、2023年4月1日にこれまで使ってきた日本電産という社名を変更して、新たに「Nidec(ニデック)」としました。
ちなみにNidecの意味は、Ni=日本、De=電産、c=株式会社、の略称とされています。
これからさらにグローバル展開を加速させる意気込みが感じられますよね。
そこで今回は、日本電産の創業者である永守重信の名言集をご紹介したいと思います。
これから日本電産(Nidec)への就職を希望している人や、高みを目指すビジネスパーソンは是非ご覧ください。
永守重信の名言集まとめ
一番を目指すから、人はついてくる。
永守重信は「一番以外はビリだ」という信念を持つほど、とにかく負けず嫌いな人です。
それは勉強だけでなく、喧嘩やスポーツ、ビジネスでも同じです。
野球するならエースで四番バッターを目指し、銭湯の下駄箱では必ず「1番」と書かれた場所に靴を入れていたそうです。
それほど勝気な人なのでNo.1になれるのでしょう。
能力の差は5倍でも、意識の差は100倍まで広がる。
永守重信は「人の能力はそこまで大きな違いが出ない」と語っています。
例えば、仕事を5倍早くこなすことはできるかもしれませんが、10倍、100倍とはいきません。
つまり物理的な限界があるのです。
しかし意識の差は無限大です。
いくらだって差をつけることができるのです。
相手が苦しみ、悩んだ時こそ、リーダーシップを発揮しろ!
IQ(知能指数)とEQ(感性指数)という言葉があります。
IQは先天的な要素が大きいですが、EQは後天的なため本人の努力次第で補えると言われています。
永守重信は相手を感動させたり、励ましたり、リーダーシップを発揮するためには、自分自身が喜怒哀楽を経験しなければいけないと語っています。
なので、リーダーを目指す人は”EQを高める”ように推奨しているのです。
私は、日本電産をプロフェッショナル集団にしたいと思っている。
永守重信曰く「会社では仕事以上に重要なことはない」そうです。
なので日本電産では、仕事に関する話以外は勤務中に話してはいけないことになっています。
プロスポーツ選手もプレイ中はそのことだけに集中していて、他のことは考えていないはずです。
そう考えた場合、「スランプに陥っている選手は、余計なことを考えている」のだと語っています。
私は苦労こそ財産だと考えている。
顧客からの厳しい要望や注文を断るのは簡単ですが、それを乗り越えたところに大きなチャンスがあるのです。
そのような経験が蓄積され、大きな仕事に繋がっていったと永守重信は振り返っています。
そのことを「苦労には有形無形の利子がつく」とも表現しています。
自分のポストを脅かす部下を育てろ!
人材こそが企業にとっての成長活力となります。
入社した新入社員が課長になり、部長になって出世していきます。
それでは、その新入社員を育て上げた人はどのように評価されるのでしょうか?
部下を育てた人は「マネジメントスキルが高い」と評価されるため、さらに出世していくのです。
- 会社は自分のことを評価してくれない
- 実力通りに評価されていない
このように感じている場合には、上手な人材育成ができていないはずです。
もし適正に評価されていないと感じているなら、だらだらと愚痴をこぼすより、部下を動かし、育てる事に専念するべきでしょう。
目先の楽を取れば大きなチャンスを逃してしまう。
苦労した努力は必ず糧となり、人生を豊かにしてくれます。
このような考え方を永守重信は「先憂後楽の精神」と表現しています。
物事を実現するか否かは、まずそれをやろうとした人が「できる」と信じることから始まる。
自ら「できる」と信じた時にその仕事の半分は終了している。
これは真理をついた言葉だと思います。
何事も、自分自身が「できる」と思わなければ実現することはできません。
勝てると思わなければ勝てないし、負けると思えば負けるのです。
そのマインドセットさえできれば、もはや「仕事の半分は終わった」のと同然なのです。
部下がこうだから使えないというのは、使おうとする努力を怠っている言い訳に過ぎない。
部下をマネジメントするのは大変ですよね。
しかし永守重信は「部下が使えないというのは、自分に問題があると思え!」と一喝しています。
あらゆる物事は一朝一夕に進んでいきませんが、部下の目線に合わせて、自ら歩み寄っていけば、相手の意識も変わってくると語っています。
一流の能力を持っていても、人間として三流の管理者であれば、五流以下の業績しかあげられない。
これはまるで、渋沢栄一が書いた「論語と算盤」について語ったような名言ですよね。

論語というのは「高い倫理観」のことを意味していて、算盤というのは「計算=ビジネスセンス」を意味しています。
この二つが掛け合わさったときに初めて成功者となれるのです。
どちらか一方では不足するので、両方を磨くようにしましょう。