営業に使える実践テクニック
ここまで解説してきた「ドアインザフェイス」と「フットインザドア」は、営業現場でも応用できるテクニックです。
どちらも心理学を活用した交渉術なので、うまく活用すれば受注率を大幅に高めることができるはずです。
「どちらを使った方が効果的なのか?」は商材サービス、ビジネスモデルによっても変わると思います。
なので、営業活動やセールストークと絡めて、どのようなストーリー展開にするのがベストなのか、営業部内で相談してみましょう。

具体例を紹介
ここでは社内会議での検討材料になり得る具体例を紹介しておくので、ぜひ参考にしてください。
ドアインザフェイスの具体例
法人向けの月額サービスで、お客様の利用継続率が90%と高いことを想定します。
このサービスの顧客単価を30%アップさせるための施策を考えたい場合、契約期間を1ヶ月毎の自動更新ではなく、少し長めの「年額プラン」を基本プランに変更します。
そうすると新規契約するお客様からは「契約期間が長い」という意見が出るはずなので、それに対するドアインザフェイスとして「月額プラン」も用意しておきます。
ただし、月額プランの場合には料金が30%アップするようにしておくのです。
年額プランで契約したお客様の場合は「1万円×12ヶ月=12万円」ですが、月額プランの場合には「1.3万円×12ヶ月=15.6万円」になるイメージです。
いつでも月額プランから年額プランに切り替えできることを提示しておけば、きっと新規のお客様は「月額プラン」を最初に契約すると思います。
すると結果的に、同じ商材サービス(=原価)なのに、顧客単価だけ30%アップするのです。
このやり方であれば受注率もアップするはずなので、一石二鳥の営業施策になり得ると思います。
フットインザドアの具体例
無料トライアルの提供(格安提供でもOK)ができる商材であれば、まずはお試し利用をおすすめしてみましょう。
それに対して承諾をもらった後、「お試し利用なので、通常よりも効果が低くなります。もし効果を急がれる場合にはレギュラープランで利用された方が良いと思います。」と言って高次元の提示を行うのです。
この使い方は営業現場で「アップセル営業」や「アップセールス」と呼ばれています。

まとめ
ここまで解説してきた「ドアインザフェイス」と「フットインザドア」は、ビジネスだけでなく恋愛にも使えるテクニックだと言われています。
確かに相手に要求を通すという観点では、効果的な交渉術かもしれません。
相手の心理を巧みに利用した交渉術なので、使い方によっては大きな効果を発揮するはずです。
営業パーソンはこの二つの使い方を正しく理解して、営業現場で実践していきましょう。