
営業テクニックを身に付けたいと考えている人は、心理学を学ぶことをオススメします。
なぜなら、営業テクニックは心理学を応用したものが多いからです。
ただ単に製品サービスの説明をするのではなく、心理学をもとにしたテクニックで営業すると成績が上がる可能性もあります。
そこで今回は、心理学を活用した営業ノウハウについて解説していきたいと思います。
目次
心理学を活用した営業テクニックとは?
営業職のビジネスパーソンは、セールステクニックを身に付けることが欠かせません。
そんな営業テクニックですが、心理学をもとにしているものが多いことをご存じでしょうか?
心理学とは、人間の行動原理や感情について研究する学問です。
「人間がどのように感じ、その結果どう行動するのか?」ということを研究しているので、心理学を応用すれば人の感情を操ることも可能になります。
例えば代表的なものに、
- イエス・バット法
- イエス・セット法
があります。
まずはこの二つについて解説したいと思います。
イエス・バット法とは?
イエス・バット法は、相手の意見を一度肯定しておき、あとで否定するという心理テクニックを言います。
このテクニックは、ネガティブな意見を覆すのに有効的と言われています。
人間はいきなり真正面から自分のことを否定されてしまうと、とても不愉快な気分になります。
なので、一度相手のことを肯定してから、こちらの話を聞いてもらう土台を作るのです。
よって、最初に「Yes(イエス)」と肯定することが、イエス・バット法のポイントになります。
営業現場では以下のような使い方があります。
お客様:なるほど…、それでは御社サービスを導入したとしても、大きなコスト削減にはならないかもしれませんね。
あなた:確かにその通りだと思います。しかし、現在よりも3%ほどのコスト削減ができると思います。年額換算した場合は100万円にもなるので、決して小さな金額ではないと思います。
イエス・セット法とは?
イエス・セット法は、相手が肯定するような質問を用意しておいて、相手に「Yes(イエス)」を複数回言わせる心理テクニックをいいます。
何度も「イエス」と言うことで、自然に打ち解けたような気分になるので、話し合いがスムーズに進められます。
そのようにすれば相手との壁を取り払うことができるので、信頼関係の構築もできて一石二鳥だと思います。
実際の活用例は以下のようなイメージになります。
あなた:やっぱりお子さんには良い大学に進学してほしいですよね?
お客様:はい、出来ればそうですね。
あなた:東京大学なんて目指したら理想的じゃないですか?
お客様:確かにそうですけど、うちの子にできるかしら…
あなた:東大に進学する為には、人と同じような勉強方法をしてはいけません。偏差値50の大学生と同じ勉強方法で東大に受かると思いますか?
お客様:いえ、確かにその通りだと思います。
あなた:弊社が提供している学習教材は、東大出身者を何人も輩出していて…
このようなコミュニケーションを重ねると、お客様は自分の潜在ニーズを整理整頓しながら話すことができます。
すると、自分でも気づかなかったようなニーズを発見できるので、購買に至りやすいのです。
これらの心理テクニックを活用すれば、営業職としての実績もアップしていくでしょう。
譲歩的依頼法(ドア・イン・ザ・フェイス)を使う
相手の心をつかむ営業テクニックに譲歩的依頼法があります。
このテクニックは「ドア・イン・ザ・フェイス」とも呼ばれますが、最初に高額な提案をしてから徐々に金額を下げていき、最終的にこちらが希望する金額に落とし込むやり方を言います。
こうすることでお客様は「安く買えた!」というお得感が出るので、満足度も高まるのです。
営業担当者からすると、最初から希望している金額に着地しただけなので、ある意味では予定通りと言えます。
例えば、10万円で売りたいパソコンがあったとします。
そのパソコンをフルパッケージ(オプションやサポート付き)にして、20万円と提示してみるのです。
もし「20万円は高いので、もう少し安くならないか?」というネガティブな返答がきた場合、ドア・イン・ザ・フェイスの出番です。
お客様に対して「オプションやサポートを外すように会社と交渉すれば、10万円くらいにはなると思います」と値段を下げたオファーを出してみましょう。
さらに「初期費用は弊社が負担するように上長にお願いしてみます」とダメ押しして、購入するハードルをグッと下げるのです。
このような好条件を提示すると、相手は「何かお返しをしたい」という心理になるので、受注できる確率が高まるはずです。
これは「返報性の原理」と呼ばれていて、買う側には「相手が値下げしてくれたから買わなければいけない」という心理が働くのです。
ただし、これらのテクニックは相手が求めていないときには通用しないので、使うタイミングを選ぶようにしましょう。
ミラーリング&ホットリーディングとは?
営業活動は相手に心を開いてもらい、信頼してもらうことが基本になります。
それらを実現するテクニックには、ミラーリングとホットリーディングがあります。
ミラーリングは相手との共通点を増やすことで信頼を得る方法ですが、相手と話すテンポやトーンを合わせることで、安心&信頼してもらいやすくします。
例えばテレアポ営業であれば、電話で相手のテンポに合わせて話すイメージですが、同じテンポで話すことにより、相手に安心感を与えることができるのです。
相づちのタイミングなどを合わせれば親近感が湧くので、「一度会ってみたい」と思われるかも知れません。
一方、ホットリーディングは事前に相手の行動や趣味などを調べておくことです。
この事前調査がしっかりできていれば、相手が最近興味を持っているものや好きなものが把握できます。
そのような情報を使って商談前のアイスブレイクをこなしたり、最近はまっているものについて話してみましょう。
自然な切り出し方ができれば、相手の興味を引くことができるはずです。
仲間意識を持ってもらうことができれば、商談の雰囲気は和やかなものになるはずです。
このように人は自分と同じものを好む人や、自分に同調してくれる人に心を開きやすいのです。
バックトラッキングを活用しよう!
営業テクニックには”聞き役に徹する”というやり方があります。
営業職なので、話すことが仕事と考える人は多いかもしれませんが、話好きなお客様の場合には聞き役に徹する方が有効的だと思います。
その聞き役に徹する際には、バックトラッキングを活用しましょう。
バックトラッキングは相手の言葉を繰り返す、つまりオウム返しすることを言います。
これをすることによって、相手は無意識に親密感を持つことになります。
バックトラッキングのやり方はとても簡単です。
まず相手の話を反復するのですが、相手が発した言葉をそのまま語尾だけを変えて言い返すのです。
丸々同じ言葉を返し続けると、相手は「バカにされている」と感じるので、語尾を「…ですね」などに変えるのがおすすめです。
次に、話を要約して返すやり方があります。
このやり方は、話が長い人の場合に有効的だと思います。
一通り話を聞いた後に、「なるほど、それは●●ということですね。」と言い返します。
こうすれば要点が整理されますし、相手に「あなたの話を聞いてますよ」というアピールもできます。
最後に特定のキーワードを拾って返す営業テクニックをご紹介します。
特定のキーワードだけをピックアップしてオウム返しすれば、相手はバックトラッキングしていると気づきにくいので、こっそりと仕掛けすることができます。
話の中で出てくるキーワードをオウム返しするだけでも、親近感は持たれやすいはずです。
まとめ
営業テクニックは、
- 体力勝負
- 足を使う
などの古臭いやり方から、心理学を用いたテクニック型に変わりつつあります。
ここで紹介した心理テクニックを使えば、きっと営業成績の向上にも役立つはずです。
何気ない会話の中にヒントが隠れていることも少なくありません。
そのような情報を上手に拾って提案すれば、少しづつトップセールスに近づけるでしょう。
もし心理学に興味を持ったなら、市販されている本を読んで勉強することもおすすめします。
常に新しい営業テクニックを学びながら、日々自己研鑽していきましょう。

