販売代理店を活用するメリット
販売代理店を活用すれば色々なメリットを享受することができます。
まず第一に、コストメリットが挙げられます。
つまり、自社の営業部隊(直販営業)を用意しなくてもいいということです。
やはり自前の営業チームを準備すると、人件費や教育費に多額のコストがかかってしまいますが、代理店を利用すれば全て自社で担うよりも安価に販路拡大ができるのです。
また、代理店には固定費(給料など)を支払う必要がありません。
もちろん販売実績に応じてインセンティブを支払うのですが、もし売れなければその必要もありません。
つまりフルコミッションという契約形態が一般的なのです。
このような契約形態は、資金力の乏しい中小ベンチャー企業にとっては「とても助かる仕組み」だと思います。
そして、これが代理店展開の醍醐味だと言えますが、「販路を一気に拡大できる」というのも忘れてはいけません。
ビジネスではスピードが”命”です。
時間が経てば似たような商品・サービスが登場して、自社の持つ商品価値が下がってしまう恐れがあります。
しかし販売代理店を活用すれば、一気に流通網(販売チャネル)の拡大が期待できるのです。
ある意味では「他力本願」「人の褌で相撲を取る」みたいなイメージかもしれませんが、このようなやり方で大成功した企業はたくさんあります。
他にもマーケティングが苦手な事業者にとっては、大きなメリットがあります。
研究職が多いメーカーでは、セールスやマーケティングが弱い傾向にあります。
そのような苦手な部分を頑張っても競合他社には勝てないので、なかなか良い結果には結びつきません。
そんな時、外部パートナーに販売を任せることで「自分達は製品開発に集中できる」というメリットもあるのです。
代理店を上手く利用すれば、コストをかけずに全国各地、ときには世界規模で販路を広げることができます。
もちろん代理店制度にもデメリットはあるため、メリットを活かしきるには、代理店の種類を知った上で自社に合った営業形態を考える必要があるでしょう。
もし代理店の種類を知りたい場合には、下の記事をご覧ください。
直販と代理店はバランスが重要
代理店を活用するメリットに触れましたが、だからと言って直販を一切行わず代理店戦略にばかり重きを置くのはとても危険なので注意が必要です。
直販と販売代理店はそれぞれにメリット&デメリットが存在するため、企業経営を安定させるためにはバランスを取ることが重要だと思います。
直販は消費者と直接やり取りができ、販売価格も下げることができますが、直販のみの販売施策では固定費がかかりすぎます。
先ほども解説した通り、自前の営業部隊を用意する必要があるからです。
また、販路の形成にも時間がかかるため、ビジネス展開の鈍化(スピードの遅れ)が心配されます。
かと言って販売代理店のみに営業を任せるのは、リスクが高すぎます。
代理店に依存する販売施策になってしまうと、既存顧客が全て代理店にとられてしまうからです。
これが何を意味するのかと言うと、既存顧客にアプローチするためには「いちいち代理店にお伺いを立てなければいけない」ので、代理店側に主導権を握られてしまうということです。
これが行き過ぎると、代理店の思惑で自社(メーカー)の売り上げが左右され、場合によっては売り上げが激減してしまうリスクを常に抱えている状態になります。
つまり、顧客情報を握られることでメーカーの主体性が失われてしまい、最悪のケースでは代理店の下請けのような「立場逆転の現象」が起こるのです。
例えば以下のようなパターンに該当します。










上記のようなやりとりを見ていただければ理解できると思いますが、メーカーが開発に専念してしまうと、どうしても『セールス担当である代理店』のポジションが強くなってしまうのです。
しかもこのパターンは最悪のケースで、もしこの代理店がA社製品の販売に切り替えてしまった場合、これまで開拓してきた既存顧客の契約をすべてA社にひっくり返される可能性があります。
そうすると、この代理店経由の売り上げが最悪のケースではゼロになりかねません。
もしこの代理店経由の売上が「会社の80%を占めている…」みたいな状態であれば、行き着く先は地獄だと思います。
コストを抑えながら販路拡大ができる「魅力的な代理店施策」ですが、実は諸刃の剣の側面があることを良く理解しておくべきでしょう。
メーカーとしての主体性を失わないためには、直販と代理店のバランスを上手く取る必要があります。
直販営業と代理店営業のメリット&デメリットをきちんと把握した上で、経営リスクを抑えながら上手に使い分けていきましょう。
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