フルコミッションは昔からビジネスの現場で利用されてきた契約形態ですが、最近さらに脚光を浴びてきています。
その背景には、個々人が新しい働き方を探し始めたということが挙げられます。
そこで今回は、フルコミッションセールスを取り上げてみたいと思います。
「フルコミとはどのような働き方なのか?」という基本的な疑問から、フルコミのメリット&デメリットなど、働き方の注意点まで幅広く解説していきたいと思います。
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目次
フルコミッションセールスとは?
フルコミッションとは、完全歩合制(=完全出来高制)という意味になります。
完全歩合制は実績や売上高に応じて給料(インセンティブ)が支払われるという契約形態のことをいいます。
しかし、中には実績ゼロや売上高が低くても、最低賃金とは言わずとも「固定報酬が設定されているコミッションタイプ」もあります。
とは言っても、基本的には”成果や売上がないと収入ゼロ”という認識で間違いないと思います。
- どれだけ自分が売ったのか?
- どれだけ売上に貢献したのか?
これが”全てである”という、大変厳しい就業形態なのです。
このような仕組みがフルコミッション制度と呼ばれています。
フルコミッションはセールス職に多い
そんなフルコミッションの仕事で特に多い職種が『セールス系の仕事』になります。
「フルコミッションといえば営業!」と言われるほどで、そのような働き方は「フルコミ営業」と呼ばれることもあります。
例えば投資用不動産やプロパンガスの切り替え営業、太陽光発電や蓄電池、新電力など様々な業界でフルコミの仕組みは活用されています。
フルコミッションセールスは報酬金額が高く、受注を重ねるほど高収入になれるのが魅力ですよね。
またセールスのやり方や1日のスケジュールが自分の裁量に委ねられているため、慣れてくればマイペースで仕事ができる点も魅力でしょう。
ただし成果と実績が残せなければ給料ゼロという点は大きなデメリットなので、ハイリスクハイリターンの働き方だと言えます。
しっかりそれを理解しておく必要があります。
フルコミッションの契約形態
フルコミッションは”雇用契約”ではなく”業務委託契約”が基本となります。
実はフルコミッションの契約形態を正社員やアルバイト、パートと同じ雇用契約にしてしまうと、労働基準法違反になってしまうので、違法契約となる可能性が高いのです。
この理由は後述しますが、正社員やアルバイト、パートに支払う通常のコミッション制度であれば雇用契約にできますが、報酬体系が”完全出来高払い”であるフルコミッションセールスは同じように扱えないので注意しましょう。
このためフルコミッションで仕事をする場合には、会社と雇用契約を結ぶのではなく、個人事業主として、特定の法人を相手に業務委託契約を結ぶことになるのです。
つまりフルコミッションで働くということは、実質的に経営者(社長)になることを意味することになります。
フルコミッションは違法なの?
例えば、正社員の給与を”完全出来高払い”にしたらどうなるのでしょうか?
答えはもちろん労働基準法違反の違法行為になります。
この根拠になっているのが最低賃金制度という考え方になります。
最低賃金制度とは各都道府県ごとに設定されている最低賃金を定めた制度で、必要最低限の生活を維持する為の金額が明示されています。
この最低賃金を下回る給料を支給することは違法行為とみなされますので、サラリーマンなど雇用契約を結んだ従業員をフルコミッション(完全歩合制)にすることは現実的に不可能なのです。
逆に業務委託契約であれば、最低賃金という制約の適用範囲外になります。
自営業者と法人が業務委託契約を結んで、その給料を完全出来高払いにすることは労働基準法に触れないため、フルコミッション制で仕事をしても問題はないと判断されるのです。
つまり正社員やアルバイト、パートのように『会社と雇用関係がある訳ではない』ので、フルコミッションにしても問題ないということです。
そのため働いた時間分の給料(時間給)を払ってもらうのではなく、自分が売った分だけ稼ぐという考えの契約形態が実現できることになります。
しかしその一方で、下請け法という別の法律もあるため、フルコミ営業を活用したい人事担当者はこの法律についても理解しておく必要があります。
気になる人は公正取引委員会ホームページをご確認ください。
>>公正取引委員会ホームページ:https://www.jftc.go.jp/shitauke/
フルコミの不動産営業は儲かる?
フルコミッションのセールスの中でも特に儲かるといわれているのが、不動産(投資用不動産など)の営業職です。
実際どの程度稼いでいるのかというと、月収で50万円~100万円程度は当たり前だと言われていて、年収数千万円のプレイヤーがゴロゴロしています。
営業のやり方によっては1億円以上稼ぐ人もいるので、フルコミッションセールスのメリットを最大限に活かして稼げるのが不動産営業なのかも知れません。
フルコミ不動産が稼げる理由とは?
このようにフルコミッションによる不動産営業が稼げる理由は、受注1件あたりの報酬額が非常に高いからです。
一般的な不動産の仲介ビジネスとは、購入者から支払われた物件購入代金から仲介手数料を差し引いて、自身の報酬として受け取るビジネスモデルになります。
仲介手数料は法律で上限3%と設定されているので、例えば5,000万円の不動産であれば150万円が仲介手数料の目安になります。
この受注をフルコミッションセールスで行った場合、この仲介手数料の半分以上が取り分になる為、75万円以上の報酬を受け取ることになります。
これを1年繰り返せば「75万円×12ヶ月=年収900万円」になりますし、さらに複数の仲介を成約させれば、それ以上の報酬額を稼ぐこともたやすいのです。
このような点から、不動産のフルコミ営業は「やればやるほど稼げる仕事」として未経験者からも人気を博しているのです。
しかもフルコミッション(個人事業主)の場合には、この年収900万円は給料でなく、”売上”として勘定されることになります。
この点がとても大きなポイントなのです。
つまり、稼いだ売上900万円から、自由に経費処理(損金算入)することができるのです。
なので実質的な年収は、フルコミで稼いだ売上の1.2倍~1.5倍くらいの感覚になるはずです。
まずは経費処理しやすくする為、Amazonビジネスなどに無料登録しておきましょう。