紹介営業は昔からの活用されている営業手法ですが、モノが売れなくなってきた今だからこそ再注目されています。
そこで今回は、紹介営業を活用して法人開拓するやり方について解説していきたいと思います。
企業向けのBtoB営業に携わっている人や、法人向け商材を取り扱っている経営者はぜひご覧ください。
法人営業は難しい
企業向けの法人営業は「BtoB」とか「B2B」と言われることもあります。
どれも同じ意味ですが、営業職の中では「花形職」と言われることが多いはずです。
法人向け営業では、個人向け営業よりも売上金額が大きくなりがちなので、セールス職としての醍醐味を感じられるでしょう。
しかし、損得勘定で動く法人の場合には、そもそも商談セッティングが難しかったり、担当者にアプローチするのが大変だという実態もあります。
また、個人の意思一つで購入が決まる個人向け営業と違って、法人営業は登場人物が多くなり複雑化する傾向もあります。
例えば、担当者は「OK!」と言っても、その上の役員(決裁者)が「NG」にするケースもあるのです。
他にも支払いサイクルが合わなかったり、契約書がうまく着地できなかった場合も失注する可能性が高まります。
このように、法人営業は個人向け営業よりも難しいと言われているのです。
トップ営業マンが使う紹介営業
難しい法人営業を攻略するためには、紹介営業が必要不可欠だと思います。
なので、まずは紹介営業について解説していきたいと思います。
紹介営業とは、お取引先やお客様、友人・知人などに対して「見込顧客の紹介依頼をする」という営業行為のことを指します。
紹介営業はトップセールスが新規開拓する時に使っている手法なので、知っている人も多いはずです。
トップ営業マンはとにかく忙しく動き回っているので、当然ですが新規開拓に割く時間などありません。
しかし営業職であれば新規開拓を怠るわけにはいかず、そのジレンマを抱えたまま業務を行うことになります。
そんな時に便利な仕組みが「紹介営業」なのです。
紹介営業では自分が動かなくても周りの協力者が口コミしてくれるので、忙しいトップセールスマンにはぴったりだと思います。
最近では「リファラル営業」という呼ばれ方をすることもあり、それを支援するにリファラル営業サイトも出てきました。
紹介営業においては「信頼関係のある人からの紹介」という前提があるため、お互いスムーズに商談ができるのです。
その結果、受注率も高くなり「最も合理的な営業活動が実現できる」と言われています。
なので、成績が良い営業パーソンほど、このメリットを理解して効果的に紹介営業を活用しているのです。
お客様から紹介をもらうコツ
紹介営業は新規開拓営業に利用されていますが、そのやり方は知人・友人からお客様となり得る「見込み顧客」を紹介してもらうというシンプルなものです。
ちなみに知人・友人というのは以下のような人達を指します。
- お客様
- 取引先
- 仕事の同僚
- 友人
- 親族 etc.
これを見てもわかる通り、ありとあらゆる人脈を活用するのが紹介営業なのです。
それ故に「人脈営業」と呼ばれたり「口コミ営業」と呼ばれることもあります。
このリファラル営業を成功させるための秘訣とは、紹介者が口コミしやすい状況を作るということです。
例えば紹介者がお客様だった場合は「製品サービスの満足度を高める」というのが効果的でしょう。
提供する製品サービスを使ってもらって、「この製品は良い」と感じれば自然に口コミしてくれるはずです。
これは街中の美味しいラーメン屋さんを人に紹介するのと一緒で、「あの店のラーメン美味しいよ!」と口コミするのと同じ現象なのです。
人間は実体験ほど口コミしやすいので、その方が口コミの効果も高まると言われています。
- お店のラーメンを食べた
- お店のラーメンを食べていない
この両者を比較した場合「お店のラーメンを食べた」人からの口コミの方が信憑性ありますよね。
なので、絶対条件ではありませんが、できる限り「自分たちの製品サービスを理解してくれている人」を紹介者にしていきましょう。
積極的に紹介依頼する
もしお客様が提供した商材に満足してくれた場合、そのお客様は勝手に口コミしてくれると思い込んでいませんか?
しかし現実はそんなに都合良くできてはいないのです。
冷静になって考えてみると、お客様があなたのことを知り合いに紹介することで得られるメリットなんて何一つありません。
なので法人営業の場合には、営業マン自らが積極的に紹介依頼を出す必要があるのです。
この時、ストレートに「お知り合いを紹介してください!」と伝えるのも良いですが、もう少し戦略的な営業トークを展開しても良いと思います。
例えば以下のようなやり取りになります。
ところで話は変わりますが、実は私はお客様からの紹介をメインに新規取引先を増やしております。
つきましては、○○さんと同じように、弊社製品をご利用いただければ喜んでもらえる可能性があるお取引先をご紹介いただけませんか?
さらに言ってしまうと、資金調達しているようなスタートアップであればなお相性が良いと思っています。
そのような企業がお知り合いにいらっしゃいませんか?
それでは今日&明日でのお声掛けをお願いできますか?
週末に私から電話させていただきますので、その時に結果を教えてください。
それをコピー&ペーストでお送り頂ければ、簡単に弊社製品の特徴が伝わると思います。
このセールストークのポイントは、まず「満足感」というキーワードに対して「YES(はい)」を取ることで、紹介依頼に対しての抵抗を少なくしています。
これはフット・イン・ザ・ドアと言って、自分の目的を達成させる為の心理テクニックです。
このようなビジネスで使える心理テクニックを知りたい人は下の記事をご覧ください。
他にも「紹介して欲しい!」という言葉に+α付け加えるテクニックもあります。
+αというのは、「●●さんは交友関係が広そうだから」や「××さんの紹介する人なら信頼できるので」など、相手を気分良くさせる言葉のことです。
このようなキラーフレーズは効果抜群なので、どんどん使っていきましょう。
無事に紹介依頼まで行き着いた場合、そこから先は具体例を出していきます。
「見込客を紹介してください」と言われたところで、相手はどんな人を紹介すればいいか困ってしまいます。
なので「どんな人を紹介して欲しいのか?」という具体例を出して絞り込んでいくのです。
こちらから色々な条件を出していけば、いづれヒットするはずなので、そこですかさずクロージングしましょう。
クロージングする際には、「いつまでに紹介してもらえそうか?」を確認しておくのがポイントです。
この締め切りを設定しておかないと、紹介依頼がぼやけてしまうので、なかなか良い結果に結びつきません。
そして紹介者が口コミしやすいように、フォロー&サポートすることも忘れてはいけません。
販促資料を共有したり、メールの雛形を送っておいて、それをコピー&ペーストしてもらうような仕組みを構築しましょう。
報酬金額を設定する
紹介営業を善意でやってくれる人も多いですが、積極的に紹介を起こしてもらうためには何らかのインセンティブを用意するのがオススメです。
例えば、見込み客を紹介してもらった結果、無事に受注まで至った場合に「●万円を謝礼として支払う」「図書券を進呈する」などです。
この報酬金額は「リベート」と呼ばれることもありますが、合法的な販促費なので全く問題ありません。
一般的に売上金額の10%~20%ほどが紹介報酬の目安と言われていますが、それをショットで支払うケースが多くなっていて、ストックで支払うケースはほとんどありません。
なので「売上金額の10%をショットで支払う」という紹介報酬で良いと思います。
紹介したくなる営業マンの特徴
紹介営業を成功させるためには、相手(紹介者)が紹介したくなる営業マンにならなければいけません。
そもそも紹介営業というものは、「この人のためにひと肌脱ぎたい!」という気持ちのもとに成立する仕組みです。
そのため、当然ながら何らかの理由で紹介をためらう要因があると紹介営業は決してうまくいきません。
例えば清潔感があったり言葉遣いがしっかり出来ていることは絶対条件と言えるでしょう。
紹介者としては、自分のおすすめした営業マンが低レベルだと、自分自身の評価が下がったり、人を見る目すら疑われてしまいます。
なので、せめて見た目だけでもきちんとすべきだと思います。
そして気遣いできることも重要です。
気遣いできる人は接していて気持ちが良いですよね。
そのような感覚を紹介先(自分の知り合い)にも提供してくれる営業マンは、きっと重宝されるはずです。
まとめ
お客様から紹介をもらうには、この記事で解説したような「紹介営業の極意」を身につけることが大切です。
リファラルのコツを習得することにより、自分の紹介依頼がさらなる紹介を呼び、営業成績を飛躍的に伸ばすことに繋がっていきます。
紹介営業は、相手の信頼を得ることで成功へと繋がっていく営業スタイルです。
まずは「どうすれば営業マンとして信頼を得ることができるか?」ということを、書籍(=成功者)を通じて学んでみましょう。