フルコミッションの社会保険はどうする?会社に頼れない本当の理由

フルコミッションセールスとして働く上で欠かせない話題が"社会保険"についてです。

会社員の場合は会社が守ってくれますが、フリーランスとして働くとなると話は別です。

会社は一切守ってくれません。

そこで今回は事前に確認しておくべき社会保険の仕組みについてや、フルコミの雇用形態などについて解説していきたいと思います。

これからフルコミッションセールスとして活躍する為に知っておくべき情報なので、ぜひチェックして下さい。

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フルコミッション(完全歩合制)とは

フルコミッション(完全歩合制)とは、仕事の成果に応じて報酬が支払われる契約形態のことを言います。

営業パーソンの中には、インセンティブと歩合制を同じように捉えている人がいますが、実際には大きな違いがあります。

フルコミッションセールスでは「完全歩合制」が採用されているので、固定報酬は一切無いのです。

つまり、成果を出せなければ報酬ゼロになるのです。

企業に勤める営業職に対するインセンティブ(一部歩合制)は、国が定めた最低賃金(固定給)を払った上で、成果に応じた報酬を加えることなので、ここに大きな違いがあります。

そして、最低賃金も支払われないということは、企業が正社員として雇った人間は”フルコミッションで働くことができない”ということを意味しています。

フルコミッションで働けるのは企業と業務委託契約を結んだ個人事業主(フリーランス)だけなのです。

業務委託契約は社内で処理できない業務や、社内でやるより外部に委託した方が効率が良いと判断された場合に活用される仕組みです。

フルコミッションで働く人は、完全歩合制で報酬を受け取る業務委託契約を結び、その契約条件にしたがって、成果を上げることで報酬を受け取ります。

歩合給の決め方や計算方法

フルコミッションで働く場合、多くの場合に歩合給は企業側が提示してきます。

通常は「売り上げの●%」というように商材毎に設定し、条件表を提示されることになります。

しかし、報酬金額については当然交渉することができます。

フルコミッションはゼロサムの契約なので、報酬額は比較的高く設定されるケースが多いはずです。

たとえば不動産売買の場合、一つの契約につき仲介手数料を100とした時、フルコミ営業の報酬額は50%以上が多く、高額な条件だと売上の90%という条件も存在しています。

さらに、社内に自分専用のデスクを作ってくれたり、電話やコピー機の利用を認めるなど、仕事に関する経費を企業側が負担してくれるケースもあるのです。

その場合にはマージンが安く設定されますが、売上の30%を切ることはほとんどありません。

つまり5,000万円の売買契約を成立させれば、1件の契約で150万円(仲介手数料3%の場合)ほどの手数料になるので、その30%~90%の45万円~135万円ほどの収入が期待できるのです。

「そんなに支払ったら会社が損するのでは…」と考える人がいるかもしれませんが、フルコミッションセールスの場合には成果が出せなければ会社のコストはゼロです。

業務委託契約は会社側に指揮権がないかわりに、仕事の責任は委託されたフリーランス側が持つので、成約が取れるまでは会社側に何のリスクも発生しません。

つまり、報酬を支払うのは受注した場合だけなので、必ず会社側に利益が生じることになります。

正社員と違って固定人件費を負担しなくて済むのは大きなメリットですよね。

労働人口の流動化が進んだ現在では、固定人件費は会社にとって大きなコストなので、成功報酬型のフルコミッションは会社にとってメリットが大きい仕組みだと言えます。

フルコミは違法なの?

フルコミッションは働く側が給料ゼロの可能性があるので、「違法行為では?」と思う人がいるようです。

確かに最低賃金が貰えないのは法令違反のような気もしますが、業務委託契約を結んでいる場合、これは違法行為に当たりません。

最低賃金を支払う目的とは、賃金の最低額を保障することで労働者の労働条件を改善し、経済の健全な発展に寄与することです。

ここでいう労働者とは、事業又は事務所と雇用契約を交わした労働者で、賃金を支払われる人を指します。

会社と賃金契約を結んでいる労働者、つまり正社員や派遣社員、アルバイトなどはこの法律の適用を受けますが、業務委託契約によって雇用された人は賃金契約を結んでいないので、そもそも最低賃金が存在しないのです。

したがって、正社員や派遣社員、アルバイトなどを完全出来高制で働かせるのは違法になりますが、業務委託契約を結んだ個人事業主にフルコミッションで働いてもらうのは合法ということになります。

気をつけないといけないのは、営業やタクシー運転手、保険セールス、エステシャンなど歩合制が適用されることが多い職種で、会社が人件費削減のために完全歩合制を適用しようとする場合です。

これは違法行為なので、労働基準局に相談する必要があります。

業務委託の社会保険

社会保険の種類には色々ありますが、会社員が加入している社会保険といえば、

  1. 健康保険
  2. 厚生年金保険
  3. 雇用保険
  4. 労災保険

の4つが思い浮かぶと思います。

業務委託契約で働く個人事業主に場合は、これらの社会保険を会社が手配してくれないので、自分で加入手続きする必要があります。

このうち健康保険と厚生年金保険は国の制度なので、国民健康保険と国民年金があります。

なので、それらに加入すれば良いだけです。

ただし、厚生年金と国民年金では年金支給額が大きく異なるので注意が必要です。

厚生年金は国民年金に会社と従業員が折半した厚生年金保険の金額が加算されるので、国民年金より多くなります。

2021年現在、国民年金は満額でも約65,000円/月額ですが、厚生年金は企業の規模にもよりますが、平均で月額145,000円+65,000円(国民年金)の約210,000円になります。

雇用保険、労災保険のいわゆる「労働保険」は従業員にかける保険なので、通常一人で働くフルコミッションの個人事業主は加入することができません。

労災保険は傷害保険などの私的な保険で代替できますが、雇用保険は失業したときの保険なので代替する保険はありません。

ただし、フリーランスとして働く場合には収入の不安が常に付きまとうので、それをカバーする”所得補償保険”という商品も登場しています。

もしケガや病気をした場合、収入ゼロになってしまうフリーランスは、いざという時の為に貯蓄したり、何かしら収入を得る手段を持つことも必要だと思います。

副業フリーランスという選択肢もある

正社員としてフルコミッションで働くことは違法になりますが、副業でフルコミッションの業務委託契約を交わすことは違法ではありません。

本業で社会保険にも入っているので、先に述べたような社会保険に入れなかったり、不足する部分を補う必要がないのも気楽で良いと思います。

また、自分の裁量で働ける業務委託契約では、能力次第で大きく稼げる可能性もあります。

つまり、フルコミッションという働き方は、副業に最適な選択肢なのです。

ただし、フルコミッションは成功報酬型なので、その分野に特化したスキルと実力が無ければ、全くお金が稼げない状態にもなり得ます。

また副業解禁されつつあるとはいえ、本業に差し支える場合は、会社からペナルティを受けることもあります。

なので、時間管理が必要な仕事は副業に不向きだと言えます。

フルコミッションという働き方は、かなり大きな可能性を秘めた働き方だと思います。

ぜひ前向きフルコミッションという働き方を検討してみてください。

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