
みんなが大好きなイタリアンレストランといえば『サイゼリヤ』ですよね。
イタリア人もびっくりする程のクオリティを、圧倒的な低価格で提供しているサイゼリヤは、個人的にもよく利用しているお店です。
その創業者である正垣泰彦(しょうがき やすひこ)は、東京理科大学在学中の1967年に、千葉県市川市でレストラン「サイゼリヤ」を開業しました。
そこから店舗数を飛躍的に伸ばして、2000年に東証1部上場を果たします。
そのような実績からも『圧倒的なビジネスセンスを持ち合わせた人物』だと思うので、今回は正垣泰彦のビジネス格言をご紹介したいと思います。
独立起業を目指す人、社長になりたい人、ビジネスリーダーを目指す人は是非ご覧ください!
正垣泰彦の名言まとめ
「お客さんなんて簡単に来るものだ」と高をくくっていたら、これが全く来ない。
一番最初のお店を開店した時、「お店を出せば近所のお客さんが来るだろう」と楽観的に考えていたようですが、実際には全くお客様が来なかったそうです。
しかも開店して7ヶ月目にはお店が火事になり、この時には真剣に「もうお店を閉めよう…」と考えたそうです。
もしここで終わっていたら、私たちはサイゼリヤの恩恵を受けられなかったことになります。
そこから奮起して軌道に乗せたそうですが、どんなビジネスも順風満帆ではないということですね。
とりあえずメニューの価格を5割引きにした。
とりあえずお店は継続することにしたそうですが、それでも集客するアイデアはなかったので、あまりに単純ですが『とりあえずメニューの価格を下げた』そうです。
それでもお客様が来なかったので、最終的には7割引きまで値段を下げたところ、お店の外に行列ができ始めたそうです。
ちなみにこの時のスパゲッティは一皿150円~200円だったみたいです。
この価格なら確かに並びたくなりますよね。
お客様のことを考えると、客単価は上げられない。
ならば、客数を増やすしかなかった。
大繁盛していたサイゼリヤには1日600人~800人のお客様が来店したそうですが、その数を「1000倍にしたい!」と、この時に考えたそうです。
600人の1000倍といえば60万人/1日ですが、それを1店舗に集客するのは無理なので、すごく単純に「それなら1000店舗にすればいい」と考えたそうです。
2024年現在のサイゼリヤ店舗数は国内外含めて1540店舗になったので、創業当初の目標は達成できたみたいですね。
和食でも洋食でも中国料理でも、売れる料理さえ選べば、私のように1000店のチェーンを目指すことも可能な魅力のある市場だ。
「外食業界で生き残るのは厳しい」と言われますが、正垣泰彦はそれを真っ向から否定します。
1000店舗のチェーン店を目指すのも、こだわりの料理を提供する1店舗を経営するのでも、飲食業界にはまだまだチャンスがあるそうです。
「自分の店の料理はうまい」と思ってはいけない。
これは目から鱗の名言ですよね。
「自分の店の料理はうまい」と思ってしまうと、「売れないのはお客様のせい」とか「景気が悪いから」という思考になってしまうので、日々の改善をしなくなるそうです。
創業の理念に立ち返ることで、ブレずに正しい経営判断ができたのだと思っている。
サイゼリヤといえども、これまで何度も苦境を経験しているようですが、ピンチの時に助けとなったのが「食べていると幸せになれる本場の美味しいイタリア料理を、お値打ちな価格で提供したい」という創業理念だったそうです。
同じくイタリア料理で成功したのが、BOOKOFF(ブックオフ)創業者の坂本孝です。
BOOKOFFは古本屋なのですが、「俺のイタリアン」という飲食業を始めて、猛スピードで繁盛店へと育て上げました。
しかしそのビジネスモデルは秀逸なので、その経営ノウハウを知りたい人は下の記事をご覧ください。
不況下で大切なのは売上の確保ではなく、無駄を無くすことだ。
売上を増やすのは容易ではありませんが、無駄を減らしてコスト削減するのは簡単です。
ちなみに飲食店の場合、「メニュー数を絞る」というのが一番無駄を削減できるそうです。
これは企業経営においての”基本”と言えるので、ビジネスパーソンは覚えておきましょう。
売り上げが欲しいからと言って、安易な値下げによる販促をすべきではない。
周りのお店が値下げすると、自分のお店も値下げで対抗しようと考えますよね。
しかしそのやり方は『自らレッドオーシャンに飛び込むのと一緒』なので、絶対に避けるべきだと正垣泰彦は語っています。
ほとんどの人は売り上げが増えれば、利益も増えると思っているが、それは違う。
たとえ売上が増えなかったとしても、経費を削れば利益は増えます。
だからこそサイゼリヤの店長たちには売上目標を課さずに、経費をコントロールすることだけを求めているそうです。
正垣泰彦は「売上はお客様が来れば作れる」と考えているので、そこは経営サイドが集客を担って、現場には責任を押し付けないスタンスみたいです。
美味しいから売れるのではない。
売れているのが美味しい料理だ。
外食産業の中で、世界で一番食べられているものは、マクドナルドのハンバーガーだと聞きます。
そう考えると、マクドナルドのハンバーガーが「世界で一番美味しい食べ物」という考え方は、あながち間違いではないと思います。
日本マクドナルドのCEOを務めた原田泳幸の名言集もぜひご覧ください!
大切なのはウチはこれで勝負するという主張だ。
サイゼリヤの場合、その勝負メニューが「ミラノ風ドリア」だったそうです。
このような勝負メニューを「核商品」と呼んでいますが、その商品が売れるから利益が出て、さらに商品価格を下げられて、またお客様が来店する…、という好循環が出来上がるそうです。
正垣泰彦は「来店客の2割~3割が食べてくれる”核商品”ができれば、それが売上拡大のきっかけになる」と語っています。
用途に合っている料理を食べた時にお客様は「美味しい」と感じ、合っていない時に「まずい」と感じているのだ。
「料理の「美味しい」「まずい」という評価は、味付けや素材で決まるものではない」というのが正垣泰彦の持論です。
それよりもお客様の用途(ニーズ)を正確に把握して、それに見合った料理を提供するのが正解みたいですね。
この良い例が、ラーメン二郎だと思います。
「ラーメン二郎はマズい」と評価する人は多いですが、それでも行列になっている理由は「がっつりニンニク系&脂濃いめのラーメンが食べたい」というニーズを満たせているからだと思います。
チェーンストア理論は、外食チェーンにとって多店舗化するための「原理原則」と言えるだろう。
日本におけるチェーンストア理論の第一人者は「渥美俊一」だと言われています。
その著書は店舗経営における名著と呼ばれているので、ビジネスパーソンはぜひ読んでおきましょう!

自分本位に物事を考えてはならない。
これは自分にとって都合の良い考え方をしてしまう危険性について語った名言です。
物事は客観的に見なければ、大きな間違いを犯す危険があります。
そのために重要なのが数値や客観的なデータです。
企業経営する上では「俯瞰的に見る」ということを意識しましょう!
心構えとして大切なのは、自分の店の料理、サービスなどはまだまだ大したことがないと自戒し続けること。
日々努力しながら精進することが大切ということですね。
これはビジネス格言として心に留めておきましょう!
いくら掛かるかわからないという状態は、消費者に強いストレスを与える。
これは値決めの難しさについて語った名言です。
100円均一ショップや、全メニュー300円の居酒屋など、明朗会計の場合には消費者が安心します。
このような均一価格にするのが難しい場合、「商品間の価格差を広げすぎないことがポイント」だと正垣泰彦は語っています。
一番安い商品と一番高い商品の価格差を2倍以内に納めれば、消費者は安心して、気軽に注文してくれるそうです。
「美味しい」=「客数」と考えるようにしている。
人によって「美味しい」の尺度は違うのですが、ビジネスにおいてはそれを定量的に表す必要があります。
なので正垣泰彦は「美味しかったのであれば、また来てくれるはず」と考えて、「客数」こそが美味しさを表す尺度であると定義したのです。
値付けの参考になるのは、その国で最も売れている消耗品の価格だ。
これはとても腹落ちする名言ですよね。
日常的な消耗品であれば相場観がわかるので、それと対比させることで相対的に割安感を演出することもできます。
この考え方は覚えておきましょう!
お客様が自由に食事をコーディネーションできる価格・商品構成であることが飲食店のメニューを考える上で最も大切なことだと思っている。
コーディネーションというのは「バランスの良い組み合わせ」のことです。
サイゼリヤのメニューは、基本的にはワインを中心に組み立てる(コーディネート)そうですが、各料理の味付けもワインに合うような味に仕上げているそうです。
私が一番視察をおすすめしたいのは「マクドナルド」だ。
正垣泰彦は「マクドナルドは気づきの宝庫だ」と語っています。
視察するポイントを「商品」「設備」「作業」「立地」の4つに分けて、それぞれ気づいたことを100項目ずつ書き出していけば、自店の改善すべきポイントが必ず見つかるそうです。
日本マクドナルドのCEOを務めた原田泳幸の名言集もぜひご覧ください!
私に言わせれば、仕事とは「作業」の集まり。
仕事の中身を「作業」に切り分ければ、業務改善しやすくなるそうです。
なので効率の悪い仕事をしている人が悪いのではなく、問題は「作業の中身」なので、それを改善することで業務効率は自然に上がっていくと正垣泰彦は語っています。
内装にこだわらなければ、お客様が来ないという人もいるが、それは違う。
飲食業において、最も重要なのは料理で、その次が清潔感です。
内装の優先度はそれよりも下なので、店が流行ってから手を付けても決して遅くないそうです。
逆に内装ばかり豪華にしても、料理がマズくて不潔であれば、お客様はリピートしてくれません。
ビジネスを成功させるためには、何を優先すべきなのかきちんと把握しましょう!
少しでも安く仕入れるために必死に食材を買い叩こうとする人がいるが、そうした努力自体が時間の無駄だ。
仕入れは原価となるので、少しでも安くしたいと考えますよね。
しかしそのような考え方を正垣泰彦は一刀両断しています。
仕入先はビジネスパートナーなので、一方的な都合で値切るのではなく、相手がちゃんと利益の出る料金をきちんと支払ってあげるのが基本だそうです。
その上で考えるべきは、最も大きなコストとなる人件費についてです。
「今2人で行っている作業を、なんとか1人でできないか」と考えた方が、大きなコスト削減ができて、ずっと合理的だと正垣泰彦は語っています
仕入れは価格より、品質を重視せよ。
仕入れ価格は基本的に業者の言い値で構わないので、それよりも「品質に下限を定めるべきだ」と正垣泰彦は語っています。
品質の下限とは「お客様に提供したくない」と思う品質のことです。
それ以下の食材は絶対に持ってこないよう、業者には伝えておきましょう!
私の持論では、料理の味の良し悪しは80%が食材で決まる。
これはあくまでも正垣泰彦の持論ですが、飲食ビジネスの成功者が語る格言なので覚えておきましょう!
近隣の繁盛店に出掛け、料理を食べてみて、その食材をどこから仕入れているのか、店主に教えてもらうといいだろう。
これは良い仕入先を開拓する方法について語った名言です。
繁盛店と付き合っている業者が提供する食材は品質が安定していて、卸値も適正なはずです。
そうでなければ、その飲食店が繁盛店になることは無いからです。
このようなロジックから、正垣泰彦もこのやり方で仕入先を開拓していたそうです。
値下げをするなら期間限定ではなく、その価格で売り続けるべきだ。
販売促進のために、期間限定の値下げをするケースは多いですよね。
しかし正垣泰彦は「値下げした料理をまた元の価格で食べなければならない消費者は、必ず損した気分になる」と語っています。
なので、もし値下げをするのであれば、その価格をずっと維持する心意気が必要みたいです。
あらゆる経営判断は、ある意味「実験」だ。
経営とは不確実性の塊ですよね。
企業経営において「確実なもの」など無いので、だからこそ経営者には勇気が求められるのだと思います。
価格を見直す時のコツは値段の末尾に「4」「8」「9」を意識することだ。
これは料理の値段について語った名言なのですが、350円よりも340円の方がお得感が出ます。
さらに330円、320円と引き下げていっても、実は340円の割安感とあまり変わらないそうです。
これと同様に、500円よりは490円の方がお得感が出ますが、470円、460円と引き下げても、490円のお得感とあまり変わりません。
このような考え方で価格設定しているそうですが、近年は物価の高騰もあって、メニュー表を見るとそのロジックが維持できていないように感じます。

しかしよく見てみると、税込表示が端数のない金額になっているので、おそらくそれを意識した税抜き価格なのでしょう。
このような視点でサイゼリヤのメニュー表を眺めるのも面白いので、ぜひチェックしてみましょう。
利益が出ないというのは、社会への貢献が不十分な状態だということだ。
これは経営者にとって耳の痛い話ですよね。
利益を出すのは本当に大変ですが、それは社会への貢献がまだできていないことを意味しています。
「どうすれば社会貢献できるのか?」という視点でまず考えて、利益は二の次にした方が良いと思います。
経営者や何らかのプロジェクトを任されるリーダーにとって大切なのは、将来へのビジョンを持つことだ。
ビジネスリーダーにとって、ビジョンを掲げることはとても大切だと思います。
もし「ビジョンについて知りたい!」というのであれば、参考までに下の記事をご覧ください。