菜根譚(さいこんたん)は中国明の時代に、洪自誠(こうじせい)によって書かれた古典です。
儒教や仏教などのエッセンスも詰まっているので、人生における教科書ともいえる書物です。
- どうすれば自然に生きられるか?
- どうすれば人生を楽しめるか?
という内容が凝縮されているので、悩みが多い現代人にこそ見て欲しい本だと言えます。
そこで今回は、とっつきにくい菜根譚の格言をわかりやすく解説したいと思います。
ビジネスパーソンであれば押さえておくべき名著だと思うので、ぜひ最後までご覧ください。
菜根譚はどんな本?その意味とは?
まずは菜根譚(さいこんたん)という書物について解説したいと思います。
そもそも菜根譚の意味とは、
- 菜=野菜
- 根=大根
- 譚=お話
なので「野菜と大根の話」ということになります。
しかし実際に野菜や大根の逸話が書かれている訳ではなく、「身近で気軽に親しく読める本」という意味合いが菜根譚という言葉なのです。
充実した人生を過ごすために、「どんな心持ちで生きればいいのか?」という格言がまとめられた書籍なので、これまで多くの人に読み継がれてきました。
人生において有益な名著だと思うので、もし気になる人は後で実際に読んでみてください。
菜根譚(さいこんたん)の名言集まとめ
朴魯(ぼくろ)なるにしかず
朴とは「切ったままの木で、あまり形が美しくない普通の木」という意味で、魯とは「喜びを大切にする」という意味です。
つまり「優秀な部分ばかりを見ずに、ごく普通の部分にも目を向けよ」という意味の名言です。
その言葉は普遍的だと思うので、ぜひ覚えておきましょう。
才華は玉韞(たまつつむ)む
才華は「優秀な頭脳」のことを言います。
そして玉韞むは「高価な宝石のように大切に包んでおく」ことを指します。
つまり優秀な頭脳を持っていたとしても、それを自慢してばかりいると、知人・友人から見放されることを伝えている名言なのです。
勢利紛華(せいりふんか)には近づかず
勢利は「名誉」のことで、紛華は「贅沢で派手」なことです。
このような欲望を持ってしまうと、人生が狂ってしまうので、近づかないことを諭した名言です。
一日も喜神(きしん)なかるべからず
これは一日一回でも笑う時間を持つべきだという名言です。
明るくポジティブに過ごしていれば、それだけで人生は楽しくなるのです。
真味は、ただ是れ淡なり
本当の味は、濃い味付けではなくて、素材そのものも淡白な味付けであることを伝えた名言です。
これはつまり、普通の生活や平凡な生活の中にこそ、本当の人生があることを伝えているのです。
独り坐して心を観ず
一人で坐禅を組むと、心穏やかになれますよね。
忙しい毎日を過ごすばかりではなく、時には日常を忘れて無心になることも必要でしょう。
田地は放ち得て寛(ひろ)きを要す
田地とは「人の心」のこと、放ち得ては「選り好みしない」ことを指します。
つまり選り好みをせず、寛大な心を持てば、不平不満を言わずに済むという意味の言葉なのです。
有余不尽(ゆうよふじん)の意志を留む
有余不尽の意志とは「ゆとりのある心」を言います。
余裕を持てば、相手を許すことができるので、無用な争いを避けることができるのです。
父母兄妹の間愉色婉言(かんゆしょくえんげん)
愉色とは「穏やかな顔」で、婉言は「優しい言葉」を指します。
家族の中に穏やかで優しい言葉が溢れれば、家庭円満になることでしょう。
悪を攻むるは太(はなはだ)だ厳(げん)なることなかれ
他人の悪事や欠点を注意して治そうと試みるのは良いことですが、そのやり方は注意しなければいけません。
あまりに厳しく言われると、相手は聞く耳を持たなくなるので注意しましょう。