あの時無茶を承知であの条件を押し通したからこそ我が社は機を逃さず創業できた。
これは「20日締め月末現金払い」という、ビジネス常識から逸脱した”無茶苦茶な条件”で取引先開拓していた頃を語った名言です。
当時の中小企業はほとんど120日サイトだったので、この条件がいかにむちゃくちゃか理解できるはずです。
しかし当時を振り返って越智直正は「あの決断は間違いではなかった」と語っています。
企業経営をしていると、いくつもの決断を迫られる局面がやってきます。
どんな決断を下すにしても、その責任を取るのは自分自身なので、本気でビジネスするためには並大抵ではない”覚悟”が必要だと考えています。
経営に奇策はありません。
原理原則を貫けば道は開けます。
この名言からもわかるように、越智直正は「経営者に必要なのは原理原則を身につけることでしょう」と語っています。
これは「道徳感」や「善悪の判断」などと言い換えることができますが、それらは論語を通じて学んだそうですが、同じことを渋沢栄一も言っています。
日本経済の父と呼ばれている渋沢栄一が残した本が「論語と算盤」なので、ビジネスパーソンはぜひ読んでみてください。
知ったことを使えなかったら、知ったうちに入らない。
現代は情報化社会なので、様々な情報が簡単に手に入りますよね。
つまり知識だけはいくらでもつけられるということです。
しかし勝つためには知識だけを溜め込んでも意味がないので、それを元にした行動を起こさなければいけません。
このように豊富な知識を持っていて、行動力も兼ね備えた人のことを「智恵のある人」と呼んでいます。
本気になれば解決できる。
逃げ腰では解決できない。
これは越智直正が丁稚奉公していた先の大将(師匠)に言われた言葉です。
人生には様々な問題が発生しますが、基本的に解決できない問題などありえないと考えています。
なぜかといえば、あなたの人生の延長線上に出てきた問題だからです。
例えば、あなたの人生に下のような問題が出てくるでしょうか?
- 今季の業績が-1000億円で、会社が倒産しそう
- この勝負に勝てばオリンピックの金メダルが手に入る
- 国際特許を取りたいがやり方がわからない
これらは年商1兆円の会社を経営している社長だったり、世界最高のトップアスリートだったり、とんでもない技術革新をした人の前にしか現れない問題ですよね。
普通の生活をしている人の前には、このような課題が出てくることがありません。
このような問題が目の前に出てくるということは、その人であれば乗り切れるだけのスキルがあるという裏返しです。
そう思えば、逆境すらも楽しめますよね。
自分で言うのも何やけど、僕はむちゃくちゃ借金するのが上手です。
何かを担保に入れて借金するのは簡単ですが、越智直正は担保がなくてもたくさん借金できたそうです。
それがあまりに膨れ上がりすぎて、自分のことを「無能経営者」と思っていたみたいですが、資金調達能力が経営にとって非常に重要な要素だと気づいてから、借金することの考え方が180度変わったそうです。
どのような方法だったとしても、資金調達できて損することはありません。
経営者を目指すのであれば、資金調達スキルを磨いておきましょう!
交渉がうまいとは自分でも思わんけど、死に物狂いだと色々な知恵が出てくるのでしょうな。
人間は追い詰められなければ本当の力を発揮できません。
とにかく自分にストレスをかけて、徹底的に追い込むことが、結局のところ”自己成長”につながるのだと思います。
戦うことは覇道であり、経営は王道を歩むべきもの。
経営は王道を行かなければいけません。
覇道は「武力や企みで組織をマネジメントすること」なので、結局は邪な考え方になり、うまく人を動かすことができなくなるのです。
人の動かし方について学びたい人は、下の記事をご覧ください。
価格競争になれば当社のような体力の限られる中小企業に勝ち目はありません。
靴下は一足単位で売るのが一般的でしたが、1980年頃に「3足1000円」という売り方が急速に普及しました。
しかし越智直正は、絶対にそのような売り方をしなかったそうです。
体力のない中小企業が大手企業と同じやり方をやった場合、確実に負けることになります。
そのようなケースでは差別化戦略が重要になるので、基本的にはランチェスター戦略に基づいた局地戦をするべきだと思います。
自らブルーオーシャンを発掘する「ブルーオーシャン戦略」というやり方もあるので、知らない人は下の本を読んでみてください。
僕は基本的に善悪ではなく、正邪で物事を考えます。
この理由について「善悪を軸にすると、自分にとって都合の良いことが善になり、都合の悪いことは悪になってしまう」と語っています。
しかし正邪で考えた場合、この判断基準には社会性が入ってくるので、俯瞰的に物事を見れるそうです。
僕は誰が何と言おうと戦わない経営をする。
越智直正は孫子の兵法を愛読していました。
その中にある「戦わずして勝つ」という考え方が染み付いているので、ライバル(競合他社)含めて、絶対に戦うことをしなかったそうです。
孫子の兵法にはビジネスの要諦が詰まっているので、必ず読んでおきましょう。