星の王子さまは、ある日「星の王様」に出会いました。
その王様は星の王子さまを見て「おお、民が来たか!」と言いました。
それを聞いた星の王子さまの一言です。
一度も会ったことがないのに、ぼくが誰だか、どうしてわかるのかな?
王様は自分が一番偉いと思っているので、自分以外の人は全て「自分以下の存在」と決めつけているのです。
身分や肩書きだけで相手のことを見定める危うさを語った名言だと思います。
ここで王様は、一体何を治めているというのだろう?
これは王様の星があまりに小さいことに気づいた時の言葉です。
星の王子さまは王様に対して「陛下は…、何を治めていらっしゃるんですか?」と質問します。
それに対して王様は「全てをだ」と答えました。
王様は自分の星だけでなく、宇宙すべてを支配していると勘違いしていたのです。
大人って変わっているな。
これは自分の威厳ばかりを主張する王様の様子を見て、星の王子さまが呟いた言葉です。
大人は身分や肩書きなど、本質以外の部分にこだわるのです。
これは自分のことを認めて欲しい王様に対して、星の王子さまが言った言葉ですが、自己顕示欲が強い王様は「自分のことを称賛して欲しい!」と言いました。
それに対して、星の王子さまは下の言葉を返したのです。
でもこの星には、あなたしかいないよ!
現代はSNS全盛期で、誰もが自己顕示欲を誇示し、承認欲求を満たそうとしていますが、それはデジタル世界の話です。
あなたの周りに、その人たちは実在していません。
そのような人達からの承認をいくらたくさん集めても無駄(本質ではない)なのだと気づきましょう。
どうして飲んでるの?
これは酒浸りの男に会った時、星の王子さまが言った言葉です。
この言葉に対して「忘れるため」と酒浸りの男は答えます。
それに対して「忘れるって、なにを?」と星の王子様は反応します。
その後、色々な会話をしますが、最終的には酒浸りの男が「飲むことを恥じている!」と叫んだので、星の王子さまは「大人ってやっぱり変だ」と思うのです。
金持ちでいられると、何の役に立つの?
この言葉は、星の王子さまが実業家に会った時の言葉です。
実業家は数字ばかりを考えていて、儲かることに必死です。
その様子を見ていた星の王子様は「この人は酔っ払いと一緒だ(=本質を理解してない人)」と感じたのです。
この名言は探検家に対して星の王子さまが言った言葉です。
探検家が星の王子様が住む星について尋ねた時、「火山が3つあります。活火山が2つに、死火山が1つ」と言いました。
それに加えて、この言葉を伝えたのです。
花も一輪咲いています。
母なる大地の象徴的である火山と、か弱い一輪の花という明暗のコントラストがはっきりしているので、これはとても美しい表現だと思います。
星はどうして明かりを灯したみたいに光っているんだろう。
みんないつか自分の星に、帰って行けるようにするためかな。
僕の星を見て。
ちょうど真上にある…
でも、なんて遠いんだ!
「故郷に錦を飾る」という言葉がありますよね。
人間は誰しも、そのような感覚を持っていますが、それを成し遂げるための道のりが、あまりに遠すぎるので、その感情を比喩したのでしょう。
星の王子さまが道端に咲いた花に対して「人間たちはどこにいるんでしょう?」と尋ねた時の返答です。
人間たち?
いると思うわ。
6、7人。
もう何年も前に見たわ。
でもどこにいるのかはさっぱり。
風があっちこっち連れて行くのよ。
根がないんだもの、ずいぶん不便でしょうね。
人間は花と違って物理的な根っこがありません。
これは自然原理に沿って生きていない人間のことを揶揄した言葉だと思います。
星の王子さまは山の上に立って「こんにちは」と挨拶してみました。
すると「こんにちは…、こんにちは…、こんにちは…」とこだまが聞こえてきました。
それをこだまだと知らない星の王子さまは「友達になってくれませんか?ぼく、ひとりなんだ」とつぶやきました。
すると「ぼく、ひとりなんだ…、ぼく、ひとりなんだ…、ぼく、ひとりなんだ…」とこだまが返ってきました。
それに対して言った名言がこの言葉です。
なんて変な星だろう!
どこもかしこもカサカサしていて、とんがっていて、塩気でいっぱい。
それに人間っていうのも、想像力に欠けているな。
言われたことを繰り返すだけじゃないか…
これはまさに現代社会を揶揄していますよね。
人間関係は乾燥(ドライ)しきっていて、すぐにいざこざが起き、とてもしょっぱい関係性ばかりです。
一見すると周りに人がいるように感じますが、自分が発した言葉は宙を舞ってしまいます。
このような現代社会を、サンテグジュペリは悲観していたのでしょう。