アメーバが一つの独立した事業として成り立つ、最小限の機能を持った単位でなければならない。
これはつまり、一つのアメーバがビジネスとして完結する単位である必要があります。
そうしなければユニットリーダーが創意工夫する余地が無くなるので、現場のやりがいも生まれないのです。
アメーバは、細かくすればするほど良いというものでは決してない。
一見するとアメーバ経営には大きなメリットがあるように感じますが、やはりデメリットもあるようです。
組織というものをあまり細かく分けてしまうと、小さい組織(ユニット)が乱立するようになるので、結果的に無駄が生じてしまうのです。
アメーバリーダーが、小さな組織であっても経営者としてやりがいを感じることが重要である。
ユニットリーダーは、そのユニットの採算が合うように動きますが、自分が創意工夫することによって事業を改善できなければモチベーションが下がってしまいます。
これは非常に重要なポイントなので、ユニット制を取り入れる時には注意するべきでしょう。
たとえアメーバとして収支を明確に計算することができ、事業として完結した単位になっていたとしても、会社の方針が阻害される場合には、その組織をアメーバとして独立させてはならない。
これはアメーバ経営する時の注意点を語った名言です。
アメーバ経営では基本的にユニット制を導入するべきですが、会社の方針とバッティングする部署の場合には、ユニットとして独立させてはいけないのです。
「アメーバ組織をどのように作っていくのか?」ということは、アメーバ経営の始まりであり、終わりである。
アメーバ組織を作るということは、ビジネススキームを構築するのと同じです。
このユニット制が完璧であればあるほど、売上の最大化&コストの最小化に貢献することでしょう。
アメーバ経営の特長は、経済状況、市場、技術動向、競合他社などの急速な変化に対し、アメーバ組織を柔軟に組み換え、即座に対応できるところにある。
アメーバ経営に基づいてユニット制度を導入した場合、それで万事OKというわけにはいきません。
経済状況に応じて、その時々に合ったベストな組織にする必要があるのです。
稲盛和夫曰く、アメーバ組織を常に最適なものにしておくことは一番重要なことであり、これに失敗すればアメーバ経営の意味がなくなってしまうと語っています。
アメーバ間の売買価格を判断する人が常に公正・公平であり、みんなを説得するだけの見識を持ち合わせていなければならないのである。
アメーバ経営では、ユニット間の収支がはっきり数字に表れますが、社内取引なのでフィアな売値(値決め)でなければいけません。
それを第三者的に確認する人が、アメーバ間の売買価格を判断する人(経営者)なのです。
アメーバ経営では自分の組織を守るという思いが人一倍強くなるために、部門間の争いが激しくなり、会社全体の調和が乱れやすいのである。
これはアメーバ経営のデメリットについて語った名言です。
特にユニットリーダーは自分が担当する部門の採算性を高める為、多少無理してでも売値を上げようとします。
それに対して買い手側のユニットは、できるだけ原価を下げたいので、買値を下げようと努力します。
これによって同じ会社内で争いが生じてしまうのです。
これを解決する手段は、経営哲学(フィロソフィー)をユニットリーダーに浸透させる事だと語っています。
その根幹となる考え方は「人として正しい行動をする」ことだと、稲盛和夫は語っています。
「才子、才に溺れる」という言葉があるように、優秀な人材が才覚の使い方を誤ると、とんでもない問題を引き起こす。
商売には才覚が必要ですが、才覚がある人ほどそれにふさわしい人格を持っていなければいけません。
才能がない人は、ずる賢いやり方すら思いつきませんが、頭のいい人は不正なやり方を思いついてしまうので、それを自制する必要があるでしょう。
ユニットリーダーを指名する場合には注意しましょう。
私は常々、リーダーとは、全き人格者でなければならないと言っている。
優秀なリーダーであれば偉業を成し遂げられますが、悪いリーダーが指揮をとると、その会社は海賊船にもなってしまうのです。