道元という名前は知っていても、その人柄や考え方まで理解してる人は少ないでしょう。
そこで今回は、道元の名言集を解説したいと思います。
道元の名言集を通じて、禅の考え方を理解しましょう。
道元(どうげん)とは?
道元は鎌倉時代に生きた宗教家なので、簡単なエピソードをご紹介したいと思います。
道元は貴族として生まれたので家柄は良かったのですが、幼い頃に父母が他界した為、世の中の無常を痛感したそうです。
そして出家するために比叡山に入りましたが、その時の年齢はまだ13歳だったそうです。
しかし、比叡山の仏教には満足できなかったので、24歳の頃に中国の宋へ渡ることになりました。
そして26歳の時に、一生涯の大師と呼んでいる”如浄禅師”に出会い、悟へと行き着いたのです。
その結果、日本において曹洞宗の開祖となり、大本山永平寺を開くことになったのです。
道元の名言集まとめ
道元の名言には「大宇宙」とか「宇宙の力」というトリッキーな表現が出てくので、無宗教の人には意味不明かも知れません。
しかし言っていることはまともなので、最後まで根気強くご覧ください。
仏道をならふというは自己をならふなり
この言葉は「仏教とは自分を習うこと」という意味です。
つまり「生きる喜びを知る」というのが、仏教の本質だと言っているのです。
自分の命の中に喜びを発見することが仏教なので、この境地に達すれば毎日が楽しく、毎日が勉強になるのです。
山川大地日月星辰これ心なり
この言葉は「大自然や宇宙を活動させているエネルギーが、そのまま自分の心(生命)である」という意味です。
一般的には別物と考えられますが、道元は”宇宙エネルギー”と”人間”は一体だと考えていたのです。
仏祖の鼻腔をかりて出気せしむ
誰でも鼻で呼吸ができますよね。
人が生きていくためには「まず自分の鼻から出入りしている呼吸が最も必要だと理解するべきだ」と道元は語っています。
しかし、鼻は自分で作った訳ではないので「人から借りている」と考えて、鼻呼吸一つにも感謝するべきだと言ったのです。
道元曰く、世の中は「全て宇宙生命の賜物」だということです。
洗面は仏祖の命脈なり
顔は宇宙から頂いたものであるから、顔を綺麗に洗うことが、仏教の大事な修行だと言っているのです。
顔の造りやパーツの位置について、深く考える機会は多くありませんが、最も適切な位置に作ってくれた宇宙の力に感謝するべきだと言うのです。
歯のおもて、歯のうらをみがく
健康な人は歯を大切にしています。
「歯が健康を作っている」という人もいるほどです。
それほど歯というのは、人間にとって大切なパーツなのです。
宇宙生命からお借りしている歯を大切にしましょう。
学知にあらず
他人から学んで知ることを「学知」と呼んでいますが、仏教の学び方は違うそうです。
他人から教わることができない、自分の中にあるもの、又は自分に備わっているものを理解するのです。
このように外側を見るのではなく、内側を見ることを「生知」と呼んでいます。
人物身心の無情なるこれ仏性なり
人間には死があり、物はいづれ破壊されます。
このような事実は宇宙の変化のあり方なので、自然なことだと言うのです。
むしろこのような変化を受け入れることが「幸せになる第一歩」だと道元は語っています。
大恩を報謝せん
道元は、自分の生命を支えてくれている大自然の恩恵に深く感謝して、人間の心の平和と安定のために献身することが、人間本来の生き方であると説いたのです。
万事を休息すべし
これはつまり「常識を疑え」に通じる名言だと思います。
何事も常識というのがありますが、それに固執していると、本質を見過ごす可能性があります。
十分注意しましょう。
仏道の身心は、風雨水火なり
人間の体は宇宙が創造したものなので大自然と同じです。
そう考えた場合、存在していけない人間など一人もいないのです。