多く聞きて其の善き者を択(えら)びてこれに従い、多く見てこれを識(しる)すは、知るの次なり。
<訳>できるだけたくさん聞いてその中から良いものを選んで、それに従い、たくさん見て記憶する。真の道理を知ることは難しいが、これならばできる。
これは知識を身につける有用性について語った名言です。
何も勉強をしないで「それは知りません」と言うのと、知識は豊富だけど「そのことは知りません」と言うのはレベルが全く違います。
知るということの価値を見出しましょう!
三年学びて穀に至らざるは、得やすいからざるのみ。
<訳>長年勉強して、官職に就いて報酬をもらおうとするのは簡単だからだ。
これは多くの人が焦って労働に対価を求める様子を注意している孔子の言葉です。
お金ばかりに捕らわれてしまうと、学ぶことがおろそかになるので、それは良くないことだと注意しているのです。
「ひたすら学問に打ち込む人がいても良いではないか」と孔子は語っています。
これを沽(う)らんかな、これを沽らんかな。我はこを待つ者なり。
<訳>売ろう、売ろう。私自身も良い値で買ってくれる人を待つ者だ。
これは孔子の弟子が「ここに美しい宝石があるとします。箱に入れて大切にしまっておくのが良いでしょうか?それとも高値で買ってくれる人を求めて売るのが良いでしょうか?」と質問した時の回答です。
ちなみに、美しい宝石とは「価値のある自分」の比喩です。
それに対して孔子は、この名言のように答えたのです。
ビジネスパーソンとしての”孔子の意外な一面”が垣間見える名言だと思います。
知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼(おそ)れず。
<訳>知識がある人には迷いがない。人格が優れた人には憂いがない、勇者には恐れがない。
これは人間が持つべき『三つの徳』と言われています。
「知仁勇」を三つセットで覚えておきましょう。
速やかならんと欲することなかれ。小利を見ることなかれ。速やかならんと欲すれば則ち達せず。小利を見れば則ち大事成らず。
<訳>早く成果を上げようと思うな。目の前の小さな利益に目を奪われるな。成果を急げば達成しない。小さい利益に気を取られれば大事を成し遂げることはできない。
これは成功を焦らず、目先の利益にとらわれないことを諭した名言です。
「急がば回れ」ということわざもありますよね。
焦りは禁物なので十分注意しましょう。
ことわざの名言集は下の記事をご覧ください。
巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すく)なし仁。
<訳>口ばかり上手くて、外見を善人らしく取り繕う人には、ほとんど仁がないものだ。
これはとても有名な孔子の名言です。
人に信用してもらうためには「有言実行」するのがいいでしょう。
人の己を知らざることを患(うれ)えず、人を知らざることを患う。
<訳>自分のことをわかってもらえないと嘆くより、自分が人を理解してないことに気をかけなさい。
人間には承認欲求があるので「人から認められたい」と思うものです。
しかしそれをコントロールすることは難しいので、自己顕示欲を持たない方が良いと思います。
それよりも自分がコントロールできる部分に集中しましょう。
其の以す所を視、其の由る所を観、其の安んずる所を察すれば、人焉(ひといずく)んぞかくさんや、人焉んぞかくさんや。
<訳>その人がどう行動しているか、どこを拠り所にしているか、何に満足するか。この3点が分かればその人の本質がハッキリする。決して隠せるものではない。
これが人間の本質を見抜く3つのポイントだと孔子は言っています。
ここでしっかり押さえておきましょう!
君子は周して比せず、小人は比して周せず。
<訳>君子は幅広い人たちと親交を持って、限られた人とだけ付き合うことはない。小人は狭い範囲で付き合い、広く人と親しもうとしない。
これは色々な人と親交を持つ大切さについて語った名言です。
知り合いが増えれば見識も広がるので、自分にとってメリットばかりなのです。
利に放(よ)りて行えば、怨み多し。
<訳>自分の利益ばかり考えて行動していると、人から恨まれることが多くなる。
利己的な振る舞いをするのではなく、人の為に尽くした方が良いと思います。
それが結果的に自分へ跳ね返ってくるのです。