
世界的に有名な建築家といえば、フランク・ロイド・ライト、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエなどですが、日本にも丹下健三、安藤忠雄、隈研吾など、素晴らしい設計士がたくさんいます。
そのような有名建築家のクリエイティブ思想には、きっと学ぶべき点が多い気がしているので、今回は『有名建築家の名言集』をご紹介したいと思います。
建築士を目指す人だけでなく、クリエイティブな仕事をしている人は、ぜひご覧ください。
有名建築家の名言まとめ
キッチンは住宅の管制塔です。
<八木幸二>
八木幸二は愛知県生まれの建築家で、東京工業大学の名誉教授を務めた人物です。
キッチンはリビングやダイニングが見渡せる”部屋の中心”に据えられているケースが多いと思いますが、だからこそ”管制塔”という表現を使って、キッチンの重要性を語ったのです。
創造とは逆境の中でこそ見い出されるもの。
<ルイス・カーン>
ルイス・カーンはアメリカの建築家で、「ブルータリズムの代表者」と呼ばれる一人です。
ブルータリズム(Brutalism/またはブルータリズム建築)とは、第二次世界大戦後の1950年代、世界中で流行した建築様式。打放しコンクリートやガラス等の素材をそのまま使い、粗野な印象の建物のことを指す。
創造には”自己犠牲”を伴いますが、それを実行できる人だけが”人類を進歩”させられるのだと思います。
建築は空間に表現された時代の意思である。
<ミース・ファン・デル・ローエ>
なかなか深みのある名言ですよね。
その時代、その瞬間のニーズはきっとあるはずなので、建築には随所にそれが取り入れられています。
その様子を表現した言葉だと思います。
施主は三人いる。
クライアントと近隣の人々、そして行政である。
<林昌二>
建物は周りの雰囲気と調和しなければいけないので、近隣住民に配慮するのは当たり前ですよね。
しかし防災認定や構造評定など、”行政機関”と折衝する機会も多いので、それを冗談交じりに語ったのだと思います。
我々はF1マシンを作っているんだ。
<ヨコミゾマコト>
自動車に例えた場合、普通の乗用車ではなくて、”F1マシン”を設計している感覚みたいですね。
これは一流建築士のこだわりが感じられる名言だと思います。
文学は人を語り、建築は人間を表す。
<フランク・ロイド・ライト>
建築物は利用者(人間)を配慮する作りになっていますし、自宅であれば住む人の趣味・嗜好が反映されるはずです。
だからこそ「建築は人間を表す」と表現したのですが、それと同時にライトは大の読書好きだったので、このような名言を残したのだと思います。
設計図が綺麗なら出来上がりも美しい。
<大江宏>
建築物は、どうやら設計段階で美しさが決まってしまうみたいです。
これは建築家でなければ知らない事実ですよね。
建築の出来不出来は、設計者のエネルギー(熱意)の量と比例する。
<宮脇檀>
建築はクリエイティブなので、なんとなく”天才的な一瞬のひらめき”で設計しているように感じますが、実は機能性を考えたり、経済合理性、安全性も求められるので、優れた建築を生み出すためには時間がかかるのです。
寸法で組まずに木の癖で組め。
<西岡常一>
西岡常一は、薬師寺や法隆寺などの再建を担当した宮大工です。
人間と同じように、木にもそれぞれ個性があるので、その個性を見抜きながら組んでいかなければ、最高の木造建築はできないそうです。
建築家にとって最も大切なのは、製図板の上の消しゴムと、建設現場の1本のバールだ。
<フランク・ロイド・ライト>
消しゴムは設計図を修正する時に使って、バールは建設現場で釘を抜く時に使います。
つまり両方とも、何かを修正したり、改善する時に使う”アイテム”ということです。
いつも次より大きな状況の中でモノのデザインをしなさい。
<エリエル・サーリネン>
エリエル・サーリネンは、フィンランド出身の建築家です。
「次より大きな状況」というのは、椅子であれば部屋の中、部屋であれば家の中、という具合に考えます。
つまりデザインは『環境と調和する』ことが求められるので、単体でデザインしても仕方がないということです。
台所は作業場であるべきだ。
<室伏次郎>
先ほども台所に関する名言をご紹介しましたが、やはり建築家にとって”台所”は特別な場所みたいですね。
全く料理をしない人であれば、それを前提とした簡易的な台所を設計して、料理が好きな人であれば、様々な食材や調味料を保管できて、調理もしやすい台所にするべきだと思います。
建築家は同時に偉大な空想家でもある。
<フランク・ロイド・ライト>
数多くの独創的な建築物を生み出したフランク・ロイド・ライトの言葉なので、とても説得力がありますよね。
建築家はクリエイターなので、創造性を育みましょう!
誰もが自分の先を行った人たちからの影響を認めている。
<チャールズ・イームズ>
先人たちの知識やデザインは、必ず現在の建築家たちに受け継がれています。
そこからインスピレーションを得て、オリジナルのデザインとして落とし込むのです。
そう考えた場合、様々な知識やデザインを吸収することは、帰納法のように、創造性をさらなる高みへと導いてくれるのでしょう。
建築も釣りも、その場に身を浸けることで成果が出る。
<浦一也>
これは全てに通じる名言だと思います。
とにかく選択と集中をして、「これだっ!」と決めたものに没頭しましょう。
NEXT!
<フランク・ロイド・ライト>
これはフランク・ロイド・ライトが「これまで創った作品の中で、満足いく作品はどれですか?」と質問された時の答えです。
多くの建築家も語っていますが、「建築家は間違えを何度も繰り返す」そうなので、人間は不完全だと言えます。
そのような人類なので、「人間は一生涯完成することがない」そうです。
地球上に引っ掻き傷を残して死ね。
<伊藤ていじ>
伊藤ていじは民家研究の第一人者であり、工学院大学の学長だった人物です。
この言葉に出てくる「引っ掻き傷」というのは”功績”のことです。
墓石だけを残して死ぬのではなく、世の中に何か構造物を残すことが「建築家としての生き様だ」と語っています。
どんなに醜いと思われる家でも、人が住む限りは不思議な鼓動を失わないものである。
そして、変化しながら安定している。
<多木浩二>
人間は創意工夫するので、どんな家だったとしても、少しずつ住みやすい家に改善できますよね。
しかし、人間が住まなくなった途端、家はすぐに朽ち果てていきます。
これはとても不思議な話ですが、多木浩二も「不思議な鼓動」と表現しています。
住宅は住む機械である。
<ル・コルビジェ>
コルビジェといえば建築界の巨匠ですよね。
コルビジェは利便性を追求したクリエイターなので、このような名言を残したのだと思います。
東京で地上に何か立っているとすれば、それは紛れもなく帝国ホテルだ。
<フランク・ロイド・ライト>
フランク・ロイド・ライトが設計した”旧帝国ホテル”が竣工したのは1921年です。
その2年後に関東大震災が起こりましたが、そのニュースを聞いたフランク・ロイド・ライトは、「大地震を想定した設計になっている帝国ホテルが倒れるはずがない」と言ったのです。
確かにそれは現実のものとなり、旧帝国ホテルは無傷で建っていたのです。
地震のような”有事”にこそ、建築家の本領発揮ということですね。
建築空間の中で壁などを緑色に塗装することは避けるべきだ。
<マルセル・ブロイヤー>
マルセル・ブロイヤーは「自然と建築は対立するもの」という考えを持っているので、住宅を自然に寄せるようなことは、ある意味で「不自然である」と語ったのです。
我々の建築は鏡のように真っ正直だ。
<ルイス・サリヴァン>
ルイス・サリヴァンはアメリカを代表する建築家ですが、フランク・ロイド・ライトの師匠でもあります。
妥協を知らない気難しい性格だったようですが、なんとなくその人柄が伝わる名言ですよね。
数少ない建築家だけが、重要なものを拒絶する贅沢を持ち合わせている。
<レム・コールハース>
一般的な建築家はセオリー通りに設計していきますが、天才的なイノベーターは自ら新しいデザインや建築手法を生み出します。
そのことを”贅沢”と表現したのです。
全ては偉大な自然の営みを学ぶことから生まれる。
<アントニオ・ガウディ>
ガウディといえばスペインのサグラダ・ファミリアですよね。
あの独特なデザインは、自然からインスピレーションを得たのだと思います。
Less is More.
<ミース・ファン・デル・ローエ>
この言葉は「より少ないことは、より豊かなこと」と訳されています。
つまり”シンプルイズベスト”ということですね。
誰でも非凡な才能を持って生まれる。
だが、生きていく過程でそれをなくしてしまう。
<バックミニスター・フラー>
自由な発想を忘れてはいけません。
遊び心のあるデザインを心がけましょう!
駅前広場は日本の「広場」です。
<志水英樹>
欧米の都市には必ず広場があって、そこが観光名所になっていますよね。
その一方で、日本には広場という概念が浸透していませんが、駅前広場こそが日本にとってのコミュニティスペースになっているのです。
デザインは人間の仕草に応じて考えるものです。
<シャルロット・ペリアン>
シャルロット・ペリアンはフランスの家具デザイナーです。
ペリアンは、「人間の身体や仕草に応じた設計にすることで”デザインの最適化”が実現する」と語っています。
建築家は歴史を学びたがらない。
建築家はもっと歴史を学ぶべきだ。
<安藤邦廣>
多くの偉人が歴史から学ぶことを推奨しています。
それは名言も同じなので、歴史上の偉人からたくさん学び取りましょう!