
三国志が好きな人は多いですよね。
三国志には魅力的なキャラクターがたくさん登場するので、もちろん名言も多いのです。
そこで今回は、三国志の名言一覧をご紹介していきたいと思います。
ビジネスにも使える言葉ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
三国志の名言集一覧
為すはすなわち己なるも、有するはすなわち士なり
【現代語訳】確かにこの手柄は俺のものだが、報奨の品は兵であるお前たちがもらうべきだ。
<董卓>
この言葉は「三国志随一の悪漢」と言われている董卓(とうたく)の言葉です。
印象の悪い董卓ですが、部下に優しい一面もあるようですね。
智者は時に後れず、勇者は決を留めず
【現代語訳】知者は好機を逃さない。勇者は決断をためらわない。
<皇甫嵩>
この言葉は皇甫嵩(こうほすう)の名言です。
戦うべきタイミングを見定めながら、その好機が来るまで待つことの重要性を語っています。
そして、もしそのチャンスが来たら、勇気を持って決断するのです。
兵は義を以て動くに、疑いを持して進まざれば天下の望を失わん
【現代語訳】軍隊は正義の心持ちで動いている。いたずらに疑いを持って進軍をためらえば、天下の期待を失うだろう。
<曹操>
これは反董卓連合に加わっていた曹操(そうそう)が、動きの鈍い諸侯に発破をかけた時の言葉です。
この言葉を諸侯は聞き入れなかった為、曹操はほとんど一人で中国統一を目指すことにしたのです。
我人に負くとも、人の我に負くことなからしめん
【現代語訳】自分は背(そむ)こうとも、自分に背かせはしない。
<曹操>
「非情」と呼ばれた曹操を表している言葉ですよね。
自分一人しか信頼していない曹操の心理が理解できる名言だと思います。
治世の能臣、乱世の姦雄なり
【現代語訳】世の中が平和な時は有能な臣下だが、乱世になったら最恐の帝王となって治めるだろう。
<許子将>
これは曹操から「私はどんな人物でしょうか?」と質問された時、許子将(きょししょう)が答えた名言です。
姦雄とは「悪党」を意味する言葉ですが、もっと大きな悪の中の悪である大ボスを意味する言葉なのです。
三国志の時代では、善だろうが悪だろうが、とにかく男性は出世することを目指したので、この言葉は曹操にとって最高の褒め言葉になったのです。
徒に先の者の易きを見て、いまだ当今の難を観ず
【現代語訳】前例の楽な部分ばかりを見て、今現在の困難を直視していない
<曹操>
三国志の時代は、武力だけでなく情報戦も行われていました。
しかし入ってくる情報は限られていたので、その情報の信憑性を精査しなければいけません。
人間はどうしても自分にとって都合の良い部分ばかりを抜粋してしまいがちですが、知者として知られていた曹操は、冷静に物事を判断していたのです。
兵を多くし、意盛んにして、強敵と争うは、禍の始めなり
【現代語訳】兵士を多くすると意気盛んとなり、強敵と戦うようになるので、却って災いの原因となる。
<曹操>
下手に兵力が多くなってしまうと、自分のことを過信し始めるので、それが災いの原因となってしまうのです。
これは全てに言えることだと思いますが、まずは確実に周囲を固めることから始めていきましょう。
姿貌威容あるも、よく節を折りて士に下り、士これに多く附く
【現代語訳】容姿は威厳に満ち溢れていたが、よく礼節を重んじて驕らなかったので、多くの兵士が集まった。
<袁紹>
袁紹(えんしょう)は、地方の豪族出身なので名家で育った人物です。
身のこなしや服装などもきちんとしていて、もちろん教養もあったそうです。
しかしそれに驕ることなく、礼を重んじたために、同士がたくさん集まったと言っています。
この名言は、リーダーを目指す人が知っておくべき格言だと思います。
誠にその才あれば、弱いと雖も必ず強し
【現代語訳】本当の才能を持っている者は、たとえ今は弱くとも必ず強くなっていくものだ。
<荀彧>
荀彧(じゅんいく)は袁紹に仕えていた参謀ですが、「袁紹は大事を成し遂げる器ではない」と見限って、曹操の下についた優秀な参謀です。
人間は成長していく生き物なので、今弱いからと言って侮ってはいけません。
ビジネスの現場でも同じことが言えます。
今日現在、新入社員だったとしても、10年後には社長になっている人もいるのです。
同年同月同日に産まれしことを求めず、ただ同年同月同日に死せんことを願う。
【現代語訳】たとえ生まれた日にちは違っていても、死ぬときは一緒に死にたい。
<劉備、関羽、張飛>
これは三国志演義の中に出てくる3人の名言です。
もちろん「演義」の出来事なのでフィクションなのですが、3人の関係性をよく表していると思います。
天の与うるを取らざれば、悔ゆとも追うべからず
【現代語訳】せっかく天がくれたものを受け取らないと、あとで後悔しても間に合わない。
<孔融>
この言葉は、孔融(こうゆう)が劉備に送った名言です。
せっかくのチャンスを袁術に譲ろうとする劉備に対して、孔融はこの言葉で説得したのです。
その肉を飽かしむべし。飽かざれば人を噛まんとす
【現代語訳】虎を飼うなら、腹一杯の肉を与えるべきである。さもなければ人に牙をむくだろう。
<陳登>
この名言に出てくる「虎」とは呂布(りょふ)のことです。
呂布は自分が仕えた主人を二人も殺した百戦錬磨の猛将です。
有能な人材を手に入れたいなら、それ相応の待遇が必要なのです。
方今は英雄を収るの時なり。一人を殺して天下の心を失うは不可なり。
【現代語訳】今は英雄を受け入れなければならない時だ。その英雄一人を殺して天下の人心を失ってはならない。
<曹操>
この言葉は、臣下から劉備の暗殺を進言された時に、曹操が答えた名言です。
冷血なだけでなく、知恵の働く人物だったことが伺えます。
兵多けれども分画明らかならず。将驕りて政令一ならず
【現代語訳】兵士の数は多いけれど、組織がしっかりしていない。将軍たちは威張り散らして自分勝手な命令を出している。
<曹操>
この言葉は、曹操が袁紹軍を分析した時の名言です。
外見は圧倒的な袁紹軍だったとしても、中身が伴っていなければ勝てると曹操は判断したのです。
権変の時は、もとより一道のよく定むるところに非ざるなり
【現代語訳】世の中が変化していく時代には、固定した一つのやり方では対応できない。
<龐統>
この言葉は、劉備の参謀である龐統(ほうとう)の名言です。
ビジネスも同じですが、環境の変化に応じて自分も変化しなければ、いづれ衰退してしまうのです。
われ卿を得て諧うなり
【現代語訳】君が来てくれたので、万事うまくいく
<孫策>
孫策と周瑜(しゅうゆ)は、呉の建国を語る上で欠かすことができない二人ですよね。
幼馴染だった周瑜への信頼度が表現された名言だと思います。
笑語を好くし、性格は闊達聴受、人を用うるに善し
【現代語訳】冗談が好きで、こだわりなく他人の意見を聞き入れ、人を扱うのがうまい
<陳寿>
この言葉は、三国志の編集者である陳寿(ちんじゅ)が、呉の孫策の人柄について語った名言です。
リーダーとなる人物には、人に好かれる性格と飾らない率直さが必要なのでしょう。
孫策はこのような人物だったため、部下はみんな誠心誠意、命を懸けて付き従ったと言われています。
去らしむべからず
【現代語訳】才能のあるものを他所へ行かせてはならない
<周瑜>
この言葉は呉の名参謀と言われた周瑜が、孫権に伝えた名言です。
優秀な人物を手放した場合、もしかするとライバル企業へ行ってしまうかもしれません。
それは自分の手で自分の首をしめるようなものなので、絶対に避けなければいけません。
早く大計を定め、衆人の議を用いることなかれ
【現代語訳】一刻も早く決断をし、衆議の意見を聞き入れてはなりません。
<魯粛>
孫権が赤壁の戦いへ踏み切る為の勇気を与えてくれたのが、この魯粛(ろしゅく)の名言です。
リーダーは孤独なので、全ての責任を自分一人で背負って、自ら意思決定しなければいけません。
それが出来ない人はリーダーになれないのです。
人生まるれば死あり。修短は命なり。
【現代語訳】人は生まれればいつかは死ぬもの。短い生涯を終えるのも天命です。
<周瑜>
これは36歳という若さで亡くなった周瑜の遺書に記されていた名言です。
いつ死ぬか分からないので、今現在を精一杯生きましょう。
誡むるは面従にあり
【現代語訳】最も警戒すべきことは、表面だけの服従である。
<曹操>
表面上は良い顔をしていたとしても、それは決して本心ではありません。
腹の中では背いている状態かもしれないので、十分注意しましょう。
大事を済すには必ず人を以って意図をもって本と為す
【現代語訳】偉業を成し遂げるためには、何よりも人が基本である。
<劉備>
劉備(りゅうび)は若い頃から武芸が達者で、コミュニケーション力も高く、仁義にも厚かったと言われています。
そのような人柄なので、たくさんの優秀な人材が劉備の周りには集まってきたのです。
強弩の末、勢い魯縞をも穿つあたわず
【現代語訳】強い弓から放たれた矢も、勢いを失えば絹をも通さぬ
<諸葛亮>
これは、長い遠征を敢行する曹操軍の疲弊ぶりを比喩した諸葛亮の言葉です。
物事は短期集中でこなした方が成果も出しやすいのです。
これ大事なり。倉卒にすべからず。
【現代語訳】重要なことは慌ただしくやってはいけない。
<劉備>
重要な部分を失敗すると、全てが水の泡になってしまいます。
最後まで慎重にやり抜きましょう。
人の国を伐ちて、以て歓を為すは、仁者の兵にあらざるなり
【現代語訳】他国を攻めて喜ぶのは、仁者の戦ではない。
<龐統>
これは、戦に勝って浮かれている劉備に対して、龐統(ほうとう)が言った名言です。
この頃から「戦わずして勝つ」という兵法の考え方はあったので、「戦って勝つのは二流だ」と言いたかったのでしょう。
他人の商度、人の意の如きは少なし
【現代語訳】他人の意見ほど、いい加減なものはない。
<曹操>
他人の意見を信じて兵を進めた曹操は、失敗を悟りました。
やはり自分の目で見て、自分で経験して、自分の耳で聞いたことが一番信頼できるのです。
四目両口あるに非ず、ただ智多きのみ
【現代語訳】目を四つ、口を二つ持っているわけではない。ただ知恵が多いだけだ。
<曹操>
これは自分のことを評価した曹操の言葉です。
知恵とは、経験が伴った知識のことです。
それが多い人ほど成功できる確率が高まっていくのです。
法を制して自らこれを犯せば、何を以て下をひきいん
【現代語訳】法律を定めて自分がこれを破ったのでは、下の者が付き従うはずがない。
<曹操>
リーダーは組織をまとめるためにルールを決めるはずです。
しかしそのルールを自分が破った場合、なんとなくあやふやにする人は多いと思います。
それでは部下がついてこないので、お互いを律するためにも、きちんと処罰することが重要だと思います。
敵の我を犯さざるを恃まず
【現代語訳】敵軍が自国に侵入してこないことを期待しない
<沈行>
敵軍が自国に侵入してこないのを期待するより、敵軍の侵入を阻止できるような防衛体制を作ることが先決です。
神頼みするのでなく、目の前のできることから始めていきましょう。
進むは易く、退くは難し
【現代語訳】進むのは簡単だが、退くのは難しい。
<黄権>
これは黄権(こうけん)が劉備に進言した名言です。
何でも同じですか、始めるのは簡単でも、辞めるタイミングは難しいのです。
悪、小なるを以てこれを為すなかれ。善、小なるを以てこれを為さざるなかれ。
【現代語訳】悪いことはどんなに小さなことでもやるな。逆に良いことはどんなに小さなことでもするべきだ。
<劉備>
これは劉備が息子である劉禅に残した名言です。
親心が感じられる良い言葉ですよね。
この病、兵少なきに在らず、一人に在るのみ
【現代語訳】戦い敗れた原因は兵隊の数の不足にあるのではなく、指揮官にある。
<諸葛亮>
「泣いて馬謖(ばしょく)を斬る」という言葉は有名ですよね。
馬謖の失敗により、戦に敗れた諸葛亮はこの名言を残しました。
戦に敗れた原因は、馬謖が諸葛亮の指示に背いて行動した結果なのですが、指揮官としての責任を自覚していたのです。
まとめ
ここまで三国志の名言集をご紹介してきました。
ビジネスに使える言葉も多いので、きっと参考になったと思います。
曹操や劉備、諸葛孔明の言葉を、ぜひ座右の銘にしてください。