天の与うるを取らざれば、悔ゆとも追うべからず
【現代語訳】せっかく天がくれたものを受け取らないと、あとで後悔しても間に合わない。
<孔融>
この言葉は、孔融(こうゆう)が劉備に送った名言です。
せっかくのチャンスを袁術に譲ろうとする劉備に対して、孔融はこの言葉で説得したのです。
その肉を飽かしむべし。飽かざれば人を噛まんとす
【現代語訳】虎を飼うなら、腹一杯の肉を与えるべきである。さもなければ人に牙をむくだろう。
<陳登>
この名言に出てくる「虎」とは呂布(りょふ)のことです。
呂布は自分が仕えた主人を二人も殺した百戦錬磨の猛将です。
有能な人材を手に入れたいなら、それ相応の待遇が必要なのです。
方今は英雄を収るの時なり。一人を殺して天下の心を失うは不可なり。
【現代語訳】今は英雄を受け入れなければならない時だ。その英雄一人を殺して天下の人心を失ってはならない。
<曹操>
この言葉は、臣下から劉備の暗殺を進言された時に、曹操が答えた名言です。
冷血なだけでなく、知恵の働く人物だったことが伺えます。
兵多けれども分画明らかならず。将驕りて政令一ならず
【現代語訳】兵士の数は多いけれど、組織がしっかりしていない。将軍たちは威張り散らして自分勝手な命令を出している。
<曹操>
この言葉は、曹操が袁紹軍を分析した時の名言です。
外見は圧倒的な袁紹軍だったとしても、中身が伴っていなければ勝てると曹操は判断したのです。
権変の時は、もとより一道のよく定むるところに非ざるなり
【現代語訳】世の中が変化していく時代には、固定した一つのやり方では対応できない。
<龐統>
この言葉は、劉備の参謀である龐統(ほうとう)の名言です。
ビジネスも同じですが、環境の変化に応じて自分も変化しなければ、いづれ衰退してしまうのです。
われ卿を得て諧うなり
【現代語訳】君が来てくれたので、万事うまくいく
<孫策>
孫策と周瑜(しゅうゆ)は、呉の建国を語る上で欠かすことができない二人ですよね。
幼馴染だった周瑜への信頼度が表現された名言だと思います。
笑語を好くし、性格は闊達聴受、人を用うるに善し
【現代語訳】冗談が好きで、こだわりなく他人の意見を聞き入れ、人を扱うのがうまい
<陳寿>
この言葉は、三国志の編集者である陳寿(ちんじゅ)が、呉の孫策の人柄について語った名言です。
リーダーとなる人物には、人に好かれる性格と飾らない率直さが必要なのでしょう。
孫策はこのような人物だったため、部下はみんな誠心誠意、命を懸けて付き従ったと言われています。
去らしむべからず
【現代語訳】才能のあるものを他所へ行かせてはならない
<周瑜>
この言葉は呉の名参謀と言われた周瑜が、孫権に伝えた名言です。
優秀な人物を手放した場合、もしかするとライバル企業へ行ってしまうかもしれません。
それは自分の手で自分の首をしめるようなものなので、絶対に避けなければいけません。
早く大計を定め、衆人の議を用いることなかれ
【現代語訳】一刻も早く決断をし、衆議の意見を聞き入れてはなりません。
<魯粛>
孫権が赤壁の戦いへ踏み切る為の勇気を与えてくれたのが、この魯粛(ろしゅく)の名言です。
リーダーは孤独なので、全ての責任を自分一人で背負って、自ら意思決定しなければいけません。
それが出来ない人はリーダーになれないのです。
人生まるれば死あり。修短は命なり。
【現代語訳】人は生まれればいつかは死ぬもの。短い生涯を終えるのも天命です。
<周瑜>
これは36歳という若さで亡くなった周瑜の遺書に記されていた名言です。
いつ死ぬか分からないので、今現在を精一杯生きましょう。