
島耕作といえば、1983年に連載スタートした、弘兼 憲史(ひろかね けんし)による大ヒット漫画ですよね。
「課長 島耕作」を皮切りに、サラリーマンとして奮闘する島耕作の生き様を描いた作品です。
リアルなビジネスの現場を題材にしているので、会社員から多くの共感を得て、もはやサラリーマンのバイブルなどと言われています。
そんな島耕作ですが、平社員として入社した初芝電器産業株式会社の代表取締役に上り詰めるサクセスストーリーなので、その過程で登場キャラクターたちが多くの名言を残しているのです。
そこで今回は、島耕作の名言集をまとめてみました。
ビジネスパーソンやサラリーマンにとって「座右の銘」が見つかるかもしれないので、ぜひ最後までご覧ください。
島耕作とは?
作者である弘兼憲史は、早稲田大学法学部を卒業して松下電器産業(現・パナソニック)に入社しています。
そこで配属されたのが「本社営業本部販売助成部」だったので、おそらく島耕作のキャラクター設定は作者本人であると推測されます。
島耕作はとにかく魅力的なキャラクターなので、私も大ファンなのですが、まだ読んだことない人はぜひ一度読んでみてください。

島耕作の経歴
1970年 早稲田大学法学部を卒業して、初芝電器産業株式会社に入社、本社営業本部販売助成部屋外広告課に配属
1976年 本社営業本部販売助成部屋外広告課主任に昇進
1980年 本社営業本部販売助成部屋外広告課係長に昇進
1983年 本社営業本部販売助成部屋外広告課課長に昇進
1985年 ハツシバアメリカニューヨーク支店宣伝部に転属
1986年 本社営業本部販売助成部屋外広告課課長に復帰
1987年 初芝電器産業電熱器事業部営業部宣伝助成課課長に転任
1988年 本社営業本部販売助成部ショールーム課課長に転任
1990年 フィリピン・ハツシバマーケティングアドバイザーに転入
1992年 本社営業本部総合宣伝部部長に昇進
1999年 初芝電器貿易株式会社代表取締役専務に出向
2001年 福岡ハツシバ販売センター代表取締役社長に昇進
2002年 初芝本社取締役 九州地区販売担当役員に昇進
2005年 本社常務取締役 中国担当役員に昇進
2006年 本社専務取締役に昇進
2008年 初芝五洋ホールディングス株式会社代表取締役社長に就任
2010年 社名をテコットに変更
2013年 テコット代表取締役会長に就任
島耕作の名言集まとめ
人を憎んだり恨んだりすることはマイナスのエネルギーだ。
そんなことで消耗するのはやめよう。
<島耕作~取締役 島耕作より>
憎しみは何も生み出しません。
そのくせに、大きなパワーを消費するので、非合理の極みと言えます。
そんな無駄なことに神経を使うのはやめましょう。
対立の思想からは不信感しか生まれません。
<島耕作~課長 島耕作より>
仕事で何か交渉する場合、相手を言い負かそうとすれば、それは対立関係を生み出します。
そうではなく「対話すること」を心掛ければ、お互い話が進展していくはずです。
サラリーマンの世界ではその不器用とも言える誠実さは決して武器にはならないぞ。
もう少し寝技を覚えろ。
<宇佐美欣三~課長 島耕作より>
これは島耕作が元上司から言われた言葉です。
サラリーマンというものは、上司が「カラスは白い」と言えば、「その通りです」と言わなければいけない場面もあるのです。
ただ自分の正義を貫けば出世できるというものではないのです。
物事は曖昧なままで放置しておいた方が良い場合もあると思うんですよ。
<孫鋭~常務 島耕作より>
ビジネスにおいては、何でもクリアにしていけば良いというものではありません。
中には曖昧にしておいた方が良いケースもあるのです。
その見極めは難しいですが、慣れてくれば分かるはずです。
好き嫌いはあっても、そこは飲み込んで大人の付き合いをしましょうよ。
<中山邦男~会長 島耕作より>
プライベートであれば、「あの人は好きじゃない」ということで距離を置いてもOKですが、ビジネスではそう簡単にいきません。
ビジネスの目的は「稼ぐこと」なので、その関係性がある限り、ある程度我慢して付き合う必要があるのです。
何事にも摩擦を起こさないように。
<丸山~課長 島耕作より>
島耕作の同期であった丸山の名言です。
会社員は出世することを目標にするかもしれませんが、大手企業の場合には、会社内で無難に生き残るというやり方もあるはずです。
その場合には丸山が言うように、とにかく摩擦を起こさず、減点をされず、過ごすのが一番なのです。
いろんな苦情を聞いても、決して否定的には捉えないようにしようと思う。
<島耕作~取締役 島耕作より>
これはとても共感できる名言です。
ある一方向からの意見だけを鵜呑みにすると、手痛いしっぺ返しを食らうハメになります。
まずは「そんな意見もあるのか…」くらいに軽く捉えて、情報の正確性を精査した方が良いと思います。
綺麗事では務まらない。
販売の第一線で働くには、今までの自分の人格を変えなければならない。
<島耕作~部長 島耕作より>
これは全ての営業職が共感するような名言だと思います。
セールス職というのは、無理をしてでも売り込まなければいけない局面がきっとあるはずです。
清廉潔白、綺麗なストーリーだけでトップセールスを目指せる人などいないのです。
裏では泥水をすすりながら、地べたを這いつくばって、努力しているのです。
売上に貢献する実績を作りたいと思っています。
それがあれば仕事がやりやすいですから。
<島耕作~部長 島耕作より>
仕事において周りを納得させる一番良い方法は、実績を作ることだと思います。
あれこれ知識を披露しても、実績がなければ信用されないので、周りがついてこないのです。
どんな小さなツテでも、持っておくと後で必ず役に立ちますから。
<大場久~社長 島耕作より>
ビジネスでは人脈が多いほど有利になります。
たとえ今は係長でも、10年後にはその人が社長になっているケースもあるのです。
今現在の役職や肩書きだけで人を判断せず、とりあえず無難に繋がっておきましょう。
こちらに理不尽なところは何もない。
だから下手に出ては絶対にダメだ。
<島耕作~社長 島耕作より>
相手と交渉する場合、下手に出るとそこに付け込まれてしまいます。
こちらの要求が理不尽でなければ、相手の出方を見ることも大切だと思います。
俺はタイミングと運が良かっただけだ。
<島耕作~専務 島耕作より>
「運がいい」という言葉がありますが、それは謙遜の言葉だと思います。
実際にはきちんとした努力があるから、それに実績が伴うのです。
しかしそれを自慢するとカドが立つので、「私は運が良かった」という表現を使っているのです。
もともと現実は理屈どおりには運ばないものだ。
理不尽でもそれが現実なら受け入れるべきだろう。
<島耕作~取締役 島耕作より>
サラリーマン生活をしていると実感しますが、とにかく理不尽の連続だと思います。
それに我慢できず辞めてしまう人は多いようですが、そもそも会社員は理不尽のはざまで生きているのです。
サラリーマンなんてのは、いくら実力があっても上に行けない人もたくさんいるし、その逆もいる。
<島耕作~専務 島耕作より>
会社組織はピラミッド型なので、ポジションは限られています。
それを奪い合う席取りゲームなので、必ず勝者と敗者に分かれていくのです。
力を抜いて、あまり深刻にならず、気楽に仕事をこなしてゆけ。
<島耕作~部長 島耕作より>
真面目すぎる人ほどうつ病になりやすいと聞きます。
常に100%の力を出し続けるのは疲れるので、ある程度息抜きしながら働いた方が良いと思います。
俺は出向が冷や飯だとは思っていないさ。
<島耕作~部長 島耕作より>
島耕作が勤める初芝電器産業は大企業なので、グローバル展開していて、とにかく出向が多いです。
これはあくまで一般論ですが、大企業における出向は左遷を意味するので、マイナスに捉えられがちです。
しかしそのような境遇をポジティブに捉えて、自分のスキルアップにつなげてしまうのが島耕作なのです。
何かの幸せをつかむ人間は、同時に何かの幸せを失っていく。
それが人生だ。
<荒木~部長 島耕作より>
これは何か偉業を成し遂げたい場合の話ですが、複数の幸せを追いかけることなど絶対にできません。
必ず何かを犠牲にしなければいけないのです。
その現実から逃げることはできないので、野心がある人は心得ておきましょう。
世の中うまくいかないもんでね。
出世と家庭はまず両立しませんよ…
どちらか一方を得れば、必ずもう一方を失う…
サラリーマンの宿命みたいなもんですな。
<平井~課長 島耕作より>
これは非常に残酷ですが現実だと思います。
「ワークライフバランス」という言葉もありますが、それは理想論で、現実はそんなに甘くありません。
なぜかと言うと、世の中は資本主義であり、相対的だからです。
たとえ自分がワークライフバランスを重視していたとしても、ライバル(同期や競合他社)がそれを無視するなら負けてしまいますよね。
なので、悠長に構えていることなどできないのです。
大きな力に自分を委ねることが大人だとは思わん。
<島耕作~課長 島耕作より>
「長い物には巻かれろ」ということわざがありますよね。
まさにサラリーマン人生を表すようなことわざですが、そればかりをしていると、いざという時に梯子を外されかねません。
きちんと自分の意見を持ちつつ、柔軟に対応する必要があるのです。
俺はどこの派閥にも属さないぞ!
そんな際どい勝負に出るにはまだ人生が長すぎる。
<島耕作~課長 島耕作より>
大企業には派閥というものがあります。
そしてサラリーマンは、この派閥争いに巻き込まれていく宿命にあるのです。
しかし、その派閥争いに負けた場合、出世街道から外れていくことになります。
なので、どの派閥に属するかは、その後のサラリーマン人生を決める重要な選択になるのです。
責任を取って辞めるというのは、逆に責任逃れにもなる。
<島耕作~部長 島耕作より>
何か仕事で失敗した場合、「責任を取って辞める」という言葉を聞いたことありますよね。
しかしそれを島耕作は一刀両断します。
責任の取り方はその人のイメージに直結するので、悪い印象を残さない方が良いのです。
私のモチベーションは対立から来る緊張感で養われるんです。
<石山慎次郎~社長 島耕作より>
資本主義という競争社会においては、ライバルが非常に重要な意味を持ってきます。
ライバルが強力であればあるほど、自分も努力しなければいけないので、お互い切磋琢磨して良いプロダクト開発につながっていくのです。
それが結果的に、社会にとっても一番良い方向になっていくのです。
失敗した時の事を考えていたら、何も前には進まないでしょう。
<島耕作~部長 島耕作より>
人間は賢い生き物なので、どうしてもリスクを考えがちです。
しかしそれを考えれば考えるほど、怖くなってきて、結果的に行動できなくなってしまうのです。
それでは何も進展しないので、ある程度気楽に考えた方が良いと思います。
無責任のようだけど、やるだけやってみようじゃないか。
手をこまねいているより、まず実行だ。
<島耕作~課長 島耕作より>
新規事業を立ち上げる場合、そこに確実性などありません。
むしろ不確実性しかないのです。
ある程度準備したら、後はとりあえずやってみて、何度も失敗を繰り返すことが重要なのです。
それを繰り返していくうちに、自然と確実性が上がっていくからです。
機を逃すことが一番やってはならないことです。
<島耕作~社長 島耕作より>
ビジネスにおいて、的確にチャンスを捉えることは何よりも重要なことです。
タイミングは早すぎても遅すぎても駄目です。
少し早いのがベストのタイミングです。
それを逃さないように入念な準備をしておきましょう。
ジャングルの中に道を切り開いていく役は誰もやりたくない。
できれば誰かが作った道の上を楽々と進みたいからな!
<島耕作~課長 島耕作より>
これまで世の中にない文化・商習慣を作るのは大変なことです。
誰もがそんなことやりたくないと思っていますが、誰もそれをやらなければ人類は進化できないのです。
勝てない市場では勝負をしないというのも一つの見識かもしれません。
でも、それでいいんでしょうか?
<菅原邦男~専務 島耕作より>
「勝てない」という状況は、戦い方を間違えているだけなのかもしれません。
別のやり方で戦ってみれば、意外と勝機はあるものなのです。
不思議なものでな…
ひとつ位が上がっただけで、周りの景色がガラッと変わってしまった。
<中沢喜一~課長 島耕作より>
この言葉は、島耕作が尊敬する中沢部長が取締役に昇進した時の名言です。
役職が変われば、付き合う人も変化するので、考え方も変わるということです。
もし現状に不満があれば「付き合う相手を変える」という選択も良いかもしれません。
「この人と一緒なら」と思える上にくっついて運命を共にするんだな。
<中沢喜一~課長 島耕作より>
これは島耕作が尊敬する上司「中沢喜一」から貰った名言です。
社内も社外も同じですが、誰と組むかは非常に重要なポイントです。
その相手次第でビジネスは失敗する可能性もあり、大成功する可能性もあるのです。
そこには大きな需要があるんだ。
だから撤退するわけにはいかない。
<島耕作~取締役 島耕作より>
ビジネスは需要と供給で成り立っています。
需要が無ければ供給は生まれませんが、需要がなくても供給することはできます。
でも、それでは儲かりませんよね。
つまり、最も重要なのは需要(ニーズ)なのです。
自己を管理できない人間が、他人を管理できるわけがない。
<島耕作~課長 島耕作より>
これはとても当たり前のことですよね。
自分のことすら管理できない人が、他人のことを管理できるはずがありません。
人の印象って結局は”見た目”なんですよね。
<江本園子~社長 島耕作より>
「人は見た目が9割」という言葉があります。
これはメラビアンの法則を要約した言葉なので、きちんとした根拠に基づいています。
詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
ハングリー精神に勝つものはないということだな。
<万亀健太郎~取締役 島耕作より>
ハングリー精神がなければ、人間は頑張ることができません。
絶対に向上心だけはなくさないようにしましょう。
何事も手間暇かけなければ良いものは出来ないということか。
<島耕作~社長 島耕作より>
この言葉は、注文した鰻が30分後に出てきた時の名言です。
ちゃんとしたうなぎ屋さんは、注文を受けてから割いて焼くので、提供するまで最低30分はかかってしまうのです。
予備交渉段階では、裏で話を進めるのがビジネスの基本だ。
<樫村建三~課長 島耕作より>
ビジネスを成功させるためには、本筋だけでなく裏ルートを何本も用意しておかなければいけません。
それはつまり代替案ということです。
最低でもそれを3本以上は用意しておきましょう。
自分たちが一生懸命作ってる製品を愛せなくてどうするんですか?
自分たちが所属する会社を愛せなくてどうするんですか?
<島耕作~常務 島耕作より>
自分の会社に誇りを持っているでしょうか?
「会社に行くのが嫌だな…」と思っていないでしょうか?
自分が惚れ込んだものに人間は熱中できるのです。
新しい力が生まれようとするときは、必ずそれを叩こうとする反対勢力がある。
<木野穣~課長 島耕作より>
イノベーションには創造と破壊が含まれています。
つまり旧態以前の文化や仕組みを破壊するので、それによって不利益を被る人たちが出てきてしまいます。
するとそのような人たちが反対勢力になり、抵抗を始めるのです。
トップに立つ人間には広い視野が必要だ。
他の業界も見てきた方がいいぞ。
<島耕作~部長 島耕作より>
一つの会社で勤め上げたり、同じ業界の中で転職している場合、どうしても視野が狭くなってしまいます。
それだとイノベーションも起きづらいので、色々な業種業界の人と異業種交流した方が良いと思います。
後継者を育てるのもトップとしての大きな仕事ですからね。
<島耕作~社長 島耕作より>
たとえ自分は引退する気がなくても、不慮の事故にあったり、病気で倒れてしまうケースもあるはずです。
そんな時に備えて、リーダーは常に後継者育成を意識しておくべきだと思います。

まとめ
ここまでサラリーマンの星「島耕作」の名言集をご紹介してきました。
とても魅力的な名言ばかりだったので、きっと座右の銘にしたい言葉が見つかったと思います。
その言葉を胸に、明日からの仕事も頑張りましょう!