会話ネタの仕入れ方
新人営業マンなど、まだ営業現場に慣れていない人は、お客様との会話ネタに困ると思います。
なので、ここではお客様との会話に役立つ雑談ネタについて解説したいと思います。
雑談ネタは、一般知識から得られる話ばかりではありません。
例えば有名な雑談ネタには「0.1mmの新聞紙をたった25回折りたたむだけで富士山の高さになる」という話がありますが、このような会話ネタを営業パーソンが仕込む必要はないのです。
お客様との会話ネタは、相手のホームページ上にたくさん転がっています。
例えば、扱っている製品サービスについて、働いている社員について、社歴についてなど、ホームページやインタビュー記事からたくさんの情報を仕入れることができるはずです。
アイスブレイクでは、それぐらいの情報量があれば十分だと思います。
下手に市販されている「雑談本」に手を出して、意味のない雑学を曝け出すよりは全然マシですよね。
確かに「0.1mmの新聞紙をたった25回折りたたむだけで富士山の高さになる」という雑学は驚きの事実ですが、それを言われたところでお客様は困惑してしまいます。
そのような雑学は合コンや飲み会で披露するべき知識なので、ビジネストークとしてはあまりふさわしくありません。

営業マンが雑談する目的とは?
ここまで営業現場での会話や雑談について解説してきましたが、そもそもなぜお客様と雑談をしなければいけないのでしょうか?
それには大きく二つの理由があります。
- アイスブレイクするため
- 受注しやすくするため
一つ目は「アイスブレイクするため」です。
アイスブレイクとは、お互いの緊張感を和ませる商談時の会話を言います。
「代表的な営業トークのつかみ」ともいえるアイスブレイクなので、多くの営業パーソンが既に実践しているはずです。
相手が初対面だった場合、商談はピリピリした雰囲気で始まりますが、それを和ませる役目がアイスブレイクなのです。
なので、固まっている氷が、まるで溶けていくようなニュアンスが込められています。
二つ目は「受注しやすくする」ためです。
これはアイスブレイクとも繋がっていきますが、商談を和ませることによって受注する確率が上がっていくのです。
商談の場が和むということは、相手のことを信頼することと同義です。
何か物を購入する場合、相手のことを信頼できないと、なかなか購買には至りませんよね。
よって、商談で話す雑談とは、ただの世間話ではなく、きちんとした目的があるということなのです。
ということは、「ゴールが定まっている」ということになります。
これは非常に重要なポイントなので、もう少し深掘りしていきたいと思います。
受注することを目的にする
営業活動の目的とは一体何でしょうか?
もちろんお客様と仲良くなったり、次の商談の約束を取り付けることではありません。
営業活動の目的とは「受注する」ことなのです。
そう考えた場合、商談時の雑談や会話は、全て受注に繋がっていかなければいけません。
例えば、先程ご紹介した有名な雑談ネタ「0.1mmの新聞紙をたった25回折りたたむだけで富士山の高さになる」という話がありますが、このようなネタを商談時に話すと受注に繋がりやすくなるでしょうか?
もちろん「新聞紙の話が気に入ったので契約しよう!」というお客様も1,000人に1人ぐらいはいるかもしれませんが、基本的にはそんなことありませんよね。
それでは下記の質問ではどうでしょうか?
- どんなビジネスをしているんですか?
- どんな企業とお取引きがあるんですか?
- 今年の新卒社員は何人ぐらい採用するんですか?
- 在宅ワークの割合は何割ぐらいですか?
こちらも先程ご紹介した質問例ですが、なんとなくビジネスに繋がりそうな雰囲気がしませんか?
「どんなビジネスをしているんですか?」は、その企業の業務内容を聞いて、提案できそうなソリューションを探る。
「どんな企業とお取引きがあるんですか?」は、取引先を聞くことで、どのような課題がありそうなのかを想像する。
「今年の新卒社員は何人ぐらい採用するんですか?」は事業の成長度合いを予測して、どれぐらいのロットで提案すれば良いのかを想像する。
「在宅ワークの割合は何割ぐらいですか?」は、オフィスの利用頻度やテレワーク人数を知ることで、ソリューションの可能性を探る。
このように一見ただの雑談に見えますが、実はその裏側には「ヒヤリング」という意味が隠れているのです。
商談は暇つぶしではないので、「どうすれば受注できるのか?」を探る場所です。
そのために必要な営業トークがアイスブレイクなどのつかみであり、その後の雑談(コミュニケーション)なのです。
まとめ
営業現場での会話や雑談はあまり意識していない人が多いと思いますが、その役割や目的を意識するだけで、受注率は大きく変わるはずです。
お客様と仲良くなることも大切ですが、いくら仲良くなっても売上に繋がらなければ意味がありません。
適当な世間話をダラダラとするのではなく、お互い意味のある有意義な商談にしましょう。
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