営業代行を利用するべき業種・業態
営業代行を利用することが多い業種には一定の共通点が見られます。
その共通点とは、主に『法人営業』をしている業種・業態です。
実は「個人宅向け」の営業代行サービスを提供している企業は少なく、ほとんどの営業代行会社は「法人向け」だけに特化しているのです。
なぜかと言うと、個人顧客は”感情的”なので、「営業のプロ」と言われている営業代行会社でも手に余るからです。
個人顧客はその時の気分で「買うよ!」と言ったり、次の日には「やっぱりやめた」と言うので、とても扱いづらいのです。
それに比べて、法人顧客はきちんと社内検討して、会社の稟議を通過すれば、基本的にキャンセルということは起こり得ません。
このようにわかりやすいことが法人顧客の特徴と言えるので、法人営業をしているのであれば営業代行サービスの活用は”検討のテーブル”にのるでしょう。
営業代行の報酬形態
営業代行サービスを依頼する場合、やっぱり気になるのは料金ですよね。
営業代行の報酬は、大きく分けて「固定報酬」と「成果報酬」が存在しています。
厳密に言うと、以下の3種類になると思います。
- 固定報酬
- 成果報酬
- 固定報酬+成果報酬
固定報酬というのは、月額固定制の報酬制度を指します。
おおよその目安としては、1ヶ月フル稼働して一人当たり月額100万円前後が一般的だと思います。
なので、営業代行会社から営業マンを5人アサインしてもらえば、月額500万円ということになります。
なんとなく高いように感じるかもしれませんが、自分たちで正社員を5人採用した場合でも、月額250万円程度の人件費が発生すると思います。
その2倍の金額ではありますが、営業代行会社は業務委託契約なので、必要がなくなったらすぐに切ることができますよね。
しかし月額250万円発生している正社員は、必要がなくなったとしても解雇することが難しいはずです。
このような『使い勝手の良さ(=スポットでのアウトソーシング)』が営業代行サービスの特徴なのだと思います。
成果報酬の内容とは?
固定報酬はシンプルなので分かりやすいですが、成果報酬は馴染みのない人が多いかもしれません。
成果報酬の設定ポイントは、大きく分けて2種類となります。
- 商談成立
- 受注(成約、申し込み)
このどちらかを成果とするケースが多いので、まずはその辺りを押さえておきましょう。
まず商談成立についてですが、これは「アポイント報酬」とも呼ばれており、アポイントを難易度によって金額にバラツキが出てきます。
- 難易度低⇒商談成立一件につき1万円~3万円
- 難易度中⇒商談成立一件につき5万円~8万円
- 難易度高⇒商談成立一件につき10万円~15万円
このような相場感はありますが、「年商100億円以上、大手自動車製造メーカーの人事役員」というような、かなり絞ったアプローチ対象だった場合は『商談成立一件につき30万円~40万円』というケースもあります。
そして”受注”を成果ポイントとして設定する場合は、定義があいまいになるので注意が必要です。
一言で「受注」とまとめても、申込書の回収を「受注」とするケースもあれば、契約が半年経過した段階を「受注」としたり、初回入金が確認できたタイミングを「受注」とするケースもあります。
このように、人によって認識にばらつきが出てしまうので、この辺りは契約時に定義付けしておく必要があるでしょう。
完全成功報酬もある
営業代行サービスを探す場合、多くの人は「完全成功報酬でお願いしたい」と考えるはずです。
完全成功報酬とは、イニシャルコストゼロ円で、かつ受注した時に報酬を支払うスキームのことです。
つまり、営業代行サービスを依頼するクライアントにとっては”ノーリスク”という理想的なカタチなのです。
もしこれで受けてくれる営業代行会社がいれば、願ったり叶ったりですよね。
しかし現実はそんなに甘くありません。
クライアントにとって都合の良いことは、営業代行会社にとって都合の悪いことなのです。
よく考えてみて欲しいのですが、「完全成功報酬でお願いしたい」という企業がいる一方で、「固定報酬を払うからお願いしたい」という企業もいますよね。
このような2社がいた場合、果たして営業代行会社はどちらに注力するのでしょうか?
もちろん「固定報酬を払うからお願いしたい」という会社だと思います。
つまり完全成功報酬で依頼すると、横に置かれる程度ならまだマシですが、全く取り扱ってもくれないケースが出てくるのです。
そうなってしまうと、「そもそも営業代行サービスを利用する意味があったのか?」という疑問すら湧いてきます。
このような背景が理解できれば、完全成功報酬で依頼することは『双方にとってよくない仕組み』だと理解できるはずです。
しかし世の中には「完全成功報酬でお受けします!」と謳っている会社もありますよね。
そのような企業は「ただ取引実績が欲しい」だけなので、あなたの商材を売ってくれることは決してありません。
もしくは”完全成功報酬”という言葉を餌におびき寄せて、とにかく固定報酬を支払うように仕向けてくるのです。
営業代行会社にも人件費や家賃、交通費、通信費などコストが発生しているので、当たり前の話ですが”ボランティア”のような動き方はしてくれないということです。