
昔から「営業マン」という言葉がビジネス界隈では使われていますが、昨今では使いづらい言葉になってきたと言われています。
そのように言われる理由とは「ジェンダーレス」や「ジェンダーフリー」が声高に叫ばれているからです。
現代社会では”男女平等”が重要なテーマになっているので、もはや「営業マン」という言葉が無くなるのも時間の問題なのでしょう。
そこで今回は「営業マン」を言い換える方法や、営業活動を活性化させるコツについて解説したいと思います。
目次
営業マンとは?
営業マンは、顧客と企業の間に立つ存在として重要な業務を担っています。
もし営業マンが活躍しなければ、企業には売上がもたらされないので、いづれ倒産することになります。
そのような頑張りに報いるべく、経営者は営業マンに対して高額な給料や、手厚いインセンティブを用意しているのです。
日々営業ノルマをこなすために頑張っている営業マンですが、「会社の売上に貢献する」ことだけが仕事ではありません。
そのような考え方では、決して優秀な営業マンにはなれないので注意しましょう。
優秀な営業マンの特徴
優秀な営業マンとは、
- トップ営業マン
- トップセールスマン
と呼ばれているような、一流営業マンのことを言います。
そのような優秀な営業マンには、共通した特徴があると言われています。
それは、作業のような営業活動をしないということです。
営業活動は一見すると「リード獲得→商談する→受注する」という一連の作業のように見えますが、優秀な営業マンはもっと奥の深いクリエイティブな営業活動をしています。
一流の営業マンは、既に顕在化しているニーズだけでなく、顧客が抱えている潜在ニーズをコミュニケーションによって引き出しています。
ただ自分が売りたい商材を押し売りするのではなく、顧客主体で物事を考える「営業活動」をしているのです。
そのため、優秀な成績を上げている営業マンは総じてコミュニケーションスキルが高く、行動力もあると言われています。
見込み顧客を探し出し、電話営業をして、既存顧客にフォローアップするのは共通していますが、やり方は人によって様々だと思います。
しかしトップセールスと呼ばれている人達は、各々に独自のマーケティング手法を確立しているはずです。
もしトップセールスの実践する営業スタイルが知りたい場合には、下の記事をご覧ください。
営業マンを言い換えるとどうなる?
昨今は男女平等や、LGBT、差別に対する見方が厳しくなっているので、「営業マン」という言い方が差別的な言葉と捉えられるケースも出てきています。
例えば、スチュワーデスや看護婦が良い例でしょう。
一昔前までは「スチュワーデス」という言葉を普通に使っていましたが、男女差別ということで「客室乗務員」「キャビンクルー」などの呼び方になっているのが一般的です。
また看護婦も同様で、男女平等という考え方のもと「看護師」「看護士」という呼び方が一般的になっています。
それにひきかえ、「営業マン」という呼称は男性を意味する「マン」という言葉なので、現代社会においては不適切だと言われているのです。
それでは「営業マン」という言葉はどのように言い換えるのが良いのでしょうか?
言い換えの参考例
せっかく「営業マン」という言葉を言い換えるなら、モチベーションアップに繋がった方が良いですよね。
男女平等で差別感の無いネーミングにしたとしても、それによって働く人のモチベーションが下がってしまっては意味がありません。
どうせなら「モチベーションアップ」に繋げる方が良いので、カッコよくて、営業マン自身が誇りに思えるようなネーミングが理想的でしょう。
- 営業員
- セールスパーソン
- 営業パーソン
- セールス担当者
- 営業スタッフ
このような一般的な呼称で済ませるのも選択肢の一つですが、これでは「モチベーションアップ」という側面が解決できていません。
例えばこれは一例ですが、知り合いの会社で営業マンのことを「ジェスター」と呼んでいる会社があります。
ジェスターとは、中世ヨーロッパでいう「宮廷道化師」のことですが、その意味を尋ねたところ「道化師はお客様をワクワクさせたり、喜ばせたりするから、営業マンと役割が似ている」とのことでした。
確かに「ジェスター」という横文字が名刺に書かれている方が、「営業担当」と書かれているよりもカッコイイかもしれませんね。
これはつまり、「営業」や「セールス」というキーワードに引きずられる必要などないことを意味しています。
そのような考え方に至った場合、
- コンサルタント
- バトラー(執事)
- コンシェルジュ
という名称にするのもアリだと思います。
この辺りは社風も関係してくるので、社内で色々相談してみましょう。
言い換えるメリットもある
「営業マン」という呼称を言い換えることで、現場の営業パーソンは大きなメリットを享受することができます。
それは、お客様と話すネタが増えるということです。
例えば先ほどの例で言うと、名刺に「ジェスター」と書いてあれば、全てのお客様が「ジェスターってなに?」と質問してくるはずです。
それに対して回答することで、会話が生まれてくるのです。
これはつまりアイスブレイクにも繋がっていき、その後のスムーズな商談にもつながっていきます。
新卒社員や営業経験が浅い人にとって、初対面のお客様との会話ネタには困りますよね。
もしお客様との会話ネタに悩んでいる人は下の記事をご覧ください。
そんな時、お客様の方から「ジェスターってなに?」と会話を投げかけてくれるのはとても助かるのです。
それをきっかけに受注へ持っていくストーリーを自分なりに構築できれば、それがセールスの方程式にもなり得ます。
経営者や事業責任者は、このような観点でネーミングを考えるのも良いでしょう。
ゲーム要素を取り入れてみる
最前線で活躍する営業マンには、楽しく前向きに働いて欲しいですよね。
そんな時にはゲーム的な要素を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
対外的にアピールするかどうかは別として、営業活動にゲーム要素を取り入れると「モチベーションアップ」に繋がりやすくなります。
そもそも営業活動にはゲーム的な要素がたくさん散りばめられています。
例えば、
- 顧客を発掘する作業
- 難解な顧客を開拓する作業
- ノルマを達成する作業
などクエスト的な要素が随所に散りばめられているのです。
一例としては、ドラクエ的な要素を取り入れてみるやり方があります。
例えば、猪突猛進する営業マンには「戦士」とネーミングしたり、トリッキーな営業マンには「魔法使い」とネーミングしたり、チームの助け舟的な営業マンには「賢者」と名付けたりします。
これらは決してマイナスイメージではなく、あくまでも営業マンの個性に注目したネーミングなので、差別的なイメージはないはずです。
自分の個性を他人から指摘されると、営業マンも自分自身を見つめ直すきっかけになるので、一石二鳥かもしれません。
他にも営業力の強さに応じてランク付けする方法があります。
例えば受注件数に応じて、
- Lv.1:スライム
- Lv.2:ホイミスライム
- Lv.3:スライムナイト
- Lv.4:キングスライム
- Lv.5:はぐれメタル
などの呼称を与えます。
このランクを獲得するにあたって、特別なインセンティブを設定しても良いでしょう。
営業実績を定量化することで、社内の競争も激しくなり、営業マンのモチベーションアップにも繋がるはずです。
営業職にはゲーマーが多いので、このやり方は受け入れやすいと思いますが、社風やスタッフにあった施策を色々試してみてください。
営業マンは「相棒」になるべし
ここまで営業職のネーミングについて考えてきましたが、ネーミングはあくまでも名前でしかありません。
本質的な部分である「顧客にとってどんな存在であるべきなのか?」ということをないがしろにできないので、そこだけは勘違いしないようにしましょう。
たまに「顧客を攻略する」と言っている営業マンを見かけますが、お客様を敵として見る必要などありません。
正しい考え方は「お客様の相棒(=パートナー)になる」という感覚で良いと思います。
経営者は一人で意思決定をしていくので、相談できるビジネスパートナーがいれば、とても心強いのです。
その役割になるべき存在が「営業マン」だと思います。
何か困った時、気軽に相談できる関係性を構築しておき、その方策を一緒に考えてあげることこそが「本当の営業活動」なのでしょう。
お客様が困った時、一番最初に相談される営業マンを目指しましょう。