
「例え話」ができると、非常に便利だと思います。
日常的に例え話を使っている人は多いと思いますが、中には「例え話が苦手…」という人も多いと聞きます。
そこで今回は、営業職が身につけておきたい「例え話」に関する話題を解説していきたいと思います。
目次
例え話が下手な理由
なぜ例え話が下手になってしまうのでしょうか?
例え話が下手になる原因は、「話の内容」と「例えたイメージ」が合致していない為です。
例えば、上司が新卒社員に対してノルマ達成するやり方について話すシチュエーションがあったとします。
その時に、「100万円を売り上げるには、テレアポして、訪問して、10件受注すれば目標達成する!」と伝えてもいまいちピンときません。
このような場合に例え話を持ち出すのですが、まず下手くそな例から見ていきましょう。
100万円を売り上げるには、友達と仲良くなるイメージを持てば良い。
例えば毎日、友達と話していれば、自然に仲良くなるよね?
それと同じように毎日お客様と接していれば、どんどん仲良くなるから自然に受注が取れるようになっていく。
だから、出来る限り多くお客様とコミュニケーションを取るようにしなさい。
そのようなお客様を10人作れば、きっと目標金額の100万円になるから。
次に、例え話が上手い例を見てみましょう。
100万円を売り上げるためには、富士山に登ることをイメージすれば良い。
富士山の頂上にたどり着くためには、1合目、2合目…と徐々に上がっていくよね。
この1合目が10万円で、2合目が20万円みたいなイメージだと、10合目で100万円になる。
毎日一歩ずつ前進していくことで、いづれ5合目にたどり着き、8合目にたどり着き、10合目に到達するはず。
つまり、常に前進することを心掛けなさい。
そうすればきっと目標金額の100万円に到達するから。
上記の2例の違いは、「平行線のイメージなのか?」「上に登っていくイメージなのか?」の違いになります。
ノルマ達成という内容に対して、平行線の話をすると、あまりイメージがわきません。
しかし目標達成という高みを目指す内容なのであれば、山登りのような困難に立ち向かうイメージや、一歩ずつ前進していくイメージの方が例え話には合っています。
このように、例え話をする場合には、「話の内容」と「例え話のイメージ」が合致していなければ上手く伝わらないのです。
例え話が下手な人は、総じてこの作業が下手くそな傾向があります。
そもそも会話が下手くそ
例え話が下手になる原因は解説した通りですが、それ以外にも「そもそも会話が下手くそ」という原因も考えられます。
それでは、どのような人が会話下手なのでしょうか?
第一の理由は、話を組み立てられないということが挙げられます。
説明には相手に分かりやすく伝えるスキルが必要です。
理路整然と構成された話は頭にスッと入ってきますよね。
しかし、主語がなかったり、時系列がめちゃくちゃな話は「えっ、どういうこと?」と相手を戸惑わせてしまうだけで一向に理解されません。
その結果、「伝わらない話」になってしまうのです。
つまり順序立てて話せないことは、「例え話が下手」ということになりがちなのです。
第二の理由は、根本的に会話が下手ということが挙げられるでしょう。
会話は言葉のキャッチボールであり、相手のペースに合わせて話すのが基本になります。
もしあなたが営業職なら、ペースが早い人には早いペースに合わせて、ゆっくりな人にはゆっくりのペースで話せるように、柔軟な対応をする必要があります。
自分の話したいことだけ話しているのは楽しいかもしれませんが、それでは会話が成立しません。
「会話なんて簡単」と思うかもしれませんが、意外と奥が深くて難しいのです。
また、相手に合わせるには、理解力や知識が必要ですが、これには地頭の良さが必要です。
さまざまな話題に関心がある人や、深い思考をする人の話は中身があって面白いのです。
第三の理由は人と話すのが苦手ということがあげられます。
会話は相手と直接コミュニケーションを取ります。
相手のペースや気分、表情を気にしてしまうような人は会話に苦手意識を持ってしまうかもしれません。
相手と話すときに緊張してしまい、「言いたいことの半分も言えなかった…」なんて経験もあるのではないでしょうか。
会話についていくのが精一杯の場合は、例え話どころじゃないかもしれません。
例え話が上手くなるコツとは?
例え話が上手くなるためには練習するしかありません。
この練習とはアウトプットのことです。
つまり、会話の回数を増やしたり、例え話を何度も何度も話してみたり、とにかく実践経験を積むのです。
実践経験を積めば例え話をすることに慣れてきて、練習前よりスムーズに例え話が口から出てくるようになるでしょう。
しかし、「アウトプットするにしても、そもそも会話を増やす機会がない」という人もいるでしょう。
そんなときは、自分一人で練習しても構いません。
たとえばテレビで芸能人が話している内容を、別の話に例えてみるのです。
このようなやり方であれば、一人で自宅にいる時でもOKなので、気軽に練習できると思います。
意外とテレビの情報は使えるので、くまなくチェックすることをお勧めします。
話芸のプロフェッショナルと言えば「芸人さん」ですよね。
芸人は様々な例え話をテレビで披露しているので、その内容をメモして頭の中に叩き込んでおくのです。
頭の中で例え話のシュミレーションをすることで、脳内イメージができやすくなります。
イメージさえあれば、会話の機会があったときにその内容を思い出しやすくもなるのです。
すると、咄嗟の瞬間でも良い例え話ができるようになるでしょう。
例え話を人に伝えなくても、自分の頭の中で整理してアウトプットする癖をつけるようにしましょう。
「面白い話なんてできない」と自信を無くす必要はありません。
人を笑わせるのが目的ではなく、人にわかりやすく伝えるのが目的だと理解しておきましょう。

分かりやすく伝えるコツ
分かりやすい例え話を作るにはコツがあります。
一番オーソドックスなのは、例え話のテンプレートを作っておくことです。
例えば、どんな例え話でも漫画のONE PIECEに例えてしまう、ドラクエに例えてしまうなどテンプレートを作っておけば楽だと思います。
もちろん漫画でなくても構いません。
スポーツでも旅行でも、自分の得意分野で例え話を作ってしまうのがおすすめです。
得意分野の話ならたくさんネタが出てくるはずなので、すぐに例え話のテンプレートが作れるはずです。
例え話のネタを増やす
「何でもかんでも同じネタで例え話を作るのは芸が無い」と感じる人もいるかもしれません。
たしかにサッカーに興味がない人に、サッカーで例え話をしてもなかなか響かないでしょう。
相手が白けた顔をしていたら、こちらも気まずくなってしまいます。
なので、慣れてきたらテンプレートをコツコツと増やしていけばいいのです。
そうすれば「相手は今の例え話に興味がないな」と感じたとき、別のネタを引っ張り出してくれば、例え話の内容を変化させることができます。
相手の反応に合わせて、臨機応変に対応していくことが大事なのです。
このようなネタを増やすには時間がかかるかもしれませんが、コツをつかんで努力していれば必ず例え話が上手い人になれると思います。

成功者はなぜ例え話が上手いの?
「成功者は例え話が上手い」と言われますが、なぜ彼らは例え話が上手いのでしょうか?
それにはちゃんとした理由があります。
一般的な成功者とは組織のトップ(経営者)だったりします。
組織は人の集まりです。
メンバーは個性も知識も経験も年齢も性別もバラバラですよね。
価値観がバラバラの人に対して、ある特定の事柄を伝えることは非常に困難を極めます。
しかし組織で仕事をする上では、知識の共有やビジョンに対する共通理解が必要不可欠なのです。
共通認識があれば、ミッションやビジョンが一致するので、仕事もスムーズに進んでいきます。
しかし認識が合っていないと、トラブルが多くなりストレスを溜めるメンバーも増えてくるので、結果的にチームワークがなくなってしまうでしょう。
よって、リーダーには上手く伝えるスキルが必然的に求められるのです。
例え話が上手くなければ価値観の違うメンバーに共有して、組織をまとめ上げることはできません。
例え話が下手だとチームメンバーをただ混乱させるだけの存在になってしまうからです。
つまり、経営者は毎日のように「どうすれば伝わるのか?」を真剣に考えているため、徐々に例え話が上手くなっていくのです。
これは先ほど解説したように、毎日アウトプットしている状態なので、例え話が上手くなる合理性がありますよね。
つまり、経営者のような感覚で毎日練習をしていれば、あなたも自然に例え話が上手くなるはずです。

例え話はビジネスに使える
例え話はビジネスの現場でたくさん活用することができます。
営業活動は、人と人との関わりが必要不可欠な仕事です。
ただ相手のニーズを汲みとるだけではなく、相手の要望に合わせて、自社製品のメリットを分かりやすく伝えなければいけません。
相手が話をスッと理解できれば、セールスもスムーズに進むでしょう。
お客様に対してわかりやすく伝えるという側面では、例え話できることが必要不可欠なスキルだと言えます。
ただ言葉で製品説明するだけでは、業界特有の専門用語なども使わなければいけません。
しかし、例え話ができればそのような問題も解消されます。
イメージさえ伝われば、たとえ難しい物事でも頭の中で想像することができます。
すると、話が理解しやすくなるのです。

まとめ
ビジネスパーソンは、上手に例え話するスキルを身につけた方が良いと思います。
例え話はプライベートはもちろん、様々な場面で使うことができるからです。
会社組織のリーダーを目指す場合にも、必要不可欠なスキルだと思います。
前述したとおり、一朝一夕で身に付くスキルではないので、毎日少しずつ努力してみてください。
