アントレプレナーとイントレプレナーの違い
これから独立起業することを計画している場合には、アントレプレナーとイントレプレナーの違いを理解しておいた方が良いと思います。
なぜかと言うと、この2つは似ているようで、アプローチ方法が大きく異なるからです。
独立開業することは人生の一大事なので、絶対に失敗が許されません。
そのような大きな決断をする前に、どちらの方が自分にとって合っているのかを判断しておきましょう。
アントレプレナーの特徴とは?
アントレプレナーとは、自分で法人や事業を立ち上げる起業家に対して用いられる言葉です。
なので原則的(株主が他にいない場合)には、独立起業した初期段階から全てのリスクを自分一人で背負うことになります。
重要な意思決定や経営判断も自分一人でやらなければいけません。
これはとても孤独で、過酷な状況だと思います。
このような役割からも、アントレプレナーに向いている人は「自分一人で何事も意思決定できるような判断力」を持っている人だと思います。
この判断力の源になっているのは、豊富な知識と経験値です。
それらを駆使しながら、その時々の最適解を導き出すのです。
行動力があって情熱がある
アントレプレナーの特徴は、とにかく行動力があって情熱があることです。
自分の実現したい世界観がすでに頭の中にあって、そこに猪突猛進するような”単細胞”でもあるのです。
ちなみに、何度も起業する人のことを「シリアルアントレプレナー」と呼んだりしています。
このような人は一つの事に夢中になる傾向があり、それに集中していると周りが見えなくなってしまうので、アントレプレナーの人は円満な家庭を築き上げにくいと言われています。
さらに、ものすごく飽きやすい性格だとも言われています。
起業家は何らかのゴールを見据えて日々邁進していますが、そのゴールにたどり着けることがほぼ確実になった瞬間、すぐにやる気をなくしてしまうのです。
そうすると他の事業に手を出したり、もっと自分が楽しめるビジネスを探し始めます。
つまり、とても浮気症なのです。
起業家とは動いていないと死んでしまうマグロのような人間なので、常に自分が楽しめることを探し続ける癖があります。
このような特殊性な人間なので、アントレプレナーと呼ばれる人には「変な人」が多いとも言われています。
果たしてあなたは「単細胞の変人」でしょうか?
もし「その通り!」と言うのであれば、きっとあなたはアントレプレナーに向いているはずです。
イントレプレナーの特徴
イントレプレナーはゼロの状態から起業するのではなく、サラリーマンとして働いている状態で社内起業する人のことを指します。
イントレプレナーのやり方はいくつかありますが、代表的なのは下の3パターンだと思います。
- 新規事業部の責任者になる
- 会社100%出資の子会社社長になる
- 自分と会社が折半出資して子会社の社長になる
勘が良い人はわかると思いますが、どのパターンも自分が100%リスクをような仕組みにはなりません。
この辺りはアントレプレナーと大きく違う部分だと思います。
また所属している会社がすでに保有している優秀な人材や設備、販路を活用できる点も、大きなストロングポイントになると思います。
そのぶん目標となる予算額も大きくなると思いますが、それでも事業を成功させられる可能性は自分一人で起業するアントレプレナーよりも高まるはずです。
やっぱり「東証一部に上場している●●株式会社の100%子会社です」なんてセールストークが使えれば、営業活動にも差が出てきますよね。
そのような後ろ盾があるぶん、イントレプレナーは独立起業しやすいと思います。
とはいえ、イントレプレナーは社内営業が大変という特徴もあります。
アントレプレナーは自分でリスクを負うため、誰かにお伺いを立てたり、社長を説得する必要などありませんが、イントレプレナーはどうあがいてもサラリーマンです。
雇われサラリーマンであるイントレプレナーも基本的な意思決定できるはずですが、親会社(所属会社)に影響を与えることや、大きなリスクを負うような決断は自分一人でやらない方が無難だと言えます。
事前に根回しをしたり、社内営業しておかなければ、失敗した時の責任を押し付けられて、更迭されてしまうかもしれません。
このようなしがらみがあることは、アントレプレナーと大きく違う部分だと思います。
なので、根回しが得意な人や、会社内の人脈が豊富で社内営業に自信がある場合には、イントレプレナーの方が向いているでしょう。
個人的にはイントレプレナーとして挑戦できる機会があるのであれば、そちらの方が自分で起業するよりもリスクが低いのでおすすめです。
イントレプレナーとして実績を残しておけば、きっと自分で独立起業した時の成功確率も上がることでしょう。
イントレプレナーには、アントレプレナーと違ったスキルが求められるので、「自分にはどちらのやり方が向いてるのか?」ということを良く考えてみましょう。