
四字熟語は知っていても、三字熟語を知らない人は多いかもしれません。
しかし「三字熟語はかっこいい」とか「三字熟語は美しい」とも言われているので、社会人であれば知っておくべきでしょう。
そこで今回は、仕事やビジネスに使える三文字熟語を、意味付きでご紹介したいと思います。
有名な三字熟語まとめ
姉御肌(あねごはだ)
姉御肌は「姐御肌」と書くこともありますが、その内容は同じで「しっかり者で面倒見が良い女性」という意味になります。
他にも「サバサバとした心意気の良い女性」という意味も含まれています。
偉丈夫(いじょうふ)
偉丈夫は、体格が良くて心身ともにたくましい男性を指す三字熟語です。
ちなみに「丈夫」という言葉は中国古典が由来になっていて、「一人前の成人男性」のことを指しています。
老大家(ろうたいか)
長年の経験を積んで誰からも尊敬を集める大家を指す三字熟語です。
ベテラン社員のことを「あの人は老大家だ」と表現することもあります。
益荒男(ますらお)
たくましくて立派な男性や、雄々しい男性のことを指す三字熟語です。
神様という意味合いもあるので「益荒男の神々」という使い方もします。
不退転(ふたいてん)
ひたむきに修行して、悟りを得た境地から後退しないことを表す仏教用語です。
この言葉には「簡単に志を曲げない」という意味合いも含まれています。
不世出(ふせしゅつ)
めったに現れないほど非凡で優れていることを表現した三字熟語です。
風雲児(ふううんじ)
社会の変動や革命などの動乱期に乗じて活躍する”英雄”を指す三字熟語です。
同じ名前のラーメン屋さんもありますよね。
一粒種(ひとつぶだね)
たった一人の大切な子供を指す三字熟語です。
「一粒種のお嬢様」というような使い方をします。
破天荒(はてんこう)
実は「これまで誰も成し遂げられなかったことを成功させること=破天荒」なのですが、世間一般的には「やんちゃな人」を表現する時に使われていますよね。
なぜかといえば、破天荒には「前代未聞」という意味が含まれているので、そのせいで間違った認識が広がってしまったのだと思います。
左団扇(ひだりうちわ)
これは生活が安泰であることのたとえです。
一般的には右利きの人が多いと思いますが、それと逆の左手で団扇を使うと、動きがゆっくりして見えるため、その動きが”懐具合の余裕”を連想させて、この言葉が生まれました。
独擅場(どくせんじょう)
「独壇場(どくだんじょう)」という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、実はこれ間違いで、本当は「独擅場(どくせんじょう)」が正しいことはあまり知られていません。
「壇(だん)」と「擅(せん)」は見た目が似ていますが、部首が違いますよね。
ちなみに両方とも「その人だけが思う存分に振る舞うことができる場所」という意味なので同じなのですが、「独擅」という漢字と「独壇」という漢字が似ているため、間違って広まってしまったと言われています。
立役者(たてやくしゃ)
物事を中心となって進める人物のことを「立役者」と表現しています。
その他に、一座の中心となる重要な役者(俳優)を指す言葉としても使われています。
千里眼(せんりがん)
遠方の出来事や将来のことを見通せる”神秘的な能力”を指す三字熟語です。
ちなみに千里とは約4000km(一里が4km)のことです。
こちらも同じく有名ラーメン屋の名前になっているので、どうやら三字熟語はラーメン屋が好んで『屋号』に使っているみたいですね。
先覚者(せんかくしゃ)
誰よりも早く物事の道理や時代の流れ、環境の変化を見抜いて、行動に移せる人のことを指す三字熟語です。
つまり「先見性のある人」ということですね。
真骨頂(しんこっちょう)
これは良く聞く三字熟語ですよね。
その意味は「その人が持っている本来の価値」ということですが、「私は飛び込み営業が真骨頂です」というような使い方をします。
好事家(こうずか)
好事家は、普通の人とは違ったものに興味を抱いたり、関心を寄せたりする人のことを指す三字熟語です。
「このお店は好事家を喜ばせるような商品ばかり」というような使い方をします。
金字塔(きんじとう)
これは本来ピラミッドを表す言葉なのですが、意味としては「後世に残る偉大な業績」ということになります。
なので「あの営業マンは金字塔を打ち建てた」という使い方をします。
麒麟児(きりんじ)
大成を予感させる天才児や神童のことを指す三字熟語ですが、「将来有望な少年」のことを言い表しているので、「少女に使う言葉ではない」というのが注意点です。
綺羅星(きらぼし)
夜空に美しく輝く無数の星のことを表す三字熟語です。
「トップセールス達が綺羅星のごとく表彰台に並んでいる」というような使い方をします。
義侠心(ぎきょうしん)
この三字熟語は、自分の身を犠牲にしてでも、弱い人を助けようとする思いのことです。
困っている人を放っておけない人のことを「あの人は義侠心が強い」と表現します。
男伊達(おとこだて)
「伊達男」という言葉は馴染みがあるかもしれませんが、その逆の「男伊達」には「男らしい振る舞いをする、世間体の良い人」という意味合いがあります。
ちなみに「伊達男」という言葉は「おしゃれな男の人」という意味なので、逆にしただけで意味が全然違ってくるのは面白いですよね。
一張羅(いっちょうら)
持っている衣服のうちで一番上等な服を指す三字熟語です。
「このスーツは私の一張羅だ」という使い方をします。
韋駄天(いだてん)
足が早い人のことを指す三字熟語ですが、古代インドのバラモン教の神である『シヴァ』の子供の名前が由来になっています。
阿修羅(あしゅら)
古代インドの神様を指す三字熟語ですが、血気盛んな人のことを「あの人は阿修羅みたいだ」と表現することがあります。
閑古鳥(かんこどり)
閑古鳥はカッコウの別名です。
一般的に「閑古鳥が鳴く」と表現した場合、「客足が途絶えて商売が不調」という様子を表します。
芥子粒(けしつぶ)
ケシの種子を指す言葉ですが、極めて小さいものの例えとして使われています。
健啖家(けんたんか)
健啖家は何でもよく食べたり、食欲旺盛な人のことを指す三字熟語なので、「ウチの主人は健啖家なんです」というような使い方をします。
強談判(こわだんぱん)
直談判に似た言葉ですが、強談判には「非常に厳しい姿勢で相手に迫って、自分の主張を通す」という意味があります。
匙加減(さじかげん)
元々は医者が匙で薬を調合する時の分量具合が由来となった言葉です。
そこから派生して、料理の味付けや、周りの人への気遣いを表す言葉としても使われています。
初一念(しょいちねん)
最初に思い立った時の決意や志のことを指す三字熟語です。
大団円(だいだんえん)
劇や小説などで最高潮の場面を表す三字熟語です。
大盤石(だいばんじゃく)
「盤石」という言葉は一般的だと思いますが、それに「大」が付いている言葉なので、少しぐらいでは揺らがない強固な状態を指す三字熟語となっています。
太平楽(たいへいらく)
好き勝手な言動をとる様子を表した三字熟語です。
ビジネスでは「あの新入社員は太平楽だ」というような使い方をします。
鉄面皮(てつめんぴ)
図々しくて恥知らずな様子や人のことを指す三字熟語です。
等閑視(とうかんし)
物事を軽く扱って大切にしない様子を表す三字熟語です。
ビジネスでは「製品改善を等閑視した為、競合他社に遅れをとった」というような使い方をします。
野放図(のほうず)
自分勝手で再現がなく、やりたい放題に行動している様子を表す三字熟語です。
贔屓目(ひいきめ)
ある特定のことに対して、好意的な見方や意見を言う様子を表す三字熟語です。
「贔屓」という言葉だけでも「気に入った人を応援する」という意味ですが、「目」を加えることで「物事を見る態度や見方」という意味が加わるため、言葉に奥深さが出てきます。
一悶着(ひともんちゃく)
ちょっとした争いや、軽い揉め事を指す三字熟語です。
ビジネスの現場では「昨日の会議で社長と部長が一悶着あってさ…」というような使い方をします。
摩天楼(まてんろう)
先端が天に届きそうな高層建築のことを指す三字熟語です。
「ニューヨークの摩天楼」「東京都心の摩天楼」というような使い方をします。
吉左右(きっそう)
良い知らせのことです。
「左右」という漢字には「あれやこれやと状況や様子を知らせる便り」という意味合いがあります。
こちらも東京の木場にある超人気ラーメン店「麺屋吉左右(きっそう)|で使われている屋号です。
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五月雨(さみだれ)
五月雨は、旧暦5月頃に降る長雨のことですが、いつまでもダラダラと続く様子を表す表現としても使われています。
ビジネスでは、連続送信するメール内で「五月雨のメールで失礼いたします」というような使い方をします。
桃源郷(とうげんきょう)
桃源郷とは、俗世間を離れた想像上の平和な社会のことです。
そこから派生して「理想的な場所」を指す単語としても使われています。
八百万(やおよろず)
数えることが難しいぐらい多いことを表す三字熟語です。
「日本には八百万の神がいる」というような使われ方をします。
似而非(えせ)
本物に似ているが、そうではないものを表す三字熟語です。
「似而非関西弁」のような使われ方をしますが、「似非」だけでも同じ意味になります。
阿多福(おたふく)
阿多福は、丸顔で鼻が低くて顔が腫れた女の人を表す三字熟語です。
醜い顔を罵る言葉なので、「阿多福で可愛いね」という表現は間違った使い方になります。
黄口児(こうこうじ)
年が若くて経験の浅い未熟者を指す表現です。
相手を嘲笑う表現なので、使うシチュエーションに注意しましょう。
安本丹(あんぽんたん)
愚か者、馬鹿者のことを指す三字熟語です。
我楽多(がらくた)
価値がなくて使い道がない物を指す言葉ですが、「瓦落多(がらくた)」と表現することもあります。
奇天烈(きてれつ)
言葉にできないほどヘンテコな様子を表す言葉です。
「奇妙奇天烈(きみょうみてれつ)」という具合にセットで使われることもあります。
最後屁(さいごっぺ)
最後屁は、窮地に陥ったイタチが出す悪臭の”屁
のことなのですが、それが転じて、切羽詰まった時の悪あがきを指す表現になりました。
地団駄(じだんだ)
地面を何度も何度も踏みつけることです。
「地団駄を踏む」という表現は悔しがる様子を表しています。
まとめ
ここまで有名な三字熟語をご紹介してきました。
聞いたことはあっても、「漢字を見るのは初めて」という言葉も多かったはずです。
そして意外なことに、間違った認識の漢字も多かったですよね。
間違った使い方をすると恥をかいてしまうので、この機会に覚えておきましょう!
三字熟語の次は四字熟語の記事もぜひご覧ください。