テレワークはサボりが心配…
テレワークを実施する場合、ほとんどの経営者がリスクと考えるのが「サボり」についてです。
やっぱりリモートワークでは働いている現場が見えないので、とても心配になりますよね。
雇用契約というものは、従業員が所定の労働を提供する対価として、法人が給料を支払う仕組みになります。
なので、従業員が労働力を提供していないのに、給料だけ支払われてしまうと、おかしなことになるのです。
そう考えた場合、従業員が労働力を提供することは当たり前だと言えますが、それは性善説に基づいた考え方なのでやっぱり無理があります。
実際には、在宅勤務中に昼寝をしたり、飲酒&喫煙をする事例が後を絶たないのです。
なので、基本的に「従業員はサボるもの」と考えた方が無難だと思います。
当たり前のように生産性が下がる
テレワークする目的は「生産性の向上」だと思いますが、実際には生産性が下がってしまうケースが多いのです。
なぜかと言うと、監視の目が行き届かないからです。
会社に出社している時には、上司含めた周りからの監視があるのでサボれませんが、在宅勤務の場合にはいくらでもサボることができます。
「朝9時に打刻して、その後すぐに二度寝して、昼過ぎに起きて仕事を始める」なんてケースも聞いたことあります。
このようになってしまう原因は、日本の働き方が属人的なやり方だからです。
つまりジョブディスクリプション(ジョブ型雇用)ではないのです。
ある特定の仕事に対して人をアサインするジョブ型雇用では、サボるという感覚がありません。
なぜかと言うと、自分に任せられた仕事が達成できなければ、すぐクビになってしまうからです。
しかし日本的な働き方は「人(社員)がいるので、その人に仕事を与える」というやり方です。
このやり方の場合、その人の仕事は会社にとって大きな意味をなさないのです。
結果的にサボる人が続出し、全体の生産性も落ちていくのです。
テレワークの求人が増加中
働き方におけるパラダイムシフトが起こり、テレワークが半ば強制的に一般化しました。
その結果「テレワークOK」という求人が大量に出てきたのです。
働き方改革の一環でテレワークは推奨されていましたが、それが一気に強まったような印象を受けます。
なんとなく自由な働き方ができるので、「テレワーク」と聞くと良い印象を受けると思いますが、その背景には別の側面があるのかもしれません。
例えばそれは「残業代の減少」とリンクしている可能性があります。
テレワークが始まると、ほとんどの企業でNO残業が開始されているので、その影響で会社員の収入が減っているのです。
残業が減る理由は様々ですが、一番大きな理由は業績の悪化だと思います。
「仕事がないので残業する必要もない」という当たり前のロジックですが、残業代を稼いでローンを支払っている人にとっては死活問題になり得ます。
他にも、ダラダラお仕事して、適当に残業代を請求されては困るという経営者的な視点もあります。
リモートワークでは、良くも悪くも現場の状況が把握できないので、「本当に必要な残業なのか?」というのが判断しにくいのです。
そのような背景があって、「原則的に残業禁止」という方針にしつつ、どうしても必要なときは事前許可を得たり、事後報告を徹底させるケースが多いようです。
このような「仕事の減少⇒残業代の減少」という流れでしたが、一部の企業では「仕事の増加」という逆流現象が起こっているのです。
その結果、仕事量は増えてもテレワークへの疑心暗鬼から残業代を増やすことができず、不足しているリソースを新規求人で賄おうとする動きが出ているのです。
現場レベルの話をしてしまうと、「仕事の増加⇒残業代の増加」という方程式が成り立たないので、仕方がなく求人出稿しているような状態なのでしょう。
リモートワークするスペースが必要
在宅勤務を推奨する場合、パソコン作業に適した机や椅子などがなければいけませんよね。
基本的にテレワークは自宅でするので、仕事専用の部屋を用意したり、リモートワークがはかどるグッズなども揃えなければいけません。
もちろんそれらがなくても仕事はできますが、生産性向上という観点では、絶対にあった方が良いでしょう。
しかし、大都市の場合には現実的な話ではないかもしれません。
地方都市であれば話は別ですが、都心の住宅はとても狭いので、仕事専用の部屋を用意したり、馬鹿でかいPCデスクを用意することなど出来ないのです。
このような理想と現実に直面して、地方都市での生活を選ぶ人も出てきています。
実際に、これまで転入一辺倒だった東京都ですが、総務省が発表した2021年住民基本台帳の人口移動報告によると、東京都に転入した人から転出した人を差し引いた「転入超過」は5,433人でした。
つまり転出した人の方が多かったのです。
これは大きなパラダイムシフトなので、今後は都市部の一極集中という流れが変わるかもしれません。
コロナ離婚が増えるの?
在宅勤務が多くなると、これまで会社に通勤していた夫が自宅で仕事することになります。
そうすると妻は「少しぐらい家事を手伝ってもらいたいなぁ」と期待しますが、働いている夫の方は「休日ではないので、出社している時と同じように成果を出さなければ…」と考えているのです。
この二つの想いは完全なすれ違いなので、どちらかと言うと妻の方に不満が溜まっていきます。
例えば、妻の言い分としては以下のようなものが挙げられます。
- 通勤時間がないのだから、その時間ぐらいは家事を手伝ってほしい。
- 昼食を家で食べているのに「仕事中」は都合が良すぎる
- 在宅勤務している夫にスケジュールを合わせるのが面倒
このようなイライラが積もり積もっていくと、いづれ爆発して夫婦喧嘩やコロナ離婚に発展していくのです。
これを回避するためには、テレワークする前から「家にいたとしても、それは仕事をしているので、決して会社を休んでいるわけではない」ということを納得してもらう必要があります。
とはいっても、上から目線で語ったところで相手には納得されるはずもなく、現実的な話としては仕事の合間で家事を手伝った方が無難だと思います。
その上で、自分のスケジュールに合わせてくれることに対して「感謝の気持ち」を持つのが大切だと思います。
1日30分ぐらい家事を手伝うだけで、相手の気持ちが収まるのであれば安いものですよね。
ランチタイムを少し削って家事を手伝えば、夫婦円満も理想論ではなくなるはずです。