2020年のコロナパンデミックが起こってから、ビジネスの現場は半ば強制的にテレワーク状態となりました。
もはやリモートワークは当たり前になっていて、アフターコロナ後も引き続き在宅ワークを推奨する企業も多いくらいです。
そこで今回は、継続的なテレワークを導入していくリスクと、その問題点、リモートワークを成功させる為のコツについて解説していきたいと思います。
テレワークの意味とは?
「テレワーク」と聞くと、なんとなく「tel = 電話」と「work = 働く」を組み合わせた言葉な気がしますよね。
しかし実際には、「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語なのです。
「tele」という言葉には「遠隔」という意味があるので、お互い遠く離れた場所で仕事をする総称をいいます。
なので、2020年のコロナパンデミックになってから浸透した働き方全般を指す言葉だと思います。
テレワークとリモートワークの違い
テレワークという言葉の意味を知ると、「リモートワークとの違いは何?」と考えるかもしれません。
結論から言ってしまうと、この二つはほぼ同じ意味合いです。
使われている言葉が違うだけで、お互いに「遠隔的な仕事のやり方」を指す言葉なので、含んでる意味は同じなのです。
しかし「在宅勤務」となると話は別です。
テレワークやリモートワークは「シェアオフィス」や「遠隔地」での働き方を指しますが、在宅勤務は言葉の通り「自宅で仕事をする」意味になります。
もちろんテレワークやリモートワークにも「自宅で仕事をする」というやり方は含まれていますが、在宅勤務の場合には「自宅限定」になっている点が大きく異なります。
これらの意味を理解した上で、言葉の使い分けをすることが大切だと思います。
テレワークするメリット&デメリットとは?
本格的にテレワークを推奨する場合、どんなメリットやデメリットがあるのか気になりますよね。
ここではメリットやデメリットについて詳しく解説していきたいと思います。
まず一番大きなメリットと言えるのが「コスト削減できる」ことだと思います。
実際に多くの企業がコスト削減をメリットと考えてテレワークに臨んでいます。
もちろんある程度の初期投資が必要になる前提なのですが、様々な面でコスト削減が実現できることでしょう。
例えば以下のようなコスト削減が考えられます。
- 残業代減少による人件費削減
- オフィススペース縮小によるコスト削減
- 通勤費や出張費の削減
- オフィスの冷暖房や照明などの光熱費削減
- 備品購入頻度の減少
- ペーパーレス化によるコピー機などの利用低減
すぐに思いつくだけでも、これだけたくさんあるので、そのコスト削減効果は絶大だと思います。
大企業の場合には数十億円~数百億円のコスト削減が実現できることでしょう。
コストアップにつながる可能性もある
テレワークする一番大きなメリットは「コスト削減できること」だと思いますが、その期待に反してコストアップにつながってしまうケースがあるのです。
例えば、リモートワークを全社導入しようとした場合、当たり前のことですが各社員にノートパソコンを持たせなければいけません。
これまで社員にはデスクトップPCしか与えていない企業もあるはずなので、そうなった場合、各社員に2台のパソコンを貸与しなければいけないのです。
それだけではなく、wi-fi環境を用意するために「WiFiルーター」を貸与する必要もあるでしょう。
現代では珍しい話ですが、社員の中には「自宅にインターネット環境がない…」という人も一定数いるはずです。
そのような場合には、インターネット環境を整備しなければいけないので、ポケットWiFiを貸与することになるでしょう。
また、社員が在宅勤務をすることで光熱費が上がってしまうので、その金額分を補助するように労働組合から要求されたり、支援するような仕組みが必要かもしれません。
さらに、リモートワークを管理するためのWebツールを導入したり、パソコンに設置する端末用カメラを購入する必要もあるでしょう。
管理職(マネージャー)とは連絡を取りやすくするために携帯電話を貸与したり、いざという時のためにセキュリティソフトを購入する羽目にもなりかねません。
これだけざっと並べてみても、かなりのコストアップが見込まれますよね。
テレワークを浸透させるためにはある程度の初期投資が必要だと思いますが、思ったよりも高額になってしまうケースが多発しているのです。
なので、見切り発車的にテレワークを推進するのではなく、まずは「どれぐらいの初期投資が必要なのか?」ということをきちんと試算してみましょう。
情報漏洩リスクがある
在宅勤務が一般的になると、当然会社のパソコンを自宅へ持ち込むことになります。
しかし、パソコンにウイルス対策ソフトを入れていなかったり、セキュリティ対策の認識に甘さがあると、社員のパソコンがコンピューターウィルスに犯されてしまう可能性があるので注意しましょう。
家のパソコンがコンピューターウイルスに感染して、そのウイルスが社内システムに侵入し、結果的に顧客情報などが流出してしまうのです。
こうなってからでは手遅れなので、絶対に情報漏洩しないような仕組みを考えなければいけません。
他にも、自宅で作業していると、お客様と電話したりパソコン入力をしますが、そのすぐ傍には家族がいます。
なので、お客様との大事な取引情報や、PCに入力した顧客情報を家族が見聞きするかもしれません。
それも立派な情報漏洩です。
「従業員の家族だから大丈夫」と過信せずに、コンプライアンス遵守という考えを社内浸透させましょう。