何をするにも初めが肝心という格言は、どんな学問にも当てはまる。
<参考書物:資本論>
頭の良いマルクスでも、何かを始める時にはやっぱり慎重になるみたいですね。
これまでの全ての社会の歴史は、階級闘争の歴史である。
<参考書物:共産党宣言>
支配階級がいると、いずれそこが腐敗するので、労働者階級が革命を起こします。
それを繰り返してきたのが”歴史”なのですが、そもそも資本家と労働者に分けてしまう資本主義という仕組みは、このような「階級闘争を生み出しやすい仕組みだ」とマルクスは指摘しています。
現代社会は、お金持ちが数兆円という資産を蓄える一方で、貧しい人はその状態から抜け出せなくなっていますよね。
このような状態をマルクスは予言していたのです。
ヨーロッパには亡霊がうろついている。
それは共産主義の亡霊だ。
<参考書物:共産党宣言>
マルクスは共産主義を推奨していました。
マルクスのように「共産主義にしたい!」という人たちがたくさんいることを”亡霊”と表現したのです。
どうやらマルクスは”亡霊”という表現が好きみたいですね。
共産主義と私たちが呼んでいるものは、現在の状態を止揚しようとする運動のことである。
<参考書物:ドイツ・イデオロギー>
これはマルクスが共産主義を定義付けした重要な名言です。
マルクスは「共産主義とは理想状態ではない」と語っています。
つまりマルクスに言わせると、共産主義とは”ある特定の仕組み”などではなく、『現在を変えようとする運動』のことなのです。
これは一般的な解釈と違うので、少し驚きがありますよね。
労働者には祖国はない。
<参考書物:共産党宣言>
労働者は使い捨てなので、資本家のように身を寄せるところ(会社や組織など)がないということです。
資本主義の闇をとらえた、とても恐ろしい名言ですよね。
世界のプロレタリアよ。
団結せよ。
<参考書物:共産党宣言>
現状を変えることができるのは、プロレタリア(労働者階級)しかありません。
だからこそマルクスは”共産主義”を主張していたのです。
これまでの歴史を振り返る限り、労働者階級が革命を起こし、世の中を変えてきました。
この言葉には「決して諦めるな!」というマルクスの強い意思が感じられます。
マルクスは歴史を動かした重要人物
ここまでマルクスの名言集をご紹介してきました。
マルクスの著書といえば「資本論」が有名ですが、友人であるフリードリヒ・エンゲルスと共に書き上げた「共産党宣言」も見逃せません。
共産党宣言は共産主義者同盟の綱領とも言える宣言文をまとめた書物です。
マルクスとエンゲルスが出会ったのは26歳の頃で、ひょんなことから意気投合して共同作業を開始しました。
しかしエンゲルスは資本家(経営者)だったので、いわゆるマルクスが批判する人種でしたが、そのような人物と一生涯付き合っていたというのは、なんか意外な事実ですよね。
マルクスは生涯をかけて「資本論」を書き上げましたが、残念なことに存命中は全く評価されず、暮らしは常に貧乏だったそうです。
しかしマルクス主義に共感したレーニンがソビエト連邦を創り、それを真似した毛沢東が中華人民共和国を設立し、その支援を受けて金日成が朝鮮民主主義人民共和国を設立しました。
よってマルクスは歴史を大きく動かした重要人物であることには間違いありません。
昨今でも、マルクス主義の唱えていたことが資本主義社会で徐々に現実となり、改めてマルクスが再評価される流れもあります。
よってマルクスはビジネスパーソンが必ず押さえるべき経済学上の重要人物だと言えますが、その一方で「経営学の父」と呼ばれるP・F・ドラッカーの理論も学んでおくべきでしょう。
ドラッカーの名言集は下の記事をご覧ください。