アンガーマネジメント研修をしよう!
先ほども少し触れましたが、企業でパワハラなどが問題になっているため、アンガーマネジメントに関する研修ニーズも増えてきています。
そのような社内研修を提供してくれる会社はたくさんありますが、中小企業にはアウトソーシングする予算など無いかもしれません。
なので、経営者や人事担当者がアンガーマネジメントに対して学び、それを社内共有するという研修方法がとられると思います。
そんな時には、アンガーマネジメントについての知識を共有したり、怒りのメカニズムについて解説したりする座学も必要ですが、オリエンテーションやイベントを開催するのもおすすめです。
怒りをコントロールするテクニックを伝授!
社内研修する場合には、「スケールテクニック」というやり方があります
そもそも怒りの感情は人によって違いがあるので、「自分は今どれぐらい怒っているのか?」ということがあまり理解できていません。
なので、まずは自分自身を客観的に見ながら、「怒りレベル」を仕訳してみるです。
例えば社内研修する場合には、以下のような10個の質問を用意します。
- 道ですれ違ったときに肩がぶつかった
- 指示した通りに部下が仕事をしてくれない
- インターネットで注文した商品と別の商品が届いた etc.
これに対して、参加者ごとに怒りレベルを振り分けてもらいます。
レベル1:一瞬で消える怒り
レベル2:一瞬で消えるが後に引きずる怒り
レベル3:表情が穏やかな怒り
レベル4:ギリギリ我慢できる怒り
レベル5:イライラする怒り
レベル6:ムカッとする怒り
レベル7:表情が強張る怒り
レベル8:声に出る怒り
レベル9:手が出そうになる怒り
レベル10:自分では制御不能な怒り
レベル1~レベル7は心の怒りですが、レベル8以降は表に出ている強烈な怒りだと思います。
例えば「道ですれ違ったときに肩がぶつかった」時には、「レベル1」と答える人もいれば、「レベル8」と答える人もいるでしょう。
このような回答を社員から集めれば、その人のコップの容量が把握できます。
これを一週間に一度、何週間か繰り返していくと、それだけでも社員研修になるのです。
この研修を継続すれば、恐らくほとんどのケースで先週よりも社員の怒りレベルが低下するはずです。
つまり、先週は「道ですれ違ったときに肩がぶつかった」時の怒りを「レベル8」と答えた人でも、今週は「レベル6」、その次の週は「レベル3」という具合になるのです。
これは社員にアンガーマネジメントが浸透してきている証拠です。
それを実現するためのポイントとは、社員がレベル分けをした後に「本当にそのレベル分けが正しかったか再確認してください」と伝えることです。
実はほとんどの怒りの感情は「無駄な怒り」であることが多く、その時に必要のない怒りだったりするのです。
これを判断するポイントというのは「その問題はリカバリーできるか否か?」と「その問題は自分でコントロールできるのか?」ということに集約されていきます。
例えば、コンビニで割り箸を入れ忘れた場合、自分が店頭に戻れば割り箸は貰えますよね。
とすると、それはリカバリーできることなので、本来は怒るべき事象ではないと言えます。
たとえ怒ったとしても、怒りのレベルは低くて済むはずです。
このように怒りをコントロールするためのヒントを与えつつ、毎週訓練していくと、自然とアンガーマネジメントが社員に浸透していくのです。
これには時間が掛かるかもしれませんが、良い職場環境を実現するためには絶対にやるべきトレーニングだと思います。
まとめ
アンガーマネジメントは一見すると難しそうに思えますが、実はそんなに難しい話ではありません。
怒りという感情の仕組みを理解し、それをコントロールするテクニックを身につけるだけなのです。
誰でも実践できるのがアンガーマネージメントの良いところです。
市販されている書籍を購入して学ぶのも良いでしょう。
特に管理職はアンガーマネジメントを身につけて、最大パフォーマンスが追及できるような組織作りを目指しましょう。