
営業職に必要なスキルは、コミュニケーション能力やクロージングスキルなど、たくさんあると思います。
もし営業経験が少なくて、営業トークや提案の流れがわからない…、という場合には、ぜひロープレ(ロールプレイング)を実施してみましょう!
そこで今回は、営業ロープレの仕方と必要性について解説していきたいと思います。
目次
ロープレをする必要性とは?
ビジネスパーソンの中には、「営業ロープレする意味がわからない」とか「ロープレなんて無意味」という人がいるかもしれません。
でも決してそんなことはありません。
営業職は専門的な知識や技術が必要ないと思われがちですが、実は意外とテクニックが求められる職業なのです。
しかし営業部に配属されても、それを手取り足取り教えてくれることは少ないので、新卒営業マンは困り果ててしまいますよね。
そもそもいきなりセールスできる人などいませんし、ある程度は失敗しなければ学ぶことができません。
そんな時に便利なのがロールプレイングだと言われています。
実践で失敗を繰り返すよりは、ロープレで失敗した方がリスクも少ないはずです。
営業ロープレはスキル向上に使えるだけでなく、自分の問題点(=課題)を明らかにできるというメリットもあります。
頭では理解できていても、実際は全くイメージ通りにできないということも少なくありません。
苦手な部分を浮き彫りにすることで、その対策を立てたり、数多くの場数をこなすことで、自分なりの営業スタイルを確立することもできます。
もちろん実際の商談でも場数を踏めますが、ロープレなら失敗してもリスクがないため、営業初心者はロープレを繰り返す方がいいでしょう。
一般的に多くの人は、人前で話すことに抵抗を感じますが、ロープレを繰り返せば度胸がつくので、自信にも繋がります。
そして、ロープレはその場でフィードバックが貰えるので、これはロールプレイングならではの特長だと思います。
実際のセールスでは「お客様はどう感じたのか?」が不明確ですが、ロープレであれば、すぐに意見や感想が聞けるので、効率的な業務改善ができるはずです。
ロープレ前に課題を明確にする
ロープレは「とりあえず人前で話せば良い」というものではありません。
ロープレを開始する前に、課題を明確にすることが大切なのです。
- 何を目的にするのか?
- 何を克服したいのか?
- 何を練習したいのか?
このような部分を明確にしておかなければ、ロールプレイングする効果は薄まってしまいます。
例えば「競合他社より自社製品が優れている点をどのようにアピールするか?」という課題を作れば、ロープレで話す側も評価する側も、基準がより明確になるはずです。
もし課題設定する場合には、ロープレで営業トークをする側と、聞く側の双方で目的を共有しておきましょう。
そしてロープレが終わったら、「実際にその課題を達成できたかどうか?」という話題について集中的に議論するのです。
もし「達成できなかった」という評価であれば、今度は「問題点がどこにあったのか?」を探りましょう。
またロープレで顧客役になる人は、リアルな顧客を演じるために具体的な設定(人物像、課題点、役職など)をしておくことが重要です。
漠然とした顧客イメージより、鮮明で具体的なロールプレイングの方が、より一層効果的になるはずです。
ロープレタイプと種類を解説!
営業のロールプレイングと一口に言っても、実際は様々な種類が存在しています。
例えば「ケースロープレ」と呼ばれる方法は、その名の通りシチュエーションを想定し、それに基づいて行うところが特徴的です。
ケースロープレでは、大雑把なケースだけでなく、細かな対応も決めてロープレしていきます。
先ほどお伝えしたように、営業シチュエーション、顧客のペルソナ、顧客ニーズなど、事前にシチュエーションを想定しておいて、それに基づいたロープレを実施するのです。
ケースロープレの設定内容によっては、短時間で繰り返し訓練することもできるので、営業スキルを短期間で身につけたい場合に向いている方法だと思います。
また「リアルロープレ」は、実際の現場での出来事をテーマにロープレしていきます。
単純に営業トークが上手くなるだけでなく、問題解決する力も身につくので、これはおすすめのやり方です。
全員で行う「集団ロープレ」も効果的だと思います。
これはロープレに参加した人数が多い場合に有効的ですが、ロープレの内容自体は、ケースロープレでもリアルロープレでも構いません。
ロールプレイングは実践型の研修なので、とにかく数をこなすことが大切です。
もし見ているだけの人が出る場合は、全員で実施する集団ロープレを検討してみると良いでしょう。
「グループロープレ」は、全員で行うロープレに似ているかもしれませんが、グループ単位で実施することが特徴的です。
グループ単位で行うので、色々な役割やテーマを設定することができます。
その他にも、トップセールスによるロープレは、他のロールプレイングとは少し勝手が違います。
セールスが上手い人のロープレを全員で見て学ぶので、座学的な意味合いもあります。
このやり方は、忙しいトップセールスを巻き込むので、少し難易度が高いかもしれませんが、もし実施できれば最も効果的なやり方になるはずです。
トップセールスによるロープレは新卒研修やスキルアップ研修に向いていますが、営業トークや雰囲気などが掴めるので、どちらかと言えば「セールスの基礎が身についた人向け(中級~上級)」の訓練方法かもしれません。

ロールプレイングのやり方を解説!
ロープレの基本的なやり方は、まず顧客役と営業役を決めるところから始まります。
もちろん複数のグループロープレもありますが、基本的には一対一が多くなるでしょう。
営業マン役が訓練を受けるトレーニーで、顧客役は相手の課題や、問題点を把握するトレーナー役です。
ロールプレイングは適当にやっても意味がないので、実際の営業現場を出来る限り再現しながら、本気で取り組むことが大切です。
ロープレの効果を実感するためには、本番さながらのシチュエーションで実施しなければいけません。
例えば、初めての訪問営業というシチュエーションもあれば、テレアポから始まる場合もあります。
この辺りは自由ですが、リアリティーのある設定にすることで、より効果的なロープレが行えるはずです。
トレーナー役はフィードバックを実施しますが、それとは別に音声を録音したり、ロープレ中の動画を撮っておくと、反省点や改善点を見つけやすいと思います。
現代はスマホが普及しているので、この辺りは簡単に実施できるでしょう。
ロープレで営業を成功させるコツ
ロープレでは営業役がトレーニーになって、自分の弱点を把握したり、それを克服するのが目的になります。
そのため、簡単に契約に至ってはあまり意味がありません。
もし克服したい”具体的な課題”があるなら、その課題に挑むようなシチュエーションを顧客役が作ってあげましょう。
例えば、気難しいタイプの顧客を演じたり、とても細かい顧客を演じるなどすれば、様々なことが学べるはずです。
ただしトレーニーの経験が浅い場合は、トップセールスなど営業経験豊富な人がトレーナーとなり、実際にお手本を見せた方が良いでしょう。
優秀なトレーナーが実践するだけでなく、あらかじめ撮影しておいた動画を見せることも効果的です。
また、ロープレが終わった後は、トレーニーに感想を述べさせるのも忘れてはいけません。
本人の反省点や気づきを吐き出させることで、トレーニーの感情を落ち着かせる効果もあるからです。
感情が落ち着いている方が、フィードバックを受け入れやすくなるので、この辺りは豆知識として覚えておきましょう。
一人でロープレする方法
基本的に複数人で行うことが多いロープレですが、一人でロールプレイングする方法が無いわけではありません。
もし一人でロープレできれば、自宅でも練習できますよね。
その方法とは、スマートフォンの動画撮影機能を活用するというやり方です。
スマートフォンには動画の撮影機能があるので、スマートフォンをお客様に見立てて、ロールプレイングを実施するのです。
ただし、スマホを置くだけではリアリティに欠けるので、スマホ用スタンドを用意するのが良いと思います。
その方が、真っすぐ相手の目を見て話す感覚でロールプレイングできるからです。
スマホ用の三脚はインターネット通販でも安く買えるので、ぜひチェックしてみましょう。

自分で撮影した動画を見るのは恥ずかしいかもしれませんが、自分自身を客観的に捉えることができるので、「お客様からこう見えていたのか…」とか「話す時のクセがすごいな…」など、かなり貴重な経験ができると思います。
自分では気づけなかった悪い点を発見したり、改善すべきポイントが見つかるかもしれません。
営業ロープレで弱点を克服しよう!
ロールプレイングをすることで、営業トークが身についたり、自信がついたりします。
効果的なロープレをするためには、お伝えした通り”課題を明確にしておく”ことが大切です。
そもそもロープレをする目的とは、営業スキルを磨いたり、セールストークをブラッシュアップするためです。
そう考えた場合、課題を明確にしておかなければ、効果的なロールプレイングが実施できないのは容易に想像できますよね。
ロープレのやり方には色々な方法があるので、参加する人数や目的などに合わせて、自分の課題に合ったやり方を選びましょう。
ロールプレイングは”営業のリハーサル”だと言えます。
リハーサルで実力が出せない人は、本番でも使い物になりません。
ロープレだからといって手を抜かないで、全力で取り組むようにしましょう。
