
営業現場ではお客様と色々な話をしますが、全てを記憶しておくことは到底不可能ですよね。
そんな時には”営業ノート”の活用をオススメします。
多くの営業パーソンはノートやメモを上手く活用しており、その為のコツもあるのです。
そこで今回は、営業ノートの書き方と使い方を解説していきたいと思います。
目次
営業ノートの書き方とは?
営業ノートを活用する前に、まず押さえておきたいことがあります。
それは、お客様の基本情報を整理整頓しておくということです。
顧客の基本情報とは、下記のような情報になります。
- 相手の企業名
- 担当者の氏名
- 会社所在地
- 電話番号
- メールアドレス
- SNS情報
- 担当者の特徴
- 会うときの注意点
基本情報さえ頭に入れておけば、顔を合わせたときでも会話に困ることがありませんし、何かあったらすぐにアポイント(連絡)が取れます。
これらの情報をまとめておくことができるCRMやSFAがたくさん出ているので、顧客情報をまとめるという意味ではそれらのツール活用するのも良いと思いますが、「営業ノートの方が早い」というケースもあるので、使い分けが必要でしょう。
顧客管理については下の記事でまとめているので、よろしければご覧ください。
営業ノートのまとめ方
顧客情報が管理できたら、次は営業現場で活躍する「営業ノート」の出番だと思います。
営業ノートには後々振り返りやすいように記録しておくべき項目があります。
それは、商談(打ち合わせ)した日の日付です。
メモを取るとついつい忘れてしまうのですが、時系列で振り返ることが出来るように、メモに日付を加えるクセをつけましょう。
そうすれば同じクライアントと何回打ち合わせしたとしても、
- お前は何を話したっけ?
- あの話はもう伝えたかな?
- あの商品は提案したかな?
ということがなくなります。
また、「いつ何処で何の話をしたのか?」ということを思い出せるようになるというメリットもあります。
そして、メモに残すことは「打ち合わせの内容」がメインになりますが、メモを取ったときの状況や雰囲気も記録しておきましょう。
打ち合わせのときに相手が強調していた言葉や、表情を変えたキーワードなどがあれば、それも記録しておくのがいいでしょう。
営業ノートを見返したときに、
- なぜ相手はそこを強調したのか?
- どうしてそのような雰囲気になったのか?
など先方のニーズ(本音)を探るヒントにもなります。
見やすいノートを作るためにも、色ペンを使うことも大事です。
メモを取っているときには黒色のペンを使い、重要な部分は赤ペンでラインを引けば見やすくなるはずです。
この辺りは勉強と同じなのですが、もう少し詳しく知りたい場合には、下の書籍をご覧ください。

おすすめの営業ノートはどれ?
次に『おすすめの営業ノート』をご紹介していきたいと思います。
営業ノートには大きく分けて2種類の使い方があります。
- お客様に見せる前提
- お客様に見せない前提
この二つは用途が真逆なので、営業スタイルによって選ぶべき営業ノートも変わってきます。
なので、それぞれのパターンでおすすめの営業ノートをご紹介していきたいと思います。
お客様に”見せる”前提の営業ノート
お客様に見せる前提の営業ノートなのであれば、何よりも重視したいのは「見やすさ」です。
ということで、一番重視すべきは大きさだと思います。
見やすいという観点では、スケッチブック一択でしょう。
スケッチブックをホワイトボード代わりにするイメージなので、ノートとしての機能というよりはプレゼンツールとしての機能が重視されるはずです。
マルマンのスケッチブックは馴染みのある人が多いと思いますが、このスケッチブックのA4サイズがおすすめです。

A4サイズであれば営業カバンにも入りますし、お客様の視認性も高いはずです。
スケッチブックの値段は決して高くないので、1回の商談で5ページぐらい使う感覚で、ガシガシ使っていきましょう!
お客様に”見せない”前提の営業ノート
お客様に見せない前提のノートであれば、大きさは関係なくなります。
なので、このパターンでは自分にとって使いやすい営業ノートを用意しましょう。
色々なノートが発売されていますが、おすすめの営業ノートはナカバヤシの「打ち合わせノート」です。

打ち合わせ100回分を記録することができますが、A5サイズのスリムな外観はメモ帳のような感覚で使うことができます。
もう少し汎用的に営業ノートを使って行きたい場合には、ナカバヤシの「Meeting Note」がおすすめです。

お客様との商談に限らず、社内ミーティングまで汎用的に使えるノートはとても便利だと思います。
ここでご紹介した営業ノート以外でも良いと思いますが、とにかく自分好みの、使い勝手の良いノートを選びましょう。
営業ノートに最適なサイズとは?
営業ノートのサイズには、用途によって適切なサイズがあります。
先ほども解説しましたが、相手に見て貰う機会があるならA4サイズ以上、持ち運びを重視するならB5サイズがおすすめです。
A4サイズの大きめノートはお客様からも見やすいサイズなので、打ち合わせの場でもホワイトボード感覚で広げながら話を進めることが出来ます。
またクライアントから「そのメモが欲しい」と言われた時でも、コピーが取りやすいというメリットがあります。
色々なブランドの営業ノートがありますし、サイズも色々です。
自分の営業スタイルに合わせてノートは選びましょう。
ルーズリーフもあり
B5サイズは大学ノートなどでも採用されているので、学生時代から使い慣れている人も多いと思います。
営業マンが持ち歩くビジネスバックにも収まる大きさなので、B5サイズであれば嵩張ることもありません。
ある程度の広さもあるので、大きな字を書くことができますし、見やすいことも特徴的です。
また営業職は外回りをする仕事なので、
- 荷物を出来るだけ少なくしたい!
- 薄いノートが良い!
という人はルーズリーフを活用しましょう。
ルーズリーフなら紙を入れ替えたり、顧客ごとにインデックスや付箋を付けたりと自由度も広がります。
その日に必要な部分だけ抜き出して、一つのファイルにまとめれば荷物も最小限で済むのです。

個人的にはルーズリーフが好きなのですが、薄めのルーズリーフをおすすめします。
営業ノートの使い方を解説
営業ノートを上手く活用する為には、「やることリスト(To Doリスト)」を作った方が良いでしょう。
商談中に記録したメモを元にTo Doリストを作れば、仕事の効率もアップするはずです。
営業ノートを見返して、やるべきことに優先順位を付けて、自分の「やることリスト」へ落とし込んでいくのです。
ビジネスパーソンはとにかく忙しいので、きちんとタスクを管理しなければ、良い仕事はできません。
やることリストを作っておけば、打ち合わせで決まったことがそのまま放置されず、次の段階へと進むことができます。
会議中や打ち合わせ中に自分がやるべきタスク(宿題)ができた際には、すかさずメモする癖を付けて、期限に間に合うように自分でスケジュール調整しましょう。
このような場面で営業ノートが大活躍します。
成果を出している優秀な営業マンは、たとえトークスキルやコミュニケーション能力が低くても「顧客ニーズを理解しよう!」と常に努力しています。
営業ノートに記録した情報とは、お客様があなたに教えてくれた『顧客ニーズ』なのです。
お客様が「どんなサービスを望んでいるのか?」を見出すための大切な資料になり得ますので、時々見返して復習するのも賢い使い方だと思います。
営業ノートを”データ化”する
打ち合わせの内容を全てデータ化し、情報をまとめるという整理術もあります。
直近一年分の打ち合わせのメモがデータ化されて、スマホやパソコンでいつでも閲覧できればとても便利ですよね。
USBやハードディスクにデータを保存して、その情報が必要になった時に取り出せるようにしておけば、嵩張るノートを整理する必要もありません。
後で検索しやすいように日付や参加者などをタイトルに入れると、すぐにデータを見返せるのでとても便利だと思います。
この辺りは次の項目で詳しく解説していきたいと思います。
営業ノートはパソコンで代用できる
営業ノートは紙だけに限りません。
もちろん、パソコン(PC)やタブレットで代用することも可能なのです。
営業ノートをデジタル化すれば、端末さえあればすぐにメモを取ることが出来ますし、送りたい資料があれば会社に帰らなくてもPCやタブレットから直接送信することもできます。
紙のパンフレットより商品サービスの説明がしやすく、言葉では分かりにくい部分も写真や動画でイメージを伝えられるので、それが結果的にプレゼン時間の短縮にもつながります。
このように、無駄な時間をカット出来るのもデジタル管理するメリットだと思います。
最近ではオンライン商談の機会が増えてきたので、紙ノートは使いづらさが加速している気がしますが、「あなたの話を聞いていますよ」という演出のために、あえて紙のノートを使っている営業マンもいます。
この辺りは一長一短なので、自分の営業スタイルに合わせて選ぶべきでしょう。
パソコンとタブレットはどっちが良い?
パソコンならクラウドストレージに保存したり、USBメモリを使うことができるので、外出先でも資料の印刷ができますし、大きめな容量のデータでも持ち運ぶことができます。

しかも、データをバックアップしておけば、もしパソコンが故障した時でもトラブルを回避することができます。
このような点は、アナログな営業ノートとは違いますよね。
ただ、USBメモリーは社内コンプライアンス的に”NG”という会社も多いので、使う時には注意が必要です。
最近ではGoogleドライブやDropboxなどのクラウドストレージサービスが使われていますが、なんだかんだ言って「エクセル管理」するのが無難だったりもします。
結局、営業ノートは自分が見るだけなので、ローカル管理するMicrosoft Officeのソフトでも大丈夫なのです。
逆にその方がwi-fi環境を気にする必要がなくて、パソコンの動きも軽くて重宝したりもします。
タブレットではPCと同じように端末内にワードやエクセルが搭載されていることもあり、外出先でワープロ代わりにメモが取れます。
もちろんキーボードが付いているので、文字の入力がしやすくて、営業日誌などを記録するときも重宝するはずです。
何より起動するのが早いので必要なときにすぐ取り出せて、素早くメモが出来るのはタブレットPCならではの特徴だと言えます。

電子パッドも営業ノートになる
「営業ノートは嵩張るから持ち歩くのが大変…」という人には、電子パッドがおすすめです。
電子パッドとは、持ち歩き式のホワイトボードみたいなもので、営業ノートの代わりになるのです。
電子パッドの製品はたくさん出ているので、選ぶのも一苦労だと思いますが、機能自体に大差はありませんし、価格もそんなに高くないので直感的に選んで良いと思います。

また、電子パッドと営業ノートの中間的な存在もあります。
その製品はnu board (ヌーボード)と言います。

こちらは電池式じゃないので、電子パッドで懸念される電池切れの心配がありません。
イメージとしては持ち歩き式のホワイトボードなので、とてもシンプルで営業プレゼンにも使えると思います。
一日の仕事を振り返ることもできる
営業ノートを意義あるものにするためには、毎日仕事が終わる度に見直して、その一日の反省をするべきでしょう。
営業ノートを書く目的は、
- どれだけ仕事が進んだか?
- どのような成果を出せたか?
を見直すためでもあります。
日々の仕事を記録することで新しい発見があり、それが自分自身の成長にも繋がるのです。
苦手意識のある人や、対応できてない事柄も把握することもできるので、業務改善にも使えるでしょう。
このように、「どうすれば苦手意識を克服することができるのか?」ということを考えて、営業活動を改善していくことが大切なのです。
その場をただ流しているだけの人と、きちんと毎回復習している営業マンでは、成長の度合いが全く違ってきます。
これは勉強でも同じですよね。
毎日予習・復習しながら授業を受ける人と、授業だけを受けている人では、全く成長率が違ってくるはずです。
営業ノートをつけておけば、一日の振り返りが簡単にできるようになりますが、そればかりに集中するのは要注意です。
打ち合わせやミーティング、商談でメモを取ることばかりに集中してしまい、大切なことをうっかり忘れてしまう人もいるのです。
これでは本末転倒なのですが、お客様との商談で一番大切なことは、もちろんリアルなコミュニケーションと信頼関係の構築です。
これをないがしろにして、メモばかりに集中するのは本末転倒だといえます。
あくまでも営業の補完的ツールがノート&メモなので、「お客様とのコミュニケーションを優先する」ことだけは忘れないようにしましょう。
