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サンクコスト効果は恋愛でも発揮される
不確実性の高いものといえば恋愛でしょう。
恋愛は人対人の話なので、最も不確実性の高い事象だと思われますが、この不確実性の高い恋愛でもサンクコスト効果は発揮されています。
例えば、3年間付き合った恋人がいますが、その人とは結婚まで考えられなかったとします。
しかし、人間はなかなかその人との別れを決断できないのです。
なぜかと言うと、これまで付き合った3年間が全て無駄になったような気がするからです。
つまり、もし別れた場合、これまで付き合ってきた3年間を「損失」とみなしてしまうのです。
もしくは、別れた後にその人以上の相手が見つからなかった場合、それを機会損失と捉えてしまうのです。
そうなるのが怖いので、将来性がないにも関わらずダラダラと付き合い続けてしまいます。
サンクコスト効果から脱出するコツ
サンクコスト効果は一度ハマってしまうと抜け出せない蟻地獄のような存在ですが、もちろん脱出するコツは存在します。
それは自分自身を客観的に見て、サンクコスト効果にはまっているかどうかを確認するのです。
この記事を読んだ人は、「サンクコスト効果とは何なのか?」がきちんと理解できたと思います。
まずはこのように「サンクコスト効果」自体を理解するのが大切なのです。
サンクコスト効果というものが存在していることを知れば、自分がそれに陥っているかどうかは俯瞰的に判断できるはずです。
そして感情論抜きにして、冷静に客観的な判断を下すのです。
これができるようになれば、サンクコスト効果の罠にはまることは無いでしょう。
サンクコスト効果の事例紹介
サンクコスト効果を上手に活用すれば、ビジネスは飛躍的に伸びていきます。
ここでは様々な事例を紹介していくので、あなたのビジネスモデルに使える場合はぜひ積極的に活用してみましょう。
アパレルのサンクコスト効果
例えばあなたは5万円の本革ジャケットを持っているとします。
その革ジャケットはとてもシルエットが綺麗で気に入っているのですが、重くてなかなか着る機会がありません。
全く来ないシーズンは、一年に一回も着る機会がないほどです。
しかし革製品はメンテナンスが大変なので、梅雨シーズンにはカビが生えたりします。
その結果、全く着てないのにクリーニング代だけかかるなんてこともあります。
このような衣服であれば処分するのが最適解だと思われますが、サンクコスト効果が発揮されるのでなかなか処分することができません。
断捨離をする場合、一年に一回も使わないものは「自分にとって必要ないもの」と判断されるケースが多いです。
このようなアパレルはタンスの中にたくさん埋もれていると思います。
それをニーズ喚起して2次流通として活用すれば、大きなビジネスチャンスになるかもしれません。
または衣服の保管ビジネスを立ち上げれば、一定のニーズがあるかも知れません。
会員ランクのサンクコスト効果
会員ランクとして有名なものは楽天会員だと思います。
楽天会員には「シルバー会員~ダイヤモンド会員」まで、購入金額に応じて色々なランク付けがされています。
もちろん会員ランクが高ければ特典が付与されて、いろいろな優遇を受けることができます。
なので一度得た会員特典を失うことは、なんか損したように感じますよね?
ここにサンクコスト効果が仕込まれています。
購入金額が少なくなれば当然会員ランクは下がってしまうので、サンクコスト効果特有の損失回避が働き、無駄な買い物をしてまで会員ランクをキープしようとするのです。
このような心理効果は全ての会員ビジネスに共通しています。
応用しやすいはずなので、会員ビジネスをしている場合にはぜひ取り入れてみましょう。
定期購読のサンクコスト効果
あなたはディアゴスティーニをご存知でしょうか?
ディアゴスティーニとは、付録付きの雑誌を発行しているイタリアの出版社です。
一冊あたりの料金は1,500円から2,000円程度と高額な雑誌ですが、初回のみ500円程度に抑えることがビジネスモデルの肝になっています。
ディアゴスティーニは初回だけ安くなっているので、ついつい興味本位で買ってしまう人が多いようです。
例えば「アメリカン・カーコレクション」と題した雑誌を発行して、その雑誌の中に毎回1台だけミニチュアカーを付録として入れておきます。
そのカーコレクションが全部で20種類あった場合、最初の1台だけを試しに買った人は、他のコレクションも揃えないと損したような気分になるのです。
その結果、料金が高くなった高額雑誌を継続的に買い続けてしまう不合理な行動を起こすのです。
これはペットボトル飲料の付録にも応用されています。
アニメキャラクターとコラボしたアイテムをペットボトル飲料の付録としてネックにかけた場合、それを一つでも購入した人は「全10種類が揃うまで買い続ける」というような不合理な行動をとったりします。
これはコレクターの収集癖のように思われますが、実はサンクコスト効果が働いているのです。
長期優遇制度のサンクコスト効果
長期優遇制度とは、長く利用する毎に割引特典を付与するようなやり方を言います。
長期優遇制度は携帯電話などに使われています。
例えば、1年間利用すると5%割引、2年間利用すると8%割引…のような形で、5年間利用した人には最大20%割引を提供するようなイメージです。
5年間利用していて最大割引を受けているユーザーは、なかなか解約しないですよね。
なぜかと言うと、解約すると割引特典を放棄してしまうので、感覚的に「損した!」という気持ちになるのです。
これはまさにサンクコスト効果が効いている状態だと思います。
他にも株主優待が代表的だと思います。
株主優待には長期優遇制度というのが設けられており、長い期間同じ株式を保有し続けた人には特典が与えられるケースがあります。
例えば、保有期間1年以上2年未満の人にはクオカード500円分、保有期間2年以上3年未満の人にはクオカード1,000円分…このようなイメージで最大2,000円分まで増えたりします。
先ほどと同じく、この株式を売却してしまうと長期優遇特典も放棄することになるので、感覚的に「損した!」と思ってしまうのです。
長期優遇制度はストックビジネスをやっている場合、どのようなビジネスモデルにも応用できるはずです。
まとめ
サンクコスト効果は無意識のうちに発揮される心理効果です。
企業においてはサービスの解約を抑止したり、ユーザーの囲い込みを図れる優れたテクニックだと思います。
まだサンクコスト効果をビジネス活用できていない場合には、積極的に取り入れるようにしましょう。