
「トップ営業マンはサイコパス」だと言われることがあります。
実際にそのような説はとても有力なので、今回は「営業×サイコパス」というテーマで解説していきたいと思います。
サイコパスとは?
サイコパスとは、反社会的な人格を意味する「精神病質」を持っている人の総称です。
サイコパスとは、「感情の一部が欠如している」という点において特筆される精神病質者のこと。 自分以外の人間に対する「愛情」「思いやり」などの感情が著しく欠けている為、きわめて自己中心的に振る舞う傾向がある。 また、道徳観念や倫理観、あるいは恐怖などの感情もきわめて乏しい傾向にある。
ちなみに精神病質(せいしんびょうしつ)とは、英語で「psychopathy(サイコパシー)」と呼ばれている言葉です。
サイコパスという言葉には「猟奇的」とか「異常者」というニュアンスが含まれていますが、反社会的人格の一種を意味する心理学用語なので、主に異常心理学や生物学的精神医学などの分野で主に使われています。
しかし、社会的地位の高い人(経営者や政治家など)や、トップセールスにはサイコパス特性があると言われているのです。
なお、サイコパスに似た言葉に「ソシオパス」がありますが、その意味は以下の通りなので、両者の違いを理解しておきましょう。
ソシオパス(sociopath)とは、反社会的な行動や気質を特徴とする精神疾患(パーソナリティ障害)を抱えた人のこと。 言い換えれば、精神障害が反社会的な振る舞いとして表出するタイプの人を指す。 ソシオパスという言葉は、精神医学の分野で用いられる学術用語ではない。
サイコパスの特徴とは?
サイコパスには特徴的な部分があると言われています。
そこでまず下の質問について考えてみてください。
あなたは父親のお葬式に妹と出席しました。
その葬式で出会った、スタイルがいい黒髪の男性にあなたはとても魅力を感じました。
どうやらその男性は妹の恋人だったようです。
その日の夜に、あなたは妹を殺害しました。
殺害した動機は何でしょうか?
この質問はサイコパス診断でもよく見かける問題ですが、一般的な解答例は下のようなものです。
- 妹を取られるのが嫌だと思った
- 父親の葬式に恋人を呼ぶなんて不謹慎だと思った
- 自分には恋人がいないから、腹が立った
普通はこのような回答をするのですが、サイコパスは以下のような回答します。
妹を殺せば男性にもう一度会えると思った
この二つの解答例を見比べた時、サイコパスの回答には明らかな目的があることが理解できるはずです。
つまり「妹を殺害する」というのは、自分の目的を達成するための手段であり、特にその行為自体には意味がない(感情がない)のです。
サイコパスにとって最も重要なことは自分の目的を達成することであり、そのための手段は選ばないということです。
経営者(社長)もサイコパス
前述したような特性があるので、企業経営者にはサイコパスが多いと言われています。
企業経営とは「ヒト・モノ・カネ」をコントロールしなければいけませんが、ヒトをコントロールすることは決して容易なことではありません。
人間には感情があるので、実際問題コントロールが難しいのです。
しかし社長は感情論抜きでヒトを動かす、つまりコントロールしなければいけないので、自分の目的(売上増加など)を達成させるために、有無を言わさずサイコパス特性が求められてしまうのです。
逆にサイコパス特性がある人は、自分の目的を達成するために他人を上手く操るので、歴史的に「名経営者」と呼ばれる人が多いのです。
営業マンにもサイコパスが多い
ここまでサイコパスの特徴を解説してきましたが、サイコパスにとって一番重要なことは「自分の目的が達成されること」だとお伝えしました。
なので「経営者にはサイコパス特性がある」と言われるのですが、営業職にもその傾向があると言われています。
つまり、営業職の人にはノルマが与えられているので、それを達成するために手段を選ばず行動する人が多いのです。
確かに営業現場は「数字が人格だ!」とか「ノルマ未達成は生きてる価値がない!」とまで言われる厳しい世界です。
これをパワハラと捉える人もいますが、現実的な話としては、どちらにしてもノルマ未達成のまま営業職を続けることなどできません。
どうせ肩身が狭くなって辞めるハメになるからです。
そうすると、結局「数字が人格」というのが正しいロジックだということになります。
そう考えた場合、営業職にとってノルマ達成は死活問題になってきますよね。
なので、営業パーソンは毎日ノルマを達成する方法について考えていて、多少強引な売り方だったとしても、必ず目標を達成させるという強い信念を持っているのです。
そのような要因から「営業職にはサイコパスが多い」と言われるようになったのです。
その流れで「サイコパスでなければトップセールスにはなれない」とまで言われるようになりました。
サイコパスだとは限らない
営業パーソンがサイコパスだと言われる理由は分かったと思いますが、必ずしも営業マンがサイコパスであるという方程式は存在しません。
強気の営業活動をしているセールスパーソンはいますが、あくまで「仕事上でのスタンス」という話しだと思います。
実際にはプライベートで家族を大切にしていたり、意外と口下手だったり、人見知りの人も多いのが営業職の実態なのです。
なので、全員必ずサイコパスだという話ではなく、「仕事中の考え方がサイコパスに似ている」のだと理解しておきましょう。