証券会社のトップセールスになる方法
せっかくの機会なので、最後に「証券営業でトップセールスになる秘訣」をお伝えしたいと思います。
当時はあまり分かっていませんでしたが、今では証券営業でトップセールスになるやり方が明確に理解できています。
もし私がもう一度新卒営業としてチャレンジできるなら、間違いなく全社No.1のトップセールスになることでしょう。
証券営業のトップセールスを目指したいのであれば、まずターゲットを絞り込んでください。
ターゲットとなるのは地元の名士や富裕層だけです。
それ以外の顧客は時間がないので問答無用で切り捨ててOKです。
小さい顧客を開拓するのは簡単ですが、対応工数と時間が取られるわりに収益へは結びつきませんし、どうせ引き継ぎでもらうことになるので、わざわざ自分の時間を割いて開拓する必要などありません。
その場しのぎ、視点の低い営業をするのではなく、もっと大きなビジョンを描きましょう。
地元の名士や富裕層はビジネスの成功者であるため、様々な事業を展開しているはずです。
なので、多少の不器用さはあったとしても、ある程度対等なレベルまで達しなければ相手にされません。
つまり「セールス(売り込み)」ではなく「営業(課題解決)」をするべきなのです。
一般的な証券営業マンは「株を買いましょう!」とか「投資信託を買いましょう!」という提案ばかりしています。
でもこれじゃダメです。
お客様の悩みは”資産を守る”ことだけではないので、もっと色々なビジネスの話をするべきだと思います。
- 他社で上手くいっている社員採用の事例をお伝えしますね。
- 安くていいオフショア開発の会社を知ってますよ。
- 燃料費を下げられるお得な耳寄り情報があります。
- シナジーのありそうな経営者がいるのでご紹介させてください。
- 御社の製品を販売したい会社があるので、お繋ぎしますね。
このような話であれば、多少なりとも経営者は興味を持ちますよね。
営業活動とは「顧客の課題解決」なので、決して株式の売り込みだけではありません。
お客様の話に親身に耳を傾け、役立つソリューションを提供すれば、そのお客様はあなたのことを頼りにしてくれるはずです。
つまり「大和証券の○○さん」というネームプレートが外れて、「優秀な営業の○○さん」という認識になるのです。
そうすれば知り合いの経営者友達を紹介してもらえますし、一緒にゴルフへ行ったり、飲み友達にもなれるはずです。
「社長の友達は社長」という言葉を聞いたことがありますよね。
でもその深堀りを上手くできている営業マンは少ないと思います。
なぜかといえば「お知り合いを紹介してください!」ばかりを言っていて、相手のメリットを考えていないからです。
自分のメリットばかり伝えても、相手は紹介してくれるはずがありません。
成功者と同じ立ち位置になって、お互いにメリットを感じれば、自然と紹介は起こるのです。
「この営業マンは○○さんのビジネスにも役立つ優秀な人だから、ぜひ紹介してあげよう!」
このように思ってもらうことが重要なのです。
そうすると資産の悩みも色々相談されるはずなので、その時に初めて本業の提案をすれば良いだけです。
これを実現する為にはたくさん読書をしたり、色々なビジネスパーソンと交流して情報収集をするべきでしょう。
そして異業種交流会にも積極的に参加していきましょう。
交流会の参加費は数千円程度なので、それは投資だと割り切って、とにかく人脈を広げていくのです。
そして同じく富裕層向けにビジネスをしている人と仲良くなりましょう。
例えば「保険の営業マン」「不動産の営業マン」などが代表的です。
一人で営業していると「1馬力」ですが、同じ富裕層向けにビジネスをしている人と組めば「3馬力」にも「10馬力」にもなります。
営業活動では”戦術(勝つ為の手法論)”が重要となりますが、決して一人でやらなければいけないわけじゃありません。
頭の固い”脳筋営業マン”が多いと感じていますが、営業活動は周りを巻き込みながら「多馬力」でやってもいいのです。
とにかく重要なことは顧客目線に立つことです。
お客様(経営者)のビジネスにとって「何がメリットになるのか?」を真剣に考えましょう。
経営者は孤独なので、一生懸命に自分のビジネスを手伝ってくれる人を無下にすることはありません。
- 人材採用に困っている⇒求人に強い企業を繋ぐ
- 資金調達に困っている⇒ファイナンス知識豊富な会計士を繋ぐ
- 販路拡大したい⇒地方の有力な販売会社を繋いであげる
このような動き方をしてくれる人は、もはや”ビジネスパートナー(=頼りがいある人)”なので、自分の資産をあなたに預けてくれるはずです。
このロジックが理解できていれば、新規口座開設&預かり資産増加は難しくないでしょう。
口座にお金が入ってしまえば、その後の提案は自由自在です。
お客様の資産状況をきちんとヒアリングし、適切なポートフォリオを設計するだけです。
このロジックが理解できた人は、自分が”事業主”であることに気付いたはずです。
会社という枠を飛び越えて、お客様の課題解決のために様々なソリューションを提供することは、自分でビジネスを組み立てることです。
だから「サラリーマンは自分の会社を持て」と言われているのです。
もちろん副業NGであれば会社は持てませんが、現実味というよりは考え方の話です。
ビジネスとは相手の課題を解決することなので、そのような動き方はもはや”事業主”と言えるのです。
預かり資産1億円のお客様、かつアクティブな顧客が10人(1億円×10人=10億円)もいれば、一般的なリテール営業ではトップセールスになれるはずです。
少ない人数であれば、毎月一回は定期面談をして、きめ細かなフォローアップもできるので、さらに信頼感が増していくはずです。
つまり、他の細かい顧客は必要ないということです。
このような顧客層を開拓するのには1年もあれば十分だと思います。
大学在学中から人脈形成を始めて、すぐにアクセル全開できるように準備しておきましょう。
まとめ
証券業界は「資本主義の権化」といえるような会社です。
そういった意味では、資本主義を理解する為には最適な場所だと思います。
また企業経営に欠かせない「ファイナンス」の知識を得ることができる貴重な場所にもなります。
なので「将来は独立起業したい!」という人にも向いているはずです。
とてもきつい仕事ですが、そのぶん得るものはあるので、「株取引が好き!」とか「たくさん稼ぎたい!」という人であれば、証券会社を志望するのは悪くない判断でしょう。
特に新卒の場合には一生を左右する可能性があるので、十分考えながら就職先を選んでください。