目次
21:商社業界の営業職
今では学生の就職先人気No.1になっている商社業界ですが、その営業職は気になる存在ですよね。
- 三菱商事
- 三井物産
- 伊藤忠商事
- 住友商事
- 丸紅 など
商社と言えば資源取引ですが、現在の商社は「なんでも屋」になっています。
具体的な商品は、原油や鉄鉱石などの資源から、食肉や魚、トウモロコシや果物などの食品、機械部品や半導体などのハイテク製品、さらにはジェット戦闘機まで扱うので、本当に様々な商品を扱っています。
つまりあらゆる商品を仕入れて、それを原料として売ったり、加工して売ったりするのです。
世界中から商品を仕入れて卸売する仕事なので、とにかく国際感覚が求められることでも有名です。
英語はもちろんですが、バイリンガル、トリリンガルという社員もたくさんいるようです。
それと共に長期の海外赴任や出張が当たり前なので、そのような生活が楽しめない人には向いていないかもしれません。
営業職としては、現地の窓口担当者だけでなく、その企業で働く従業員と仲良くなったり、コミュニケーションの取れるような人が向いていると思います。
商社の仕事は取引金額が大きく、長期取引になるので、ビジネスパートナーとの信頼関係構築が必要不可欠なのです。
22:コンビニ業界の営業職
コンビニエンスストアといえば小売業ですが、実は営業職が活躍している業界なのをご存知でしょうか。
- セブンイレブンジャパン
- ローソン
- ファミリーマート
- ミニストップ
- デイリーヤマザキ
- セイコーマート など
コンビニ業界の営業職はスーパーバイザー(SV)と呼ばれていて、大きく二つの役割があります。
一つ目はフランチャイズ店の開拓、二つ目がフランチャイズ店のフォローアップです。
つまりフランチャイズ店とFC本部(本社)の架け橋となる存在が、コンビニの営業職なのです。
基本的にスーパーバイザーには本社からノルマが与えられますが、それはフランチャイズ店の売上にも直結していきます。
なので、スーパーバイザーは自分が担当しているお店の売り上げがアップするようにアドバイスしたり、販促活動の支援をするのです。
しかしSVの仕事は「とてもきつい営業」として有名です。
なぜかといえば、そもそも自分がモノをセールスするのではなく、他人(フランチャイズ店)に売ってもらう仕事なので、どうしても他力本願になってしまうのです。
自分の力だけで解決できないもどかしさは、他の営業職とは違う苦労があると聞きます。
なのでスーパーバイザーに求められるのは、「どうすれば人は動くのか?」という経営者的な視点だと言われています。
この辺りに悩んでいる人は、ぜひ下の名著をご覧ください。
23:百貨店業界の営業職
昔は栄華を極めた百貨店ですが、現代では「不要論」も出るような状態になっています。
- 三越伊勢丹ホールディングス
- J.フロント リテイリング
- 高島屋
- エイチ・ツー・オー リテイリング
- 松屋 など
海外のインバウンド(旅行客)需要に支えられている百貨店ですが、コロナパンデミックによって大打撃を受けました。
さらに百貨店を利用する日本人も減り続けているので、相変わらず厳しい状況にあります。
そんな百貨店の営業職は「外商営業」と呼ばれており、富裕層(常連客)がターゲットとなります。
なので一般の人には馴染みがありませんが、基本的にはお客様の家に出向いて、店頭に置いてあるあらゆる商品を販売するのです。
固定客に対して販売する外商営業なので、お客様との信頼関係構築が肝となります。
なので、金融業界経験者などには向いているかもしれません。
24:通信業界の営業職
通信業界は3社独占という状態ですが、ここに楽天が参入して4社目になろうとチャレンジしています。
- NTTドコモ
- KDDI
- ソフトバンク
- 楽天モバイル
- イーモバイル
- ワイモバイル など
個人向けの営業は、街中にあるモバイルショップに勤務しますが、大手企業(通信キャリア)に勤めている人が携帯ショップにいるケースはほぼありません。
携帯ショップで働いている人達は、大手企業の販売代理店であるケースが多いので、大手企業の社員は代理店のフォローアップ営業をしたり、法人営業を担っています。
現代ビジネスにおいてはインターネットは必要不可欠な存在なので、それを社内インフラとして整える必要がありますが、そんな時に法人営業マンが活躍したり、大規模な法人携帯を導入する提案を行なったりしているのです。
25:情報処理サービス業界の営業職
情報処理サービス業界には、「圧倒的な巨人」と言われているNTTデータがいます。
- NTTデータ
- 日本ユニシス
- SCSK
- 野村総研(NRI)
- オービック
- TIS など
世界的に有名な企業でいえば、Oracle、Cisco、SAP、IBMなどがありますが、大手企業(日本IBM、NTTデータ、日本ユニシス、SCSK、TISなど)はなぜか東京豊洲に事務所を置いているという不思議な現象が起こっていることも特徴的な業界です。
こちらの会社は「縁の下の力持ち」のような存在なので、あまり表に出てくることはありませんが、IT化&DX化をする上で必要不可欠な存在だと思います。
その営業職は、クライアントとシステム開発する自社のエンジニアとの間で、常に板ばさみとなっています。
クライアントからは「○○の業務に使うシステムを作って欲しい」という要望を受けるので、それに伴った提案をするのですが、営業マンはSE(システムエンジニア)ではないので、出来る限り顧客の要望に即した内容で受けてしまうのです。
しかしそれは現実から乖離した発注であるケースが多く、自社のエンジニアに言わせれば「こんなの無理!」という要望や納期を営業が取ってきてしまうので、しばしば営業マンとSEが喧嘩しているそうです。
なので、情報処理サービス業界で活躍する営業マンは、IT知識を身につけることが必要不可欠だと言われています。
その上で、顧客の要望を丸呑みしないように交渉できる「ネゴシエーションスキル」も身につけなければいけません。
26:webメディア・ネット広告業界の営業職
webメディアは集客力をマネタイズしていて、さらにメディア内の広告枠を販売していますが、その広告枠を売っているのがネット広告の代理店です。
- Yahoo!(Zホールディングス)
- カカクコム
- エキサイト
- サイバーエージェント
- オプト
- セプテーニ など
グローバルで言えば、Google、Amazon、Facebookなどのプラットフォーマーが力を持っていますが、日本にはそのようなプラットフォームが存在しないので、まだまだポータルサイトなどのWebメディアが強い傾向にあります。
そのようなWebメディアが持っている広告枠を販売するのが、サイバーエージェントなどのネット広告代理店です。
営業職においては、あくまでも「インターネット広告の販売」という業務になるので、比較的プッシュ型のセールスをすることになります。
ただし、IT業界特有のインバウンドマーケティングを活用した集客になる為、基本的には反響営業だと思います。
この辺りは、旧態依然のプッシュ型セールスと一線を画す部分でしょう。
ネット広告は良くも悪くも「水物」なので、顧客の移り変わりも早い傾向があります。
なので、とにかくクイックに動いて、早めに効果を提供する営業スタイルが正攻法だと思います。
27:広告業界の営業職
広告業界といえば「電通」というガリバーがいる業界ですよね。
- 電通
- 博報堂DYホールディングス
- アサツーディ・ケイ など
いわゆる「ナショナルクライアント」の広告戦略を担当している電通や博報堂ですが、過労死事件や東京オリンピックによって、変な形で注目されることになりました。
しかし大規模な広告宣伝を担える(=さばける)企業は他になく、未だに存在価値は高いままとなっています。
この業界は”寡占状態”ということはなく、中小の広告代理店がたくさん存在している裾野の広い業界となります。
それだけ広告ニーズが多く、利益率も高いということでしょう。
広告業界の営業職は「芸能界とも繋がっていて、華やかでハデ」という印象があるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
営業現場はかなり”体育会系”であることが実態なので、文科系出身の人にはしんどい現場だと思います。
そして「広告業界にいてセンスがないと思われるのは致命傷」と言われているので、かなりたくさんの衣服代がかかるのは覚悟しておきましょう。
朝早くから夜遅くまで働きづめで、取引先との飲み会もしょっちゅうです。
クライアントの数が少なくても広告事業が成り立つレベルなので、その関係性はかなり密だと思った方が無難でしょう。
28:テレビ・マスメディアなど放送業界の営業職
2010年頃までは、ダントツ人気だった業界がテレビ業界です。
アナウンサーだけでなく、テレビ局の社員に採用されるのは「東大入学よりも難しい」と言われた時代があったので、もちろん就職活動でも大人気でした。
しかし今はインターネットの台頭により「マスメディアは斜陽産業」と言われるまでに落ち込んでいるので、今後はかなり厳しいことが予想されます。
- フジ・メディア・ホールディングス
- 日本テレビホールディングス
- TBSホールディングス
- テレビ朝日ホールディングス
- テレビ東京ホールディングス
- WOWOW
- 株式会社スカパーJSATホールディングス
- 日本放送協会(NHK)など
放送業界の営業は、広告枠を売ることが仕事になります。
その収入の大半はテレビCM(コマーシャル)で流れる「時間枠」なのですが、その種類は「タイム」と「スポット」の2種類に分かれます。
タイムは番組提供するスポンサーによるCMのことで、スポットとは番組と番組の間に流れるCMのことを言います。
さらに1日のCM枠には限りがあるので、「限られた枠の中でいかに効率よく販売するか?」というのが営業の腕の見せ所です。
「放送業界の営業マンにはゴルフが必須」と言われるほど接待が多い業界なので、もしこの業界を目指すのであればゴルフの腕を磨いておきましょう。
29:新聞業界の営業職
テレビと同じで新聞業界も「斜陽産業」と言われています。
発行部数は年々減少傾向にあり、2030年頃までにはほとんどの新聞が維持できなくなるとまで言われています。
- 朝日新聞社
- 読売新聞社
- 日本経済新聞社
- 毎日新聞社
- 中日新聞社
- 産業経済新聞社
- 西日本新聞社 など
この業界の特徴は、上場している企業がほとんどないことです。
もし上場している株を買い占められてしまうと、情報の中立性や公平性を欠く可能性があるので、あえて非上場という選択をしているようです。
それでも文系最難関の就職先であることには変わりなく、かなり就職難易度は高いと言えます。
気になる新聞社の営業職ですが、こちらも基本的には「広告営業」となります。
新聞広告の営業職は、毎朝他紙も含めた各社の新聞を読んで、「どのような広告が出ているのか?」を確認することから1日が始まります。
基本的には代理店販売になるのでパートナーセールスなのですが、案件によっては直接クライアントと商談するケースもあります。
新聞という「公のメディア」なので、文章力はもちろんですが、企画力も求められる仕事です。
30:出版業界の営業職
- リクルート
- ベネッセコーポレーション
- 講談社
- KADOKAWA
- 小学館
- 幻冬舎
- 集英社
- PHP出版 など
とにかく本が売れない時代なので、出版業界はどこもかなり苦戦しています。
それでも一定数は「本を出版したい!」という人がいたり、「本の方が便利」というシチュエーションがあるので、出版業界がなくなることはないでしょう。
出版社の中にも営業職はいますが、最初から営業に配属されるケースは稀で、基本的には編集をやりながら営業を兼務したり、編集を経験した後にセールスとして配属されるケースが多いようです。
その主な業務内容は、書店への売り込みです。
本は「委託販売」という形式をとっているので、基本的には「本を買ってください」ではなく「本を置いてください」とお願いする営業になります。
もし置いた本が売れなかった場合には、メーカーへ返品することになるので、お互いにとって機会損失ということになります。
なので本ごとに売れそうな書店や場所を探して、とにかく書店の棚を確保することが役割になります。
しかし実態としては、営業対象である本屋はメジャーな大型書店だけで、しかもほとんど前任者からの引き継ぎとなります。
すでに関係値が出来上がっているので、プレゼンをすれば基本的には本を置いてくれますし、それほど過酷な営業とは言われません。
その場での数字(ノルマ)を求められることもないので、比較的ラクな営業だと言えるでしょう。