営業パーソンであれば、1度ぐらい「イエスバット話法」という言葉を聞いたことがあるはずです。
イエスバット法は営業活動にも使えるので、ビジネスパーソンは押さえておくべき知識だと思います。
そこで今回は、イエスバット話法について解説していきたいと思います。
イエスバット話法とは?
イエスバット話法とは、相手の意見を「そうですね(yes)」と肯定してから、「しかし(but)」と自分の意見(反論)を伝える話法のことをいいます。
これは「肯定話法(バックトラッキング)」とも呼ばれますが、心理学を応用した応酬話法です。
親族や友人など親しい間柄であればいきなり否定から入るのも悪くありませんが、取引先など良好な関係性を維持すべき相手であれば、コミュニケーションの取り方は変わってきます。
あまり親しくない相手にいきなり「しかし(but)」とか「でも(but)」と反論すると、その相手は「自分のことを否定(=拒否)された!」と感じるので、最悪のケースでは喧嘩になってしまいます。
そうなってから修復するのは大変なので、そうなる前に対策しておく必要があるのです。
その対策手法がイエスバット話法ということになります。
イエスバット法は時代遅れ?
イエスバット話法は時代遅れと言われることもあります。
コミュニケーション手段は日々進化していて、今と昔ではやり方が大きく違っていることも多いはずです。
つまり、イエスバット法を超えるような応酬話法が続々と出現しているという事です。
ここではその代表例とも言える応酬話法をご紹介していきます。
①イエスアンド法
イエスアンド話法とは、相手の意見を「そうですね(yes)」と肯定してから、「ちなみに(and)」とその理由を伝える話法です。
例えばお客様から「他社製品よりも高いですね…」と言われた場合、「そうですね(yes)」と肯定してから、「ちなみに(and)、高いのには理由があるんです…」とその理由を説明していくのです。
このやり方は、顧客から発せられたネガティブな発言に対して、明確な理由を説明することで、ポジティブに変換する応酬話法です。
先ほどの続きで言えば、以下のような例文になります。
このように説明した場合、「権威への服従」も加わって説得力が増すはずです。
するとお客様は「値段は高いが、こっちの製品の方が良いかも…」と考える可能性が高くなります。
➁イエスイフ法(イエスイエス法)
イエスイフ話法とは、相手の意見を「そうですね(yes)」と肯定してから、「もしも~(if)」と仮定の話を伝える応酬話法です。
このやり方は「イエスイエス話法」とも呼ばれていますが、そのように呼ばれる理由は、相手の意見を「そうですね(yes)」と肯定してから、「もしも~(if)」と仮定の話を伝えた場合、必ず相手からは「そうですね(yes)」という回答が返ってくるからです。
例えば以下のようなやり取りが考えられます。
※店舗に白色のポロシャツを買いに行った場合を想定しています。
このように、イエスイフ法を使えば、顧客の購買意欲を図ることが出来ます。
営業現場は相手の心を読み合う心理戦になっていますが、イエスイフ話法を使えば。それがクリアになるのです。
➂イエスセット話法
イエスセット話法とは、相手から「はい(yes)」を言ってもらうために、事前に道筋を作っておく話法です。
営業現場では「YES(はい)を獲れ!」と言われますが、まさにそのことです。
例えば、英語の学習教材を販売しているセールスマンは、その学習教材をお客様に売り込みたいと思っています。
そのようなシチュエーションの場合、セールスマンはお客様と以下のようなコミュニケーションをとります。
このようなやりとりを重ねて、最終的に「その学習教材を買います!」というところまで持っていくのです。
いきなり「とても良い製品なので、ウチの英語教材を買いませんか?」とクロージングしても、お客様は「いりません(no)」と即答するはずです。
そうではなく、「なぜ英語教材を買うべきなのか?」という潜在ニーズをイエスセット話法によって刺激するのです。
このイエスを積み重ねていけば、最終的にお客様は喜んで英語教材を買ってくれることでしょう。
まとめ
イエスバット話法は「古臭い応酬話法」と言われるかもしれませんが、現代でも全然通用するやり方だと思います。
ビジネスの現場でも使える応酬話法なので、セールスパーソンは積極的に使っていきましょう。