
営業活動では「アフターフォローが重要」だと言われています。
その理由は様々ですが、トップセールスになる為に欠かせない要素なのは事実だと思います。
そこで今回は、お客様を満足させる為のフォローアップについて解説したいと思います。
目次
アフターフォローする意味とは?
お客様に商品サービスを提案した結果、無事に契約締結することは、営業マンにとっていいことですよね。
しかし営業職の仕事は「売ったらお終い」ではなくて、アフターフォローも大切なのです。
アフターフォローとは、日本語で「後方支援」「事後支援」という意味ですが、販売したお客様を継続的にサポートすることを指します。
既存顧客と定期的に連絡を取り合ったり、数ヶ月後に使用感を聞いたりすることで、製品サービスを購入したお客様の満足度を高めていくのですが、まずはその目的を理解する必要があるでしょう。
アフターフォローする3つの目的
アフターフォローをする目的には、主に”3つの目的”があると言われています。
- 顧客満足度の向上
- 継続率の向上
- 信頼度を高める
お客様が満足できる商品サービスにする為には、どうしてもアフターフォローの重要度が増してきます。
もし、無料修理や無償交換などのアフターサービスが付いていれば、相手の不安感が和らぐので、購入することの後押しにもなります。
そのような安心感は、結果的に継続購入(=リピーター獲得)に繋がっていくので、契約数や受注数も多くなるはずです。
また、お客様は購入した商材サービスに不満があったり、故障した場合はそのクレームを言ってきますが、それを逆手に取れば、その意見を製品改良に活かしたり、商材のブラッシュアップに活用することもできるはずです。
このようなアフターフォローをすることで、「ちゃんと商売している会社なんだな…」というイメージを持たれるだけでなく、お客様の信頼度も高まり、満足度もアップするという好循環が生まれてきます。
アフターフォローは営業活動の一環
「アフターフォローなんてめんどくさい…」と思っている営業マンは、すぐにその考えを改めましょう。
アフターフォローは営業活動の一環であり、これを疎かにすると、後々痛い目にあう可能性があります。
例えば、リフォーム契約をする場合、営業マンとお客様が話し合って、具体的なリフォーム内容を決めていきますよね。
しかし、実際にリフォーム工事を行うのは、下請け業者や別部署の人間だと思います。
そのようなケースでは、営業マンが工事&施工をするわけではないので、稀に顧客が希望していた内容と異なる納品物が出来上がってしまいます。
万が一、納品されたモノが想定と違った場合、相手の不信感はMAXになるので、それがクレームへと発展していきます。
そのような不満は蓄積されていくので、これを放置しておくと、もう二度と取引してくれることはありません。
よって、営業マン自身がアフターフォローして、
- 製品サービスの使用感
- お客様の素直な感想
- 正直な気持ち
などをヒアリングして、改善していくことが必要なのです。
営業は”売り込み”をすることだけが仕事ではなく、下のようなことを目指すべき職業だといえます。
- お客様の課題を解決すること
- お客様に喜んでもらうこと
- お客様に満足してもらうこと
上記の1~3はセールス活動の流れを表しています。
「お客様の課題を解決すること」とは、商材提案を意味しています。
営業活動を突き詰めると「顧客の課題を解決すること」なので、決して商材を押し売りすることではないのです。
「お客様に喜んでもらうこと」とは、購買するタイミングを意味しています。
先程解説したように、自分の課題が解決できると確信したタイミングでお客様は喜びます。
そして、「お客様に満足してもらうこと」とは、購買した製品サービスを使った結果を意味しています。
最終的に満足してもらうことでリピーターになってくれたり、周りに良い口コミを広げてくれるのです。
その為にはセールスに専念するだけでなく、アフターサポートもしっかり提供することが大切になります。
そして、お客様の要望に沿って、購入後も様々なサポートを続けていくのがベストだと思います。
押し売りだけを続けている営業マンでは、いづれお客様が逃げてしまいます。
営業パーソンの都合で提案されるばかりでは、お客様も付き合うのが嫌になって当然ですよね。
顧客ニーズや改善ポイントを放置したままにすれば、いつまで経っても商材が進化しないので、お客様は離れていくばかりです。
なので、しっかりとアフターフォローを行って、既存顧客から素直な意見を聞くように努めましょう。
この時におすすめなのが、カスタマーサクセスを新設することなのですが、次で詳しく解説したいと思います。
カスタマーサクセスとは?
カスタマーサクセスとは、自社製品サービスを使って「お客様の成功を支援する」ことを目標にした営業チームのことをいいます。
一般的には『営業部の一部』として認識されていますが、決してセールスをするのではなく、あくまでも『お客様のサポート』が目的になっているので、定期的に顧客を訪問してフォローアップしていきます。
そういった意味では、現代版のルート営業みたいなイメージでしょう。
そんなカスタマーサクセスの主な役割は以下の通りです。
- 製品サービスの使い方を説明
- 製品サービスの改善点をヒアリング
- お客様とのコミュニケーションを図る
上記のような営業活動をすれば、お客様との信頼関係が築けるので、結果的に長期取引が実現できます。
なので、営業現場でカスタマーサクセスが担う役割はとても重要なのです。
主にIT系の企業でカスタマーサクセスの導入が進んでいますが、それ以外の業種業態でも導入が進んでいくと思われるので、もう少し詳しく知りたい人は下の記事をご覧ください。
アフターフォローのやり方(方法)
フォローアップ営業では、電話や訪問、メールなどを駆使しながら、顧客の状況をヒアリングしていきますが、アフターフォローのやり方はお客様によって変える必要があると思います。
例えば、企業間取引(BtoB)の場合、電話や訪問でのアフターフォローが効果的だと言われています。
例えばクライアントの担当者と話をして、
- 使用した感想
- 今後求めること
- 改善した方が良いこと
などを聞けば、「ウチの会社を気にしてくれているんだな…」と相手を感じるので、継続率も高まるはずです。
電話や訪問は数週間~数ヶ月に1回の頻度で行い、そろそろ次の注文だと思う時期に連絡を取ってみれば、追加発注がもらえる可能性もあります。
このように、アフターフォローにはメリットがたくさんあるので、「実行しない」という判断は基本的にないと思います。
個人向けアフターフォローのやり方
エンドユーザーが一般消費者(コンシューマー)の場合は、電話や訪問でのアフターフォローは、逆効果になることがあります。
このようなBtoC営業では、そもそもアフターフォローする対象が多すぎるケースが普通なので、メールやDMでフォローアップするのがおすすめですが、段階的に内容が異なるメールを送る「ステップメール」と呼ばれる営業手法を用いるのもいいでしょう。
ステップメールを受け取った消費者は、「サポートが手厚い!」と感じるので、信頼度や親近感が湧きやすいと言われています。
ステップメールでは、購入して数日後に「商品は届きましたか?」、数週間後に「商品に不満はありませんか?」などと順次聞いていきます。
そして不満点や意見を伝えられる、
- メールアドレス
- 問い合わせフォーム
- チャットボット
も用意しておけば、お客様の意見を吸い上げられます。
最終的に商品がなくなりそうなタイミングでステップメールを送ると、リピーター獲得にもなるでしょう。
アフターフォローするメリット
営業マンがアフターフォローする一番のメリットは、やはり「お客様からの信頼度が高まる」ことでしょう。
既存顧客をフォローアップすると、お互いの信頼関係が強固になるので、結果として売上&利益が多くなるとされています。
その理由としては、既存顧客がリピーターになる可能性が高くて、解約防止にも繋がるからです。
アフターフォローの方法は、
- 訪問営業
- 電話営業
- メール営業
- 手紙営業
- DM営業
など様々ですが、定期的に困ったことや疑問点がないか確認しておくと、「信用できる取引先」だと思ってもらえます。
そうすると会社全体の評判もアップするので、また仕事が舞い込んでくるという好循環になるのです。
お客様との関係性が良くなる
アフターフォローすることは、お客様との”接点”を増やすことに繋がっていきます。
なので、コミュニケーションする中で、次の発注(注文)がもらえる場合もあります。
つまり結局のところ、営業とは「人対人」という構図であり、それが今後も変わることがないのです。
お客様は自分のことを気にかけてくれる人を大切にしますし、そうでない営業マンとは取引しません。
ただそれだけなのです。
このような関係性を構築することはとても難しいですが、アフターフォローをすることで、自然と関係性が良くなるので、この辺りは泥臭く行いましょう。
解約率が下がる
価格やサービス内容など、様々な要因で”解約(契約解除)”は起こり得ます。
時には競合企業に鞍替えされてしまう場合もありますが、アフターフォローを続けていれば解約率は確実に減らせます。
しかしそれでも解約は一定数出てしまうので、そんな時には乗り換える会社名やサービス名を必ず聞きましょう。
なぜなら、その商材・サービスはあなたが提供するプロダクトよりも優れている可能性が高いからです。
なので、そのライバル製品を調査すれば、さらに自社製品のクオリティが高まることに繋がっていきます。
ただし、アフターフォローのやり方を間違ってしまうと、「しつこい営業だな…」と感じさせてしまうリスクもあります。
ただ頻繁に電話をしているだけだと、アフターフォローのつもりが「うざいヤツ!」というレッテルを貼られるデメリットもありますので、十分注意しましょう。
アフターフォローで品質が上がる
アフターフォローすることで、利用した感想や使用感などがわかるので、サービス品質の向上が期待できることがお伝えした通りです。
ただし、商品サービスに対する不満点や改善点を聞いたら、それをできる限り早く反映させて、改善に繋げることが大切です。
お客様の要望を取り入れて不満点を改善できれば、CS(Customer Satisfaction)を高めることができるからです。
先程も少し触れましたが、顧客満足度とは利用したお客様が「どれくらい満足できたのか?」という指標になります。
つまり、顧客満足度が高ければ高いほど、リピーターが増える確率も高まるのです。
サービスの問題点が発見できる
取引内容や商材サービスに不満が多い場合、解約されたり取引先を変更されてしまいます。
しかし逆説的に言えば、それと真逆のことをすれば継続率が高まるかもしれません。
これは意外とシンプルな話なのですが、ほとんどの人が気付いていたとしても、実際には実行できていないことだと思います。
解約する前に、今まで不満に思っていた点が改善されれば、「もう一度利用してみよう!」と思ってもらえるかもしれません。
実はアフターフォローにはこのような役割があるのです。
顧客ニーズをしっかりと把握して、顧客満足度(CS)向上に努めると、結果的にサービス品質が上がることに繋がっていきます。
お客様に対して一方的に商材を押し売りするのではなくて、お客様が求めるものを提供する…
「営業マンにとっては当たり前のこと」と誰もが思うはずですが、それを実践できている人は決して多くないはずです。
いつも会社が売りたい商材ばかりを売っていて、「本当に良い提案」ができるのでしょうか?
これは営業職のジレンマとも言えますが、ある意味では宿命です。
しかし、そのような現状を嘆いていても仕方ありません。
あなたのサービス品質が上がれば、既存顧客のCS向上だけでなく、リピーター&新規顧客も増えていきます。
その為には、お客様が求めるレベルを知ることも重要です。
お客様はあなたが想定するよりも、もっとハイレベルな要求をしているのかも知れません。
自分に求められているレベルをしっかりと把握して、それに見合ったものを提供しましょう。