
コンシューマー向けビジネス(BtoC)をしている人なら、おそらくチラシ配りを経験したことがあると思います。
道行く人にビラを渡すだけなので簡単かと思いきや、意外とその難しさに気付きますよね。
たくさんビラを撒いても無視されることが多いので、「果たしてこんなの意味があるのか?」と疑問になったこともあるはずです。
そこで今回は、チラシ配りのコツについて解説していきたいと思います。
違法にならないやり方にも触れるので、これからビラ配りを始める人は事前にご覧ください。
目次
ビラ配りは違法なの?
街中を歩いてると、あちらこちらでビラを配っていますよね。
そのような人をたくさん見かけるので「チラシ配りなんて誰でもできるでしょ?」と思われがちですが、実はそんなことありません。
チラシを配っている道路は「道路交通法」で定められた公道なので、勝手にビラ配りすることはできないのです。
自分のお店の前であれば規制対象外ですが、もしそれ以外の場所でチラシを配りたい場合には、所轄の警察署へ届け出て、許可をもらう必要があります。
これを「道路使用許可申請」と呼んでいますが、最寄りの警察署で受け付けてもらえるはずです。
つまり、もし許可を取らずにチラシ配りをしていた場合、誰かに通報されたり、通りかかった警察官に捕まってしまう可能性があるのです。
道路使用許可については、道路交通法第119条で罰則が規定されており、道路使用許可が必要であるにもかかわらず使用許可を取得しなかった場合は、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科せられることになっています。
ちなみに、道路使用許可申請には1回あたり2千円の費用が必要ですが、1回の申請で7日間の許可が得られます。
また、一度に2回分の申請ができるので、最大で14日間の許可が得られます。
少し面倒な手続きではありますが、もし街中でビラ配りをしたい場合には、必ず警察署へ届け出て、許可をもらうようにしましょう。
>>警察庁ホームページ「道路使用許可の概要、申請手続等」
ビラ配りの声掛け方法
チラシ配りをする場合、「とにかく大量にばら撒けば効果が出る!」と勘違いしている人を見かけます。
しかしそのようなやり方では決して上手くいかないのです。
実はチラシ配りには、成功するためのコツがあります。
その第一歩となるのがファーストコンタクトです。
ファーストコンタクトとは「第一声」と言い換えることもできますが、街中を歩いてる人に対してチラシを渡すときの一言を指します。
例えば、オーソドックスな声掛けといえば「チラシをどうぞ」とか「チラシをお渡ししています」とかですよね。
しかし、このような声掛けではほとんど効果が出ません。
そうではなく、一人一人に応じて声掛けの内容を少しずつ変えていくことが必要なのです。
例えばあなたは居酒屋の店主で、そのお店に集客の為、お店の前で昼間にビラを撒くとします。
そんな時、お店の前をサラリーマン風の男性が通りかかりました。
その人にやるべき声掛けは以下のようなものです。
~チラシを差し出しながら~
お疲れ様です。
冷たい生ビールをご用意しています。
ぜひお仕事帰りに寄ってください。
自分のお店の前を通るということは、この近くに勤務先があるのかもしれません。
そう考えた場合、有力な見込み顧客となりえるので、仕事帰りに立ち寄るのを提案すれば良いでしょう。
次に主婦っぽい女性が通りかかりました。
その人にやるべき声掛けは以下のようなものです。
~チラシを差し出しながら~
こんにちは。
ご家族で楽しめる鍋料理もご用意しています。
是非ご利用ください。
毎日の夕飯メニューに悩んでいる主婦には、「夕飯を作る手間が省けます」という趣旨のメッセージが効果的でしょう。
このように、人によって声かけ方法を変えるのが、ビラ配りを成功させるセオリーなのです。
成功するチラシ配りのコツ
チラシ配りのコツとは、「誰に配るべきか?」を見極めることです。
実はビラ配りにおいて、誰彼構わずチラシを撒くことは無意味なのです。
なぜかと言うと、ニーズに合致しない人にチラシを渡しても、決して集客には繋がらないからです。
例えば、女性がメインの美容室なのに、40代男性にチラシを渡しても意味ありませんよね。
極端な話ではそういうことです。
チラシというのは低価格ですが制作料金がかかっています。
つまりコストがかかっているのです。
また、チラシを渡す時間は限られているので、その時間の中で最大効果を追求しなければいけません。
そう考えた場合、無駄打ちしている暇など無いのです。
決裁権者を見極める
複数人で歩いている場合、一人で歩いているよりもチラシを受け取ってくれる確率が高まる傾向にあります。
なので、複数人のグループには極力チラシを渡した方が良いですが、その場合には決裁者を見極めた方が良いと思います。
例えば、男女のカップルだった場合、多くのケースで男性が決裁者となっているはずです。
これはもちろんシニアでも同じです。
もし相手がファミリーだった場合、決裁者は父親かもしれませんが、まず声かけすべきなのは子供だと思います。
子供が良い反応を示した場合、親はそれをほっとくわけにいきません。
そこですかさず「お子様メニューもありますよ」とクロージングすれば、きっとお店に入ってくれるはずです。
チラシ配りに効果的な場所
チラシ配りする場所はどこが良いでしょうか?
それには色々な答えがあると思いますが、セオリーをお答えすると「歩いている人の目的と合致する場所」という回答になります。
例えばあなたが飲食店をやっていた場合、見込み顧客となりえるのは「お腹が空いている人」や「食事できる場所を探している人」ですよね。
間違っても「携帯電話を探している人」や「洋服を探している人」ではないはずです。
そう考えた場合、もう少し広く捉えることができるはずです。
例えば、あなたのお店のすぐ近くに「待ち合わせに使われるスポット」があったとします。
そこで待ち合わせしている人は、その付近で何らかの用事があるはずです。
友人と一緒にウィンドウショッピングする、恋人と一緒にデートするなど様々ですが、その流れの中で食事できる場所を探すかもしれません。
そのような人にチラシを渡しておけば、来店してくれる確率が高まるはずです。
逆に駅に向かうような人たちは、その場所から帰るつもりの人達だと思います。
そのような人にチラシを渡しても無駄ですよね。
飲食店のビラを渡しても、それをずっと大事に取っておく可能性は決して高くありません。
チラシ配りに向かない場所
チラシ配りに向いている場所があれば、むかない場所もあるのです。
それは自分の存在が目立たない場所です。
超人気店がある場所や、看板や照明が多すぎる場所は、歩いている人の視界が分散されてしまいます。
賑やかな場所では周りに気を取られてしまうので、チラシ配りしている人の存在があまり目に入らないのです。
そうではなく、極力自分の存在が認識されやすい場所でビラ配りした方が良いと思います。
そして日向と日陰では、出来る限り日向でビラ配りするようにしましょう。
明るい場所の方が相手に与える印象が良くなるので、チラシを受け取ってもらえる確率が高まるのです。
そして絶対にNGと言われている場所が、人のお店の前です。
これは理由を言わなくてもわかると思いますが、自分のお店の前で他人がビラ配りしていたら嫌ですよね。
周りの評判も悪くなってしまうので、人に迷惑をかけたり、敵を作る行動は避けるようにしましょう。
チラシを配る時間帯とは?
まず結論から言ってしまいますが、チラシ配りには最適な時間帯があります。
しかし、その時間帯は業種業態によって異なるので、自分のビジネスによって配る時間帯を変えてみましょう。
例えば、ランチ集客を狙いたいカフェであれば、狙うべきターゲットはお店から半径500メートル以内の企業だと思います。
なので、オフィスの入口に近いバス停や電車の駅で、出勤時間にビラ配りをするのが良いでしょう。
朝の出勤時間はみんな急いでいるので、この時の声かけは「今日のランチ良かったらお越しください」くらい短いフレーズにしましょう。
ランチ集客の場合には、ランチタイム(11:30~12:30)にビラ配りするのも効果的だと思います。
ディナーの場合には、18:30~19:30がホットタイムです。
どちらも時間が限られるので、その時間帯に集中してチラシを撒くようにしましょう。
逆に、自宅でゆっくりチラシを見て欲しい場合には、大手企業であれば18:00~20:00、中小ベンチャー企業であれば20:00~22:00がホットタイムだと思います。
最寄りの駅付近でチラシを撒くのが良いでしょう。
仕事終わりの会社員は心に余裕があるので、少し長めの声かけでも良いと思います。
ポスティングというやり方もある
ここまで街中でのビラ配りについて解説してきましたが、中には「人に声掛けるのが苦手」とか「人見知り」という人もいるでしょう。
そのような場合には「ポスティング」というやり方があります。
ポスティングとは、名前の通り「ポストにチラシを投函する」というやり方なので、人と会話する必要がなく、非常に簡単なことが特徴的です。
ただし、ポスティングを実施する企業は多いので、適当に作ったチラシでは見られることがなく、すぐ捨てられてしまいます。
つまり競合他社(ライバル)が多いのです。
なのでポスティングで勝ち抜くためには、まずインパクトのあるチラシ作成が必要になります。
それはプロのデザイナーに任せた方が良いので、それなりの予算もかかると思います。
そして、チラシだけでなくポケットティッシュを同封したり、マグネット型にする、割引券を進呈するなど、色々工夫してみるのが良いでしょう。
まとめ
ここまでチラシ配りのコツについて解説してきましたが、もし忙しければアルバイトを雇ってビラ配りしてもらうという方法もあります。
アルバイトは一般的な求人サイトで募集できるので、もし予算があればそれでも良いと思います。
ただし、ここで紹介したようなノウハウを自分で身につけて、それをアルバイトに伝えられなければ意味がありません。
ここまで読んだ人は、適当にビラを撒いても全く意味ないことが理解できているはずです。
なので、成功するためのノウハウをアルバイトに伝えなければ、人件費の無駄使いになるはずです。
そう考えた場合、入れ替わりの激しいアルバイトに任せるよりは、自分でやったり親族にお願いしたほうが無難かもしれません。
チラシ配りはやればやるほど効果が出るはずなので、まずは行動することをお勧めします。