
サラリーマンであれば、多少なりとも飲み会に参加したことがあると思います。
忘年会や新年会、歓送迎会、決起会などはもちろん、社外の取引先と会食する機会もあるでしょう。
それらを総じて「飲みニケーション」と呼んでいますが、一部では不要論も出ています。
このような流れは、皮肉にもコロナ禍で加速することになりました。
しかし「飲み会なんて無駄」とか「飲み会なんて時代遅れ」と一刀両断するのは勿体ない話です。
そこで今回は、不要論が根強い「飲み会」を、上手にビジネス活用するコツについて解説していきたいと思います。
経営者(社長)や個人事業主(フリーランス)だけでなく、サラリーマン(会社員)にも役立つ情報なので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
飲みニケーションは無駄なの?
年々「飲み会不要論」が強くなっています。
その背景にあるのは「昭和の飲みニケーション」のイメージが強いからだと思われます。
高度経済成長期は、毎日飲んで帰るのがサラリーマンにとって当たり前で、それによって信頼関係を構築しつつ、次の大きな仕事に繋げていったのです。
その時代にはSNSなどのコミュニケーションツールが無かったので、唯一無二のコミュニケーション手段が飲みニケーションだったのです。
しかし現代は違います。
LINEをはじめ、たくさんのwebツールが出ているので、それだけでも会話は成立してしまいます。
その結果、人と人との関係性が希薄化したのです。
極端な話を言えば、チャット(LINEなど)だけでもコミュニケーションは事足りてしまうので、わざわざ時間とお金を割いてまで人と会って「飲みニケーションしよう!」という発想に至らないのかも知れません。
若者が飲み会を嫌っている
飲みニケーションを嫌っているのは「Z世代」と呼ばれている若者だと思います。
Z世代(ジェネレーションZ)とは、概ね1990年代中盤から2010年代序盤までに生まれた世代のことである。
ウィキペディア
もしかしたら、30代の会社員でも飲み会嫌いの人はいるかもしれませんね。
そのような人達の共通点は、以下のようなものだと思われます。
- 古臭い文化が嫌い
- コミュニケーションが苦手
- 人付き合いが下手くそ
- お酒やタバコが苦手
- 合理主義者
- 極力争いを避けたい
現代の若年層はとにかく知識が豊富なので、常に合理性を追求しています。
それがミニマリストになったり、アドレスホッパーになったりしているのです。
ミニマリストとは、持ち物をできるだけ減らし、必要最小限の物だけで暮らす人のこと。
コトバンク
アドレスホッパーとは、固定の住居を持たず、全国にある拠点を移りながら暮らす人のこと。
CNET Japan
そのような人達からすると「仕事のために酒を飲むなんて面倒」とか「仕事は結果で評価されるべき」という感想になっても仕方ありませんよね。
しかしよく考えてみて欲しいのですが、仕事で結果を出すには、周囲に協力してもらわなければいけません。
営業職であれば、お客様はもちろんですが、会社内の事務職や経理部と連携することも必要でしょう。
上司とも適切なコミュニケーションが取れなければ、新規受注を量産することなどできません。
つまり、現代ビジネスにおいても飲みニケーションは必要とされているのです。
しかしZ世代を中心とした若年層は、リアルの対人関係に苦手意識を持っており、なかなか飲み会に出ようとしませんが、それは自分のチャンスを潰す行為なので、非常に勿体ないと思います。
人間関係を深くすることは、何事においても有利に働きます。
プライベートでの信頼関係はもちろん、大きな仕事を成し遂げるためには、お互いの信頼関係が欠かせません。
なので、積極的に飲みニケーションすることをお勧めします。
飲みニケーションするコツを大公開
飲みニケーションが苦手な人にとって、飲み会は地獄かもしれません。
しかし、飲みニケーションするコツを身につければ、何も怖いものはありません。
むしろ飲み会が好きになってしまうかもしれません。
「100枚の名刺より1回の飲み会」という格言があること、お酒(アルコール)は便利なモノです。
しかし、何の戦略や目的もなく、フラっと飲み会に参加するのはお勧めしません。
飲みニケーションを成功させるためには秘訣があるのです。
ここでは飲みニケーションするためのコツについて解説したいと思います。
①コスト意識を持つ
飲みニケーションということは、言葉の通り「飲食費を支払う」ことになります。
つまり「経費(コスト)」が発生するということです。
会社が接待交際費を支給するならマシですが、個人的な飲み会であれば全額自己負担になります。
どちらにしても、経費が発生するのには変わりありません。
そう考えた場合、絶対にコスト意識を持つべきなのです。
例えば、1万円の飲み会だった場合、それを回収できるだけの収穫を得なければいけません。
その収穫とはつまり「売上」のことです。
社内行事であれば別ですが、もしビジネス関係の飲み会(異業種交流会や会食など)に参加するのであれば、売上に繋がるような何かを得る必要があります。
なので、もしビジネス関係の飲み会に参加する場合には、必ず「コストを回収できるのか?」を考える癖を付けましょう。
➁SNSをフル活用する
SNSは現代ビジネスにおいて、必要不可欠なツールになっています。
FacebookやTwitter、Instagramなどを日常的に使っているビジネスパーソンは多いはずです。
そこには様々な個人情報が投稿されているので、それを集めて飲みにケーションのネタにしてしまいましょう。
ビジネス系の飲み会では、最初会話が盛り上がらないはずです。
なので「Facebookを拝見したんですが、ゴルフが趣味なんですね?」と話題を振れば、相手は喜んで話してくれるはずです。
もし相手のSNSが見当たらなければ、会社のSNSをチェックしてみましょう。
現在は、法人としてのSNSアカウントを持っているのが当たり前の時代です。
そこには新製品の情報や、プレスリリース情報などが発信されているはずです。
それらをチェックして話題のネタにするのが良いでしょう。
➂気遣いで演出する
食事する相手が「お酒は苦手」というケースもあるでしょう。
そのような場合には、気を遣わせないように夜の会食でなく、ランチ会を催しましょう。
ランチ会であればお酒が絡まないので、アルコールが苦手な人でも気楽に参加できると思います。
さらにランチ会であれば、1回あたり2千円程度で済むので、コスパが良いこともメリットだといえます。
夜の会食はどうしても1万円ぐらいかかってしまいますが、ランチ会であればその経費(コスト)で5回ほどの会食に参加できます。
これはつまり「費用対効果が5倍になった!」ことを意味するので、積極的にランチ会はやるべきだと思います。
④お店選びは慎重に
自分が会食を主催する場合、お店を選ぶことになりますが、場所選びは慎重にしましょう。
まずやるべきことは、参加者(相手)の自宅住所を把握しておくことです。
そして、自宅住所に帰りやすい場所を会場として選ぶのです。
相手の嫌いな食べ物をリサーチする事や、お店のメニューを事前に確認しておくこと、お店の名物料理を把握しておくのはもはや当たり前の話です。
もちろんどれも個室があるお店で、そのような行きつけの飲食店を10軒ほど持っておくのをおすすめします。
東京であれば、渋谷、新宿、池袋、銀座、品川、上野など、主要駅には必ず行きつけの店を作るべきだと思います。
その飲食店を参加者が気に入ってくれて、お店の常連になってくれれば大成功だと思います。
➄ネクストアクションを決める
楽しく会食するのは良いことですが、それで終わっては意味がありません。
コストを支払う会食なので、必ずネクストアクションを決めるようにしましょう。
- 明日、私からアポイント日程のメールを送りします。
- 本日話題に上がった新製品を、来週ご提案させてください。
これは好きなタイミングで打診して良いですが、一番印象に残るのは別れ際に伝えることだと思います。
なので、不自然でなければ、別れ際にネクストアクションを決めるようにしましょう。
⑥お礼メールを送る
会食相手がお客様だった場合、絶対にお礼メールを出すべきだと思います。
電話で伝えても良いですが、メールの方が相手に気遣いさせないですよね。
とはいえ、これは飲み会のあるあるネタですが、アルコールが入った状態では酔っぱらっているので、なかなか良いお礼メールが作れません。
すると「明日起きてからにしよう…」とか「後でもいいや」という気持ちになり、結果的に送信するのが遅れたり、そもそも送るのを忘れたりするのです。
それでは本末転倒なので、お礼メールは必ず会食の前に作成する癖を付けましょう。
作成したお礼メールを「下書き」の状態にしておけば、後は送信ボタンを押すだけです。
これを翌日の朝一番にお客様へ送信するのです。
お昼過ぎに送信するようなヘマを絶対にしてはいけません。
➆飲み会を好きになる
色々なテクニックを紹介してきましたが、そもそも自分が飲み会を好きにならなければ、飲みニケーションは苦痛のままです。
なので、最後には「飲み会が好きだ!」と言えるようになりましょう。
上手く飲みニケーションすれば、人脈が増えて、あなたの支援者も増えるはずです。
ビジネスをする上で、自分の事を支援してくれる人は多ければ多いほど有利となります。
せっかくの飲み会なので、楽しく参加しましょう。
飲みニケーションには戦略が必要
飲みニケーションと聞くと、なんとなく「お酒を酌み交わして仲良くなること」と思われがちですが、ビジネスにおいての飲みニケーションはそんな生易しいものではありません。
仕事を円滑に進める目的があったり、売上を増やすために飲みニケーションは行われているのです。
そう考えた場合、何の戦略もなく飲み会に参加することは、武器を持たずに戦場へ行くのと同じだと気付くはずです。
きちんとしたコスト意識を持って、必ず勝てるシナリオが必要なのです。
このような意識で飲み会に参加すれば、きっと成果はついてくるはずです。
人間関係が希薄化している現代では、人間関係を深掘りした人が勝つはずです。
人と同じことをやっても意味がないので、逆張り思考で飲みニケーションを有効活用していきましょう。