副業解禁しない会社はヤバい?副業推進50社の目的と理由

これまで日本では「専業で働くことが当たり前」と考えられていましたが、政府が基本姿勢を方向転換したことをきっかけに、かなり大きな動きが出てきています。

それは”副業解禁”がきっかけになったと言えるでしょう。

そこで今回は、副業解禁になった理由や背景、それに伴うメリット&デメリットなどを解説していきたいと思います。

この記事をチェックすれば、副業解禁しないことがどれほどヤバいことか理解できるはずなので、ぜひご確認ください。

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政府が推進する”働き方改革”とは?

2016年の首相だった安倍晋三は、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置して、2017年に処遇改善や労働生産性向上など9つの分野に言及した計画をまとめました。

実現に向けたロードマップなども示されるなか、2018年には働き方改革法案が無事成立することになりました。

この「働き方改革とは何なのか?」という部分を簡単に説明すると、「一億総活躍社会を実現するための改革」ということになります。

一億総活躍社会とは、50年後も人口1億人を維持して、誰もが活躍できる社会を目指すことをいいます。

日本の人口は2020年段階で1億2000万人と言われていますが、少子高齢化の影響で徐々に減っていくと言われており、人口減少は待ったなしの状態です。

そのような社会課題の解決に向けた働き方改革法案は、2019年4月1日から順次適用が開始されるようになりました。

働き方改革の概要

働き方改革法案に関連する項目の概要は主に8つあります。

そのうちの1つは、残業時間の罰則付き上限規制で、労働者の過労死を防ぐために策定されました。

他にも、

  • 5日間の有給休暇取得の義務化
  • 勤務間インターバル制度の努力義務

など労働者の勤務時間に関する項目などが設けられています。

労働者の長時間労働問題やそれに関連する健康管理の問題から、産業医の機能強化にも義務が課されます。

また、割増賃金の中小企業猶予措置廃止や、同一労働・同一賃金の原則適用など賃金に関する法案も設けられました。

高度プロフェッショナル制度の創設や、3か月のフレックスタイム制もガイドラインに盛り込まれています。

このような労働者の就業状況の改善を目的にした施策が「働き方改革」なのです。

2018年が副業解禁元年!

働き方改革と同時に注目を集めたのが、副業の解禁です。

実際、2018年は「副業元年」と呼ばれました。

これは、政府が2017年3月にまとめた働き方改革の実行計画で、「副業・兼業の推進」が掲げられたのを受けて、2017年11月に厚生労働省が有識者検討会に提示した「モデル就業規則」の改正案がきっかけになっています。

今までのモデル就業規則では、副業について「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」と定めていたのですが、この項目を削除して「本業に支障がない限り、労働者は勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」に改正する案を提示しました。

そして、2017年度内に改正することを決定し、2018年1月に改正した”モデル就業規則”を厚生労働省のホームページで公開するに至ったのです。

モデル就業規則は多くの会社が手本にしている雛形なので、この改正はかなり大きな影響を及ぼしました。

この改正では、長時間労働に陥らないように企業が確認する観点から、「副業する場合には会社に届け出すること」を前提としていますが、「実質的な副業・兼業の解禁」といっても過言ではない内容になっています。

今まで多くの企業が就業規則で副業・兼業を禁止してきたのは、日本の企業風土が「他の会社でアルバイトするなんて、本業の会社に申し訳ない…」といった本業至上主義だったこともありますが、一番大きな理由は「国が提示したモデル就業規則に則っている方が良い」と判断していた為です。

したがって、2018年のモデル就業規則の改正で、多くの企業が副業解禁に踏み切ると予想されたため、2018年が「副業解禁元年 」と言われるようになったのです。

副業解禁は国策である

政府は働き方改革の一環として、2018年1月に「副業・兼業の推進に向けたガイドラインや改訂版モデル就業規則の策定」を発表しました。

従来のモデル就業規則には「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という記載がありましたが、この一文が削除され、代わりに第14章に「勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」という一文が追加されました。

これまで兼業・副業は原則禁止とされていましたが、会社の利益に反しない限り可能となり、兼業・副業は原則自由へと大きく方向転換したのです。

改訂版モデル就業規則の策定を期に、2018年4月にユニ・チャームや新生銀行など大手企業が副業解禁をし始めるようになりました。

2018年が副業元年と呼ばれるようになったのは、そういった理由が背景にあります。

副業解禁された本当の理由

原則禁止とされていた兼業・副業が、わざわざ解禁されたのにはそれなりの理由があります。

それは、日本国の人口減少や所得低下が挙げられます。

少子高齢化による人口減少は、深刻な労働力不足の原因にもなっています。

また、所得低下によって労働者側からも副業解禁を求める声は年々増加しつつありました。

そのような背景から、今いる人材を最大限に活用しつつ、労働力不足や所得低下問題を同時に解決しようというのが、副業解禁の狙いになります。

このような観点に立つと、「副業解禁とは国策である」ことが理解できるはずです。

なので、理屈的には日本の全企業がその方針に従わなければいけない、又は従った方が良い(メリットがある)ということになります。

企業が副業解禁する理由

企業が副業を解禁する理由は、第一に政府の働き方改革の影響が大きいと考えられますが、それ以外のメリットも考えられます。

終身雇用制の時代が終わって、従業員が副業によって収入を増やして生活を安定させることは、雇用している経営者側にもメリットがあるのです。

その最も大きなメリットは、優秀な人材を囲い込めることです。

もし、副業を禁止していると、副業を解禁している同業他社に優秀な人材が流出してしまう可能性があります。

それであれば、「むしろ副業を解禁して、他社で得たノウハウなどを本業にフィードバックしてもらった方が良いのではないか?」と考える経営者が増えてきているのです。

このように従業員が副業することを前向きに捉えて、それを自社の強みに転換していこうとする企業が増えてきているのです。

これはつまりダイバーシティ(diversity)にも繋がっていき、多様性を求める現代企業の方向性とも一致します。

副業推進するには課題がある

しかし、実際に副業を解禁するには、クリアしなければいけない課題がたくさんあります。

1つ目は労働時間の問題です。

副業は本業の時間外に行なうのが原則なので、企業からすると「見えない残業時間が増えている」のと同義になります。

厚生労働省のモデル就業規則にも「本業がおろそかにならないこと」とされていますが、現実的に企業側は副業の労働時間を把握することができません。

つまり、それはあくまでも従業員の自己管理になってくるからです。

2つ目の課題とは、日本企業数の9割以上である「中小企業」に副業解禁の流れが行き届いてないことです。

2019年の中小企業庁による調査では、中小企業の85%が未だに副業を禁止しています。

常に人手不足の中小企業では「従業員が副業で疲れ果ててしまい、本業に支障が出るのでは?」と慎重になっていることが予想されます。

このような意識を変えるには大手企業が副業解禁に向かい、企業と従業員双方にメリットがあることを目に見える形で体現することが必要だと考えられています。

副業禁止にするデメリット

副業解禁は全ての企業が行うべき施策なのですが、それに従う義務はありません。

しかし、副業解禁しないことは多大なるデメリットをもたらすことを、経営者や人事・総務担当者は理解しておくべきでしょう。

その理由を以下で解説していきたいと思います。

優秀な人材を採用できない

まず挙げられるのが”人材採用について”です。

企業に副業解禁が浸透していくと、副業を始める人が増えていくことが想定されます。

その働き方は様々ですが、副業や兼業、複業(パラレルワーク)など自分に合った働き方を労働者側が探し始めることでしょう。

また副業を始めるような人は、相対的に好奇心旺盛で”優秀な人”が多い傾向にあります。

そのような人は自分自身のやりたいことが明確になっていて、自ら考えて行動できる”幹部候補の人材”だと言えるでしょう。

このような副業開始した優秀な人が、ある程度サイドビジネスが軌道にのってしまったと仮定します。

この優秀な人が転職を検討した際に、候補に挙がる企業はどのような企業かと言うと、もちろん副業を解禁している企業になります。

つまり、副業解禁していないだけで、優秀な人から見向きもされなくなるリスクがあるという事です。

これだけに限らず、「副業が当たり前」という認識になっていく若い世代(新卒社員など)にとっては、副業解禁すらしていない企業は旧態依然のレガシー企業として捉えられ、全く魅力的に映らないでしょう。

よって、副業解禁しないことが「新卒採用にまで影響してくる」ということが十分想定されるのです。

離職率が上昇する

次に離職率の上昇が挙げられます。

副業解禁で副業したい人が増えると、社員の周りでも「副業を始めた!」という友人・知人が増えることでしょう。

そうなった場合、隣の芝生が青く見えてしまうので、副業解禁していない自分の勤め先が魅力なく映ることでしょう。

そして「自分も副業をしたい!」と思ったり、「他の仕事を経験してみたい!」と考えた時には、結果的に転職することになります。

しかし、もし副業解禁していたとしたらどうなるのでしょうか?

例えば、従業員は今の会社に勤務しながら、他の仕事を副業として体験することができます。

又は自分がやりたかった夢を複業として実現したり、週末起業することもできるでしょう。

これは結果的に”会社を辞めなくても良い”という新しい選択肢(働き方)を与えることになり、離職率の低下に繋がることが想定されています。

社員を育成するコストは決して馬鹿になりません。

できる限り社員が長期間働ける環境を用意してあげましょう。

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訴えられるリスクがある

最後に労使トラブルが挙げられます。

世間では「副業解禁!」と言われていますが、そもそも企業に副業を禁止することはできません。

実は副業禁止にすることは法的にも違法行為とされており、企業側が有罪と判断された判例もあるのです。

しかしこれまでの日本社会では、「副業禁止が当たり前!」という概念が強かった為、ある程度は黙認されてきたというのが実態でした。

本来の労働契約とは「就業時間内の拘束」のみに適用される為、帰宅後の制約や副業禁止をすることは個人の自由を侵害する行為とされています。

よって、そのような制約は違法行為とみなされるのです。

つまり、企業が副業禁止を続けることは、そのようなリスクを持ち続けることを意味します。

また、副業禁止が違法であることを知っている従業員が、会社を訴えるリスクも拭い去ることができません。

このような事態が発生した場合、遅かれ早かれ結局は副業解禁せざる負えなくなります。

それであれば副業解禁を前提として、「この環境の変化をどうやって有効活用するか?」という前向きな思考で捉えた方が自社にとってメリットが大きいと考える経営者が増えているのです。




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