ラポールが使える業界とは?
ラポールは様々な業界で使われていますが、特に医療、福祉、介護、保育などの業界では、積極的にラポールが活用されています。
これらの仕事は人と人との心の距離を縮め、信頼関係を深めることで成り立っている職業だと言えます。
例えば介護関係では、要介護者やその家族と介護職員が頻繁にコミュニケーションを取り合っています。
デイサービスやショートステイを受ける要介護者のお世話をするのはもちろんですが、
- 要介護者がどのような状態なのか?
- 今どんなことに困っているのか?
ということを要介護者の家族からヒアリングし、適切な介護メニューを提案することも求められます。
このような”作業”が必要なのですが、要介護者本人や家族から本音を聞き出す為には、相手とのラポールが欠かせません。
ラポールが形成されていないと、介護職をわざと困らせるような問題行動を起こす入居者もいるのです。
要介護者の家族が介護職を信頼していなければ、要望も聞き出せず、不満ばかりを募らせてしまうかもしれません。
介護職側も「なぜコミュニケーションがうまくいかないんだろう」と悩んでしまうことにもつながります。
これは医療、福祉、介護、保育業界で共通した悩みなので、それらの職種ではラポールの形成が最も重要な課題となっています。
ラポールさえ形成されていれば、相手が自分の仕事に協力してくれることも期待できるのです。
ラポールはビジネスに使える?
ここまでご覧になった人は、「ラポールはビジネスに活用できる」ということが十分理解できたはずです。
そもそも成功するビジネスパーソンは、コミュニケーション力に優れているケースが多いですよね。
そして、誰でも一度は「ビジネスにはコミュニケーション能力が重要だ!」という言葉を聞いたことがあるはずです。
ちなみに、ここでいう『コミュニケーション能力』とは、
- 信頼関係の構築能力
- 傾聴力
- 伝える力
などを指しています。
仕事ができる人は人当たりが良かったり、人を安心させる雰囲気を持っていたり、誠実さがありますよね。
相手を信頼させる能力が高いので、人脈を広げたり、情報収集能力も高く、結果的に仕事の成功へとつなげているのです。
ラポールは仕事に役立つ
信頼関係の構築にラポールの技術が使えることは、もはや周知の事実だと思います。
ここまでラポールについて解説してきましたが、ラポールとは『コミュニケーションスキルの一つ』だと言えます。
例えば、転職や就職で面接する際にも、ラポールの知識があることはアピールポイントの一つになります。
なぜかといえば、信頼関係はビジネスにおいて最も重要視される指標の一つだからです。
顧客とラポールを形成するスキルがあるだけでも、他の候補者と比較して、頭ひとつ抜けた能力を持っていることをアピールできるはずです。
特に営業職の場合には、信頼関係さえ構築できれば、製品サービスを買ってもらいやすくなりますし、少し無理なお願いでも承諾してもらえる可能性が高くなりますよね。
これは「ビジネスパーソンにとって重要なスキル」だと思います。
営業職はラポールを使うべき
これはあくまでも個人的な意見ですが、『営業職はもっとラポールを有効活用するべき』だと思います。
営業職はオンライン(非対面)でも対面営業でも、人と接する機会が多い仕事ですよね。
しかしラポールの技術さえあれば、テレアポ業務を最大化させたり、受注率を向上させることもできるはずです。
なので、セールスに携わるのであれば、もはやラポールの知識や原理を理解するのは当たり前でしょう。
市販されている書籍やウェブサイトを活用すれば、ラポールに関する知識はいくらでも学ぶことができます。
さらに深い理解を求めたい人は、セミナーに参加したり外部研修を受けるのも良いでしょう。
頭の中に入れた知識はアウトプットしてこそ価値が出ます。
実践経験を積むことで、知識を”無意識(自然体)”に活用できるようになります。
そのためには、仕入れた知識をどんどん営業プレゼンに活用するのです。
プレゼンはセールスの現場で何度も行われるので、実践経験を積みながらスキルアップできるはずです。
それはまさに一石二鳥となるでしょう。
ただし、距離感には気を付けた方が良いです。
あまりにも距離が近くなりすぎると、嫉妬や憎悪などで、関係性が悪化する『ネガティブラポール』が形成されることもしばしばあります。
そんな時には相手と適度な距離を取り、ラポールの再構築を目指しましょう。
基本的には相手との認識のズレが「ネガティブラポール」になってしまうので、丁寧に認識を擦り合わせることが大切だと思います。
そのために参考になる考え方は「ラポールの原理」というものです。
- 人は、自分のことをありのままに理解しようとする人を信頼する
- 人は、自分の大切にしているものを大切に(尊重)してくれる人を信頼する
- 人は、共通部分を認識したり、感じ取ることで信頼度を高める
これらの原理を頭の中に入れて、上手にラポールを形成していきましょう。