
営業職の人が転職したいと考えた場合、どのように行動すればいいのでしょうか?
転職は「人生の岐路」と言えるので、簡単に決めることはできませんよね。
そこで今回は「仕事を辞めたい!」と思った時に役立つ情報を解説していきたいと思います。
目次
営業職の転職先はどう決める?
営業職を辞めたいと思ったとき、重要になるのは「次どうするのか?」ということです。
つまり、
- フリーランスとして独立するのか?
- 自分で起業or開業するのか?
- 他の会社に転職するのか?
ということです。
大きくは上記3つの選択肢になるはずですが、一般的に多いのは『転職活動する』ことだと思います。
しかし、この選択肢は慎重に考えなければいけません。
やっぱり転職というのは人生の岐路ですし、適当に選んでしまうと後々後悔する羽目になります。
なので、まずは『何を基準にして転職先を決めるのか?』という部分を明確にしましょう!
どこに転職するのか決め手になり得るものは、「これまで抱えてきた不満を解消しつつ、高いモチベーションを維持できるようにする」ことです。
やっぱり仕事は毎日行うので、高いモチベーション維持しながら働かないと、どうしてもパフォーマンスが低下してしまいますよね。
自分で独立・起業する場合にはモチベーションを維持しやすいですが、もし転職する場合には「企業理念に共感できるかどうか?」を判断基準にしてみるのがおすすめです。
営業職というのは「何らかの製品・サービスを販売する職業」なので、「何を販売するのか?」という部分にフォーカスしがちですが、そのやり方はあまりお勧めしません。
結局は所属する会社の理念に従ってセールスしていくことになるので、心から共感できなければ、結局モチベーションは上がりませんし、仕事に情熱を注ぐこともできないはずです。
なので、採用面接の時に、
- なぜこの企業理念にしたのか?
- どういうビジョン(将来のイメージ)があるのか?
などを確認して、本当に自分に合っている企業なのかを見極めましょう。

やっぱり”売る商材”も大事
先ほど「理念に共感することが重要だ」とお伝えしましたが、その一方で営業職という仕事柄、どうしても自分が売る商材をないがしろにすることはできません。
トップセールスになるためには自分が販売する商材に惚れ込むことが必要ですし、それができなければ良い結果には結びつかないはずです。
「本当に良いものだから売る!」という気持ちで営業できないと、だんだんそれがストレスになって、お客様に対して罪悪感を持つきっかけにもなり得るので注意しましょう。
それでは、一体どのような製品・サービスを扱っている会社が良いのでしょうか?
この時の考え方としては、「自分がフリーランス(フルコミッション営業)だったとしても売りたい商材なのか?」という視点で見るのがおすすめです。
フルコミッションセールスは成功報酬型なので、たくさん売れば大きく儲かりますが、もし売れなければ無収入(収入ゼロ)という事態になります。
それだけハイリスク&ハイリターンの働き方が”フルコミッション”なのですが、もし自分がそのような働き方だったとしても「ぜひ売ってみたい!」と思えるかということです。
このようなシチュエーションでも「売ってみたい!」と思えるのであれば、きっと情熱をもって取り組める商材なのだと思います。
職場環境や同僚もチェックしよう!
転職するなら、やっぱり仕事しやすい環境がいいですよね。
なので、職場環境や同僚についてもきちんと調査しましょう。
営業職の場合、直行直帰ができたり、リモートワークできるケースもあるので、他の営業マンの勤務状況を確認するのが良いと思います。
あと、現場の業務レベルを推し量るために、離職率なども調べてみると参考になるでしょう。
離職率はストレートに聞きづらいものなので、「何%ぐらいの人が3年以上勤務していますか?」というように少し変化球的な聞き方をするのがおすすめです。
この回答の裏側が、おおよそ離職率になるはずです。
ただし、理想を高くして選びすぎてしまうといつまで経っても転職先が決まらず、困ってしまうかもしれません。
なので、あらかじめ決め手(キーポイント)を自分なりに定めておくことが肝心です。
営業に向いない&辞めたいと感じたら…
営業職の人が転職しようと考えるタイミングは、「自分は営業職に向いていない…」と感じた時ともいわれています。
努力しているのに一向に実績が上がらない場合や、勝てそうにない優秀なトップセールスなどがいると、「自分はダメだ…、もう辞めたい」と考えてしまうので、それではモチベーションが下がってしまいます。
しかし、このような気持ちが生まれてきた場合、一旦冷静になってみることも大切だと思います。
例えば、「自分は一生懸命に努力している!」と思っていても、実際には無駄な努力ばかりしている可能性もあるからです。
実は、本当に正しい努力をしているのであれば『必ず結果がついてくる』のが営業職なので、もし結果が出てないのであれば、それは”間違った努力”をしている可能性があります。
これは勉強でも一緒なのですが、努力しているのに結果が出ていないということは、『努力するやり方(=方向性)』が間違っている可能性もあるのです。
営業活動とは、少しやり方を変えただけでも、劇的に売り上げが変化する、大変面白い仕事です。
経理や総務などのバックオフィスでは、営業職のようなエキサイティングな仕事は体験できないでしょう。
口下手だと営業できない?
人とコミュニケーションを取るのがそもそも苦手で、上手くセールストークが話せないから、「自分は営業職に向いていない」と考えてしまう人がいます。
確かに、営業という仕事では、ある程度の話力が求められるのですが、実際にはトップセールスマンであっても話し上手とは限りません。
さの編集長はこれまで数多くのトップセールスを見てきましたが、意外と出来る営業マンは控えめな人だったり、人見知りが多かったりもするのです。
実際にさの編集長もトップセールスとして活躍してきましたが、自分のことを陽キャだと思ったことはなく、どちらかといえば陰キャに近い方だと思っています。
つまり一般的な営業マンとしてイメージされるような、ノリが軽い人、パリピな人、いわゆる陽キャなど、ほとんどいないのです。
そう考えた場合、決して“口下手だから営業職に向いていない”というロジックは存在しないはずです。
むしろ話し上手という要素よりも、”聞き上手”なことが、営業職に必要な絶対的要素だといえます。
聞き上手な人はうまく顧客ニーズをヒアリングできるので、お客様に最適なソリューションを提供することができます。
「営業職として活躍するには何が必要なのか?」を改めて見直してみると、「意外と自分は営業職に向いているのではないか?」と思えるかも知れません。
つまり営業活動とは、顧客が何を必要としているかを聞き出して、そのニーズに合った適切な提案をすることなのです。
この本質を再認識して、「自分の能力をどのようにして発揮していけば良いのか?」を今一度考えてみましょう。
もしかしたら苦手意識を持っていた部分が、実は営業職に不可欠なものではないと気づけるかもしれません。
法人営業はきつい
「営業の仕事はきついから辞めたい…」と思う人は多いかもしれません。
特に法人営業はきついことで知られていて、いくら努力をしても一向に売り上げがついてこないことも珍しくありません。
なぜかといえば、法人が相手の場合には感情論などが一切なくて、かなりロジカルに理詰めで説明しなければいけないからです。
そして最終的には、
- 売上が増えるのか?
- コストが下がるのか?
という2点を問われることになります。
つまり、どのようなソリューションをするにしても、シビアに「利益は増えるのか?」という点を見られるのです。
この点は個人向け営業と全く違っていると言えるでしょう。
個人営業の場合、「あなたがそこまで言うなら買うよ」という具合に付き合いが発生したり、「情熱」という抽象的なもので売れてしまうケースもありますが、法人営業の場合には曖昧な受注など基本的にありえません。
いくら情熱120%で提案しても、「会社の売上が減ってしまったり」「コストが上がってしまう」ような提案では、絶対に契約することができません。
なので、法人営業では理論武装(ロジック)と期待値が求められるのです。
法人営業では決裁権が重要
いくら熱心に営業をしても、対応する担当者が決裁権を持っていなければ、結果に結びつくことはないでしょう。
事業法人は会社組織なので、購買する場合には、必ず会社のキャッシュ(現金)を使うことになります。
実は、このお金を使う権限を持っている人は会社内でも限られるのです。
具体的に解説すると、決裁権は事業予算とリンクしてきます。
そのそも会社経営には年度予算があります。
例えば年間1,200万円を売り上げようとした場合、月当たりでは100万円の事業予算になりますよね。
この100万円の予算を達成する為に必要なコストを導き出して、手元に残ったものが営業利益となります。
なので、事業予算を持っている人は100万円の予算を達成する為に、販管費を使ってもいい権限を持っているのです。
この予算を使う権限のことを、一般的に「決裁権」と呼んでいます。
なので、法人営業においては決裁権を持っている人にアプローチするというのが大前提になってきます。
法人営業はノルマがつらい
法人営業は「ノルマがつらい…」と言われることがあります。
このように言われている理由は明確で、法人営業の場合には即決営業が難しいからです。
先ほども少し触れましたが、法人が購買する場合は“会社のお金”を使うので、必ず社内の承認を得なければいけません。
この決済をもらうフローのことを“稟議”といいます。
なのでたとえ担当者が乗り気だったとしても、「何年も受注に至らない…」なんてことが日常茶飯事なのですが、それでも営業ノルマは消えることがないので、上司からは激しいプレッシャーをかけられます。
その結果、ストレスを抱えることになってしまい、最悪のケースではうつ病になることすらあるのです。
そして「このストレスから解放されたい!」と考えるようになると、営業職を辞めて他の仕事に転職しようと考えたり、別の職種に就職したいと思う人が出てくるのです。
しかしよく考えてみると、もし「ノルマがない」という法人営業だった場合にはどうでしょうか?
「仕事は楽しいけれど、営業ノルマがきつい」という場合には、ノルマのない営業職に転職するというのも有力な選択肢だと思います。
実際にノルマがない営業職は世の中にありますし、ノルマ達成が楽チンなインサイドセールスもあります。
企業方針として「営業スタッフにはノルマを課さない」というスタンスの会社もあるので、一度調べてみる価値はあるかも知れません。
未経験でも営業で成功するコツ
営業職を辞めたいという人がいる一方で、未経験でも「営業職にチャレンジしたい!」という人が一定数います。
ただ実際に働き始めてみると、なかなか営業実績が上がらず、次第に辛くなってしまい、「もう辞めたい…」と思うようになってしまうケースも少なくありません。
営業未経験であれば当然の結果かもしれませんが、未経験者でもセールスを成功させるコツはあるので、ここで押さえておきましょう。
まず、トップセールスを目指す上で、
- 営業経験者なのか?
- 営業未経験者なのか?
という点はほとんど関係ありません。
さの編集長は、これまでたくさんの会社で営業未経験者のトップセールスを見てきました。
40代で初めて営業職を経験して、トップセールスになった人もいます。
つまり外的要因と、売れる営業になることはほとんど因果関係がないということです。
それでは一体どんな要素があれば売れる営業パーソンになれるのでしょうか?
それは複合的な要素になりますが、最も重要なのは『課題解決力がある』ということです。
課題解決力とは、お客様の課題を解決できる力のことをいいます。
これは抽象的な概念なので、決して「商材力がある」とか「効果が高い」という単純で一元的なものではありません。
この辺りをもう少し掘り下げていきたいと思います。
課題解決力を高めよう!
課題解決力とは、お客様の課題を解決できる力だとお伝えしました。
それでは「お客様の課題」とは一体何のことでしょうか?
まずはこの部分を具体的に考えていきたいと思います。
いきなりですが、ここで質問です。
あなたは旅行代理店の営業パーソンだとします。
そこに、60代のご夫婦が来店してきました。
そのご主人は営業担当者のあなたにこう言いました。

ここからが営業職の仕事ですよね。
あなたならこのご夫婦にどんな旅行をご提案しますか?
ここでポイントになるのは、「なぜヨーロッパ旅行に行きたいのか?」ということです。
ヨーロッパ旅行に行きたいと思うからには、何らかの理由があるはずです。
- テレビで見た街並みが綺麗だったから
- 同僚が「とても良い場所だ」と言っていたから
- これまで行ったことがないから
など理由は様々だと思います。
まずはこの部分をヒアリングすることが重要なのです。
例えば、ヨーロッパに行きたい理由を尋ねると、お客様は以下の様に言ったとします。

この場合のソリューションはどうなるのでしょうか?
それはもちろん、お客様が街中を散策している時、雰囲気が良さそうな都市をおすすめしますよね。
しかし、お客様は本当に「テレビで見た街並みが綺麗だったから」という理由でその場所に行きたいのでしょうか?
実はココが営業の本質になります。
まず答えから言ってしまいますが、答えはNoです。
お客様は、テレビで見た街並みが綺麗な場所に行きたい訳ではないのです。
これだけ聞くと「??」になるかもしれませんが、顧客ニーズ(本質)は物事の表面だけで図ることができません。
このことを誤って認識している営業パーソンはとても多いので、ぜひここで押さえておきましょう。
ご主人は街並みが綺麗なヨーロッパの都市を見た時、きっと“誰かと一緒に歩いてみたい(見てみたい)”と思ったはずです。
その相手は恐らく愛する奥様なのです。
だからこそ奥様と一緒に来店したのです。
なので正確に伝えると、「テレビで見た街並みが綺麗な場所を奥様と一緒に歩きたい」というのが、お客様の抱く”本当のニーズ”のはずです。
すると、「この都市は街並みが綺麗ですよ」という上っ面の提案ではなく、
- 奥様が好きな街並みはどの都市ですか?
- 奥様は坂道が多い都市でも歩けますか?
- 奥様は見たい観光地がありますか?
というようなコミュニケーションが出てくるはずです。
このように、営業活動とは単なる売り込み(押し売り)ではなく、顧客の課題解決を手助けすることなのです。
もしコンビニで水を買いたいお客様がいた場合、それも「決して水が欲しいのではない」のです。
ただ単に”喉の渇きを潤したい”だけなのです。
どんな購買活動にも顧客ニーズ(本質)が隠れています。
もしセールス職として成功したいのであれば、“常に顧客目線“で物事を考える癖をつけるようにしましょう。
この考え方が完璧に身に付けば、自ずと結果はついてくるはずです。
