
羽生善治(はぶよしはる)といえば、日本トップレベルのプロ棋士ですよね。
中学生の時にプロ棋士となり、19歳で初タイトルとなる竜王位を獲得しました。
そして1996年、25歳の時に王将位を獲得し、名人、竜王、棋聖、王位、王座、棋王と合わせて7大タイトル全てを独占し、史上初の7冠王となりました。
とんでもない強さを誇ったプロ棋士なので「天才」と呼ばれる偉人なのですが、今回は羽生善治の名言集をご紹介したいと思います。
天才の考え方が理解できる言葉ばかりなので、ぜひ最後までご覧ください。
羽生善治の名言集まとめ
将棋の世界は結果がはっきりと現れる世界です。
将棋では、勝ちと負けがはっきり分かれます。
もちろん偶然性(たまたま勝ったなど)もありません。
個人競技なので、体調不良や天候不良など、周りのせいにすることもできません。
その反面、曖昧さがなくて清々しいという側面もあります。
そのような競技が「将棋」なのですが、羽生善治は結果よりも”内容”を重視しているそうです。
”内容”を重視すれば、その対局の勝ち負けだけでなく、長期的な視点で取り組めるからです。
細かいところまで知識があれば、どんなケースが現れても直ちにそれを照らし合わせて答えを見つけ出すことができます。
これは直感力に関する名言です。
豊富な知識はあなたの”直感”を支援してくれるので、オールジャンルの知識を身につけましょう。
少しの違いが大きく結果に影響を与えることはカオス理論などでも言われています。
カオス理論は別名「バタフライエフェクト(バタフライ効果)」とも呼ばれています。
カオス理論とは、力学系の一部に見られる、数的誤差により予測できないとされている複雑な様子を示す現象を扱う理論である。
ウィキペディア(Wikipedia)より
難しい内容ですが、簡単に説明すると「たった一匹の蝶の羽ばたきが、地球の裏側では台風にもなり得る」という理論がバタフライ効果です。
「プロフェッショナル」と呼ばれる人たちは、みんなスキルが高いので、ほとんど差がないと羽生善治は言います。
しかしほんの少し、微妙な違いがあるため、それが長期的には大きな差になっているそうです。
時間をかけるとあれこれ欲が出たり、悩んだり、迷ったりします。
将棋では「最終的に自分の直感を頼るしかない」と羽生善治は語っています。
いくら長考しても、ほとんど考えが変わることはないそうです。
その一方で、経験がない(下積みがない)直感は、非常に危険だと語っています。
いわゆる職人技というのは、毎日、毎日、同じことを繰り返して何十年もの歳月を要して極めて高度な匠の技を磨き上げます。
一朝一夕で偉業を成し遂げることはできないのです。
読みの基本となっているのは、”三手の読み”という考え方です。
三手の読みを簡単に説明すると、「こう指す、相手がこうくる、そして自分がこう指す」という具合です。
一手目は自分にとって最善の打ち手を探すことになり、二手目は相手にとってベストの打ち手を考えることになります。
これはつまり「自分にとって一番やられたくない打ち手」を考えることになります。
それは”危機管理”にも繋がっていくので、日常生活にも応用できるそうです。
「棋は対話なり」という言葉があるのですが、一手一手の選択の中には意思が宿っているということです。
これは将棋の奥深さを語った名言ですよね。
一手一手の積み重ねが勝ち負けに繋がるので、その過程をすべて「対話」と表現したのです。
人間には忘れるというとても便利な機能があります。
辛い経験や悲しい出来事をいつまでも引きずる必要はありません。
きれいさっぱり忘れて前向きに生きていきましょう!
私にはとても会社勤めがつとまるとは思えません。
棋士は、将棋盤に集中しなければいけません。
それに慣れてしまったので、羽生善治は周りを気遣うことが苦手みたいです。
これはつまり、人間には得意・不得意があるということです。
優れた技術アイデアであってもいい時代が追いつかず表に出ることがなかったケースはたくさんあるでしょうし、逆に時代遅れのことをやっていても認められません。
羽生善治は「ほんの少しだけ時代の先へ行くのが理想的」だと語っています。
リーダーは話し合いをしたとしても、最終的にはすべての責任を負って決断を下さなければならない。
「リーダーは孤独だ」と言われますが、まさにその通りだと思います。
これは個人的な経験からも言えます。
周りにアドバイスを求めるのはOKですが、他人に頼るリーダーはダメだと思います。
「最終的には自分が決める!」と意思決定して、ブレない信念を貫きましょう。
不測の事態が起こった時にこそ、その人の器がわかる。
不測の事態とはいえ、ある程度予測することはできます。
これは「リスクヘッジ」の考え方にも繋がっていきますが、周到な準備をしている人が「優秀なビジネスパーソン」と呼ばれています。
トライ・アンド・エラーが身の丈を伸ばす。
挑戦すると失敗するケースもありますが、それはそれでOKです。
「失敗は成功のもと」とも言われますが、とても重要なことなのです。
失敗することの大切さを”名言”として残したのが、発明者トーマス・エジソンです。
その内容が気になる人は下の記事をご覧ください。
可能性を明確にするのが志なのだと思います。
可能性を具体化したものが目標です。
そして目標を達成させるためには志がなくてはいけません。
つまり志がなければ、自分の可能性は広がらないのです。
勤勉に働くのはとても素晴らしいことだと思いますが、並行して充実度も上げていかないとやがて苦しくなります。
充実度とは「仕事のやりがい」とも言い換えできます。
やりがいのない仕事は長続きしないので注意しましょう。
基本が大切なのは、マスターしたことを忘れることはなくても、鈍ることがあるからです。
羽生善治は基本の大切さについて語っています。
基本が疎かになると、それが小さなロスを生み、全体のバランスが崩れてしまうのです。
将棋の世界においても戦術や戦略は時代と共に変化していきますが、悩ましい場合、分岐点となる局面はそれほど大きな違いはないものです。
外部環境は常に変化するので、そこに自分自身を合わせていかなければいけません。
これはビジネス環境も一緒です。
ビジネス環境はものすごいスピードで進化しています。
これまでのやり方が来年も通用するとは限らないので、常に改善することを心掛けましょう。
息詰まった時、煮詰まった時というのは視点が固定しがちです。
羽生善治は俯瞰的な視点で物事を見るように推奨しています。
これは将棋の盤面を見る時も同じだそうです。
不運が続いたとしても嘆く必要はないと考えています。
幸福と不幸は表裏一体です。
そもそも”不幸”という概念がなければ、”幸福”という概念も無いからです。
そう考えた場合、たとえ不運が続いたとしても、その後には必ず幸福な出来事が待ち受けていることになります。
ブルーオーシャンだと思っても、一度流れが決まってしまうと、あっという間にレッドオーシャンになってしまうわけです。
これは将棋を指すアイディアについて語った名言ですが、ビジネス環境もこれと同じですよね。
たとえ良いアイデアを思いついたとしても、それをみんなが真似してしまえば、すぐにレッドオーシャンになってしまいます。
なので、ビジネスにおいてはスピードが最も重要なのです。
発見をするにはマジョリティの反対方向へ進む必要もあります。
マジョリティとは「多数者」「多数派」を意味する言葉です。
なので、これは「常識を疑う」ことを推奨した名言です。
少し違う発想をするためには、これまでの常識を疑う必要があるのです。
前向きに取り組んでいくためには、それを習慣づけする必要がありそうです。
「継続は力なり」という言葉がありますよね。
まさにその通りで、習慣化すれば人間は苦痛に感じないそうです。
将棋の世界の場合でも、楽観的に考える人の方が多いと思います。
将棋では一手一手が自己責任なので、あまり悲観的に考えすぎると自己否定することになってしまうそうです。
それだと次の一手を考えることができないので、基本的には楽観的に考えているそうです。
長考の良いところは、目前の一手に焦点を合わせるだけでなく、その背景やプロセスまで考えることができることです。
同じ一手だとしても、長考の場合には意味合いが違ってくるそうです。
長考の場合には、たくさんの読みを入れて、その中で苦心の一手を選択したことになります。
それはもちろん相手も同じなのですが、ここで重要なのは「なぜ他の有力な候補手を選ばなかったのか?」という部分です。
つまり、選ばなかった候補手は、「相手にとって都合が悪い=自分にとって都合が良い」ということになるのです。
歩をたくさん持ってるということは、使われなくてもそれだけで手厚いのです。
ビジネスに例えると「歩=内部留保」と羽生善治は表現しています。
持ってるだけでも安心感があるので、いざという時に役立つそうです。
同じボードゲームでも西洋と東洋では違っているところがあり、それを知ってから、将棋の魅力やユニークさがより解った気がしています。
これは将棋とチェスの違いについて語った名言です。
将棋とチェス以外にも世界には様々なボードゲーム(インドのシャトランジ、中国のシャンチー、タイのマックルック、朝鮮のチャンギなど)が存在していますが、取った駒を再利用するのは日本の将棋だけだそうです。
そして、将棋は9×9のマスで戦いますが、チェスは少し狭い8×8のマスで戦います。
さらに、チェスの引き分けは40%ほど出るのに対し、将棋の引き分けは5%にも満たないそうです。
このような違いを知って、もっと将棋が好きになったそうです
人間は完全でいたい、安心をしたいという本能があるので、何もしないと変化はしなくなります。
変化(進化)を求める場合、それを実行できるのは自分しかいません。
自分の意思でしか、変化することはできないのです。
知っていることと使いこなすことは必ずしもイコールではなく、体感することによって初めて理解すると考えています。
知識を蓄えて、頭で理解するだけでは不完全です。
自ら経験して”智恵”にしなければ、本質が理解できないと思います。
目標を設定してしまうと同時に限界を設定している場合もあります。
これは目標を設定する危険性について語った名言です。
目標設定することで「そこに到達すればOK」という認識になってしまう危険性があります。
目標は「短期目標」と「長期目標」に分けて管理しましょう。
何でもいいので、ハードルを越えていく経験が大切だと思っています。
これは成功体験の重要性について語った名言です。
ほんの少しの成功体験でも、それが原動力となって次の成功体験と繋がってきます。
上手な目標設定を心掛けましょう。
将棋の世界にも作戦の流行というものがあります。
- 将棋の基本と言える囲い(矢倉囲い、美濃囲いなど)
- プロ・アマ問わず人気のある「振り飛車」
- 堅固な囲いの一つと言われる「穴熊」
将棋は戦略論なので、どのような戦術を取るかによって勝敗が分かれてきます。
ビジネスも同じで、時代によって戦術は変化していくはずです。
歩を上手に使いこなせることが、そのまま上達につながると言えます。
金や銀が守りの要なので、人体で言えば骨や筋肉のようなものです。
そして歩は皮膚に該当します。
どんなに骨や筋肉の強くても、皮膚が剥がれてしまうと、その身体は脆くなります。
プロの対局では、歩の使い方一つで結果が左右されるそうです。
実は一番たくさんの手筋があると言われているのが「歩」なのです。
あまりに個性を強く出し過ぎてしまうと、組織としてまとまりがつかなくなりますし、あまりに規則でがんじがらめにしてしまうと個性を活かす場所もなくなり、全体としての活力も失われてしまいます。
これも個性を発揮する難しさについて語った名言です。
個性は発揮したほうがいいと思いますが、個性を発揮するにはリスクが伴います。
なので、ほとんどの人はリスクを取らずに、安全な選択肢ばかりを選んでしまうのです。
そうすると組織は進化することができないので、徐々に衰退していく羽目になります。
まとめ
ここまで羽生善治の名言集をご紹介してきました。
一流のプロ棋士なので、とても参考になる考え方でしたよね。
もしお気に入りの言葉や座右の銘が見つからなかった場合には、下の記事もご覧ください。