
営業日報を出すことは会社員であれば当たり前ですよね。
ただ、日報作成を「単なる作業」としてこなしている人が大勢いると聞きます。
これは非常に勿体ないことだと思います。
そこで今回は、営業日報の活用方法や、日報作成するコツについて解説していきたいと思います。
目次
営業日報を書く意味とは?
現場で働く営業マンにとって、営業日報を書いて報告するという仕事は、なかなか負担になっていると思います。
日報を書くような時間があるなら、「その時間を営業活動に使いたい!」というのが営業マンの本音だと思います。
営業日報は、
- 日報を書くのが面倒
- 毎日同じような営業報告になる
- そもそも報告することが無い
などの理由から「無意味だ!」と言われることもあります。
会社の売上に多大な貢献をしているトップセールスであれば、「いちいち日報を出さなくても、実績を見ればわかるだろ!」と思うかもしれません。
営業マンの中には、サボったことがバレたくないので日報で報告したくない人や、めんどくさがり屋の人もいるので、たびたび社内議論にもなるのが営業日報なのです。
営業現場の問題点が把握できる
営業担当者がどんなに日報嫌いだったとしても、経営者(執行役員など)からしてみれば、営業報告書は貴重な情報源になり得ます。
社長は営業現場を全て把握することが難しいので、営業日報を通じて日々の状況を把握しているのです。
- 何か問題に発展しそうな案件
- あと一押しすれば売上につながる案件
- 自分では処理し切れない案件
営業日報を提出することで、このような案件が可視化されるので、会社単位で対処することもできます。
営業の効率化が図れる
営業日報は、営業社員と担当役員の仲介役にもなっています。
セールス活動は「漠然と続けていれば結果が出る」というものではないので、きちんと情報収集してPDCAサイクルを回していく必要があります。
その為の情報源として、営業日報は役立ちます。
成績上位者からは好成績になるヒントを得て、成績が落ち込んでいる社員からは落ち込んでいる理由を探る、というのがセールスマネージャーの役目になります。
そして中間にいる、いわゆる「普通の営業マン」には、もっと効率よくセールスしてもらう必要があります。
1人1人に毎日面接してヒアリングするのは、社員にも経営者にも負担になりますが、その代役を務めてくれるのが「営業日報」なのです。
営業報告を上手く活用すれば、個人やチームの営業成績も会社の経営全体も上向く可能性があるので、そこに営業日報を書く意味があります。
これは営業マンにもメリットのある話なので、この点を良く理解しておく必要があります。

社内営業にも活用できる
営業日報を今より有効活用する為には、その役割を見直してみることも大切です。
営業日報には、
- どんな仕事をしたのか?
- どんな商談内容だったのか?
- どんな結果を残したのか?
などを書きますが、その結果如何にかかわらず、自分の頑張りや努力を伝えることも重要です。
上司に口頭で「私はこんなに努力しています!」とアピールしても、「どうでもいいから、早く売り上げを持ってこい!」と怒鳴られてしまうことでしょう。
このように、営業職は良くも悪くも数字が出てしまう職業ですが、その数字に反映されない独自の工夫や努力も積極的にアピールすべきだと思います。
それらをアピールする為に、営業日報は欠かすことができません。
やはり上司といえども人間なので、情に訴えかけるような社内営業をしておくことは、あなたが昇進・昇格する為にも大切なことです。
上司に対して、自分の頑張りや努力を伝えるためには、見込案件の報告時に、
- 人一倍努力したポイント
- 自分で編み出した独自アイデア
- 商談時の工夫
などを共有しておくと、たとえすぐに結果が出なくても上司は安心するはずです。
なぜかと言うと、上司も優秀な営業マンだったはずなので、そのような努力や工夫が営業成績に結びつくか否かを、ある程度判断できるからです。
もし「こりゃダメだ…」と思えばアドバイスして修正することができますし、「このままでOK」と思えば安心できるはずです。
逆に「何も考えずに行き当たりばったりで行動している営業マン」ほど、上司(管理者)にとって不安なことはありません。
営業日報の書き方&作り方
営業日報には、定番的な書き方や作り方があります。
それらを理解する為には、日報を「見る側」と「書く側」の2つの視点で考える必要があります。
- 見る側:経営者や管理者
- 書く側:営業パーソン
営業報告することは、両者にとってそれぞれメリットがあるので、まずはこの辺りを確認していきたいと思います。
経営者(社長)のメリット
経営管理者が営業日報を見るメリットには、
- 数字では見えない現場が把握できる
- 会社や事業の強み&弱みがわかる
などがあります。
季節や市況によって売上は左右されてしまいますが、数字だけを見るのではなく、営業現場に目を向けることはとても重要です。
訪問先・日時も含めて営業内容が正確&細かく書かれていれば、アクションの良し悪しが見えてくると思います。
会社全体の強みと弱みは、日報に書かれたお客様の声からも判断できます。
競合他社と相見積りになった話や、コンペに負けた経緯などは参考になるはずなので、漏れなくチェックしましょう。
営業マンのメリット
営業パーソンが日報を提出するメリットは、経営者やマネージャーに1日の稼働状況を報告できることだけではありません。
営業マン自身の行動や、1日を振り返る為にも、営業日報はとても便利なモノなのです。
今日体験したことを具体的に書けば書くほど、反省点や改善点が見えてくるので、今後の営業活動に役立てることができます。
営業日報を書きながら、「なぜあの案件は失注してしまったのか?」「なぜあの時お客様は渋い反応したのか?」などを思い出してみましょう。
きっと次回以降の対策になるはずです。
日報は自分だけ理解できれば良いモノではないので、チームメンバーや管理者が理解できるように書くことがポイントになります。
営業日報は、営業現場の内容を共有することができる優れた仕組みなので、今後の引き継ぎなども想定して、”誰が見ても一目でわかる書き方”にすることが大切です。
営業日報を分析する
営業日報は正しく記載して、報告することが求められます。
その理由は「営業現場で何が起こっているのか?」を正しく理解する為です。
なので、もし営業報告の内容に嘘が入ってしまうと、営業現場の状況が見えなくなってしまいます。
経営管理者にとって、営業日報は現場状況を把握したり分析する為のツールなので、報告する側も「自分に不利なことは書かないで、有利なことだけを書く」ということは止めるようにしましょう。
このように「営業日報=営業の分析ツール」と意識することで、「日報に何を書けば良いのか?」が自然に理解できていくはずです。
営業日報に記載すべき項目
営業日報は定性的なことを汲み取ることができる一方で、定量的なことから問題&対策を分析することもできます。
営業日報から問題点や対策方法を分析するためには、日報の項目が統一されている方が良いと思います。
その為、営業報告する内容を予め決めておくことをおすすめします。
営業日報に記載する文章項目としては、
- 訪問先の企業名
- 訪問日時
- きっかけや経路
- 相手担当者や役職
- 提案商材
- 提案結果
などが一般的ですが、さらに、
- 競合(コンペや相見積もり)している他社名
- 契約する上での障害&課題
- 購入頻度
- ネクストアクション(次回の予定)
なども加えておくと、管理者やマネージャーはアドバイスしやすいと思います。
営業日報の例文(無料)
ここで、営業日報の一例を紹介していきたいと思いますが、ここでご紹介する例文は、あくまでも「雛形」なので、参考程度にご覧ください。
営業日報は業種業態や各社のビジネスモデルによって、適切なモノを独自に作成することをお勧めします。
オリジナルのテンプレートを用意しておけば、営業担当者が記入する手間が省けるからです。
エクセルなどの表計算ソフトを使って、テンプレートを作っておけば、後で分析するときにも便利だと思います。
そのようなテンプレートに必ず入れておきたい項目は、業務内容と所感(感想)です。
業務内容には、
- 訪問数
- 受注数
- 売上
- 粗利
- 見込み数
なども記載してあると、より見やすくなると思います。
所感は自由に記載させて、徐々に修正していく感じでOKだと思います。
【2021年12月1日の業務内容】
- A社にて継続受注の確認および商品利用についてのヒアリング
- 商談時間:11時~12時
- 訪問回数:2回目
- 企業名:株式会社XYZコーポレーション
- 先方の担当者:経理部 鈴木様
- 商品:B
- 受注数:1,000個
- 売上:100万円
- 粗利:75万円
- 継続見込み数:1,000個
【所感】
訪問先の株式会社XYZコーポレーションは既存顧客です。
受注した内容は見込み通りで、発注数量も変わりなしでした。
商品利用についてのヒアリングをしたところ、「引き続き利用したい」という意向がもらえました。
好感触なので受注数を増やせそうな期待感はありますが、「製品が少し使いにくい」という感想が出てきたので、リクエストに応える必要性も感じました。
先方の担当者は打ち解けやすい人なので、こまめに連絡や訪問をして当社の優位性を伝えていきたいです。
営業日報のクラウドアプリ
営業担当者にとっては、外出先からスマホで営業日報が送れると便利ですよね。
なるべく早く正確に業務報告する為にも、営業後なるべく時間を空けない方が良いと思います。
そんな時に役立つのが、ITツールやクラウド型アプリです。
いつでもどこでもアクセスしやすいwebアプリは、会社のサーバに負荷をかけることなく、情報共有できるのがメリットといえます。
営業日報アプリの中から、おすすめのアプリを3つご紹介したいと思います。
おすすめの営業日報アプリ
「Gamba!」は、累計15,000社を超える導入実績があるクラウドアプリで、スマホ・PC・タブレットで使用できるので、日報に加えて営業担当個人の実績数値を更新できます。
社内SNSタイプなので、「いいね」や「コメント」で社内のコミュニケーションを活性化できるのも特徴的です。
BeWorksは、クライアントと案件に紐づけた日報を作成することが可能で、営業日報と案件日報を分けて管理したい会社におすすめです。
見込み案件の登録は、納期・予算・担当者などの項目に分けることができます。
営業マン別、クライアント別の集計も可能です。
houren.soは、写真付きの営業日報を報告できるクラウドアプリで、写真にはコメントの書き込みもできます。
また、GPS機能にて写真を自動仕分けすることもできます。
細かい文章で日報を出す必要がない会社なら、このようなコメント付きの写真報告の日報が簡単&便利です。
ぜひ自社のやり方に合った日報アプリを選定してみてください。
